ゼレンスキー大統領が辞職?【ファクトチェック】
ウクライナのゼレンスキー大統領が辞任するとの言説が広まりましたが、誤りです。ウクライナ政府の発表はありません。ゼレンスキー政権で閣僚の一部が辞任するのではないかという議員の発言がありますが、大統領ではありません。
検証対象
2024年4月20日、「【速報】ゼレンスキー、辞職」という、ツイッター速報の記事のリンク付きのポストが拡散した。拡散したポストは、4月22日現在で130万回以上の表示回数と1100件以上のリポストを獲得している。
検証対象についた記事は、インターネット掲示板「5ch」の書き込みを引用元に挙げているが、その書き込みの情報源は何も書かれていない。また、同じく5chを引用元とする言説は、他のまとめサイトでも拡散している。
検証過程
日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ゼレンスキー大統領が辞任するという発表があったかを検証した。
まず、ウクライナ大統領府の公式ページを確認した。この情報が拡散した2024年4月20日の一週間前の4月13日ごろから4月23日まで、ゼレンスキー大統領の辞任に関連するニュースなどは見つからない。
一方で、メディアではUkrainian National News(UNN)が「政府は来週人事異動に臨む予定」という記事を4月20日に出している。
また、Front News Ukraineというインターネット記事サイトのページでも、テレグラムの投稿を情報源として、ウクライナ政府内での人事異動に関する記事を出しているがゼレンスキー大統領が辞任するとは書いていない。
Front News Ukraineが情報源に挙げたテレグラムの投稿は、ウクライナ最高会議議員のヤロスラフ・ジェレズニャク (Yaroslav ZHELEZNYAK)氏のものと思われるアカウントが、内閣や検事総長、会計院のメンバーが交代するかもしれないと述べている。しかし、ゼレンスキー大統領に関しては述べていない。
判定
「ゼレンスキー大統領、辞任」は誤り。ウクライナ政府は発表していない。
あとがき
ゼレンスキー大統領やウクライナ政府をめぐっては、これまでも繰り返し誤った言説が拡散しており、JFCが検証しています(例1、例2)。また、ウクライナへの支援に疑問を抱かせるような情報もあります(例3、例4)。
検証:リサーチチーム
編集:宮本聖二、野上英文、藤森かもめ
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