ウクライナ

「ゼレンスキー、辞職」は誤り ウクライナ政府から発表はない【ファクトチェック】

国際

「ゼレンスキー、辞職」は誤り ウクライナ政府から発表はない【ファクトチェック】

ウクライナのゼレンスキー大統領が辞任するとの言説が広まりましたが、誤りです。ウクライナ政府の発表はありません。ゼレンスキー政権で閣僚の一部が辞任するのではないかという議員の発言がありますが、大統領ではありません。 検証対象 2024年4月20日、「【速報】ゼレンスキー、辞職」という、ツイッター速報の記事のリンク付きのポストが拡散した。拡散したポストは、4月22日現在で130万回以上の表示回数と1100件以上のリポストを獲得している。 検証対象についた記事は、インターネット掲示板「5ch」の書き込みを引用元に挙げているが、その書き込みの情報源は何も書かれていない。また、同じく5chを引用元とする言説は、他のまとめサイトでも拡散している。 検証過程 日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ゼレンスキー大統領が辞任するという発表があったかを検証した。 まず、ウクライナ大統領府の公式ページを確認した。この情報が拡散した2024年4月20日の一週間前の4月13日ごろから4月23日まで、ゼレンスキー大統領の辞任に関連するニュースなどは見つからない。 一方で、

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「英国はゼレンスキー氏がチャールズ3世の邸宅を購入したと発表」は誤り そのような発表はない【ファクトチェック】

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「英国はゼレンスキー氏がチャールズ3世の邸宅を購入したと発表」は誤り そのような発表はない【ファクトチェック】

ウクライナのゼレンスキー大統領が英国のチャールズ国王から邸宅を購入したとの言説が広まりましたが、誤りです。英国政府や王室の発表はありません。 検証対象 2024年4月4日、「英国はゼレンスキー氏がチャールズ3世の邸宅を購入したと発表した」というポストが、邸宅の写真付きで拡散した。拡散したポストは、4月16日現在で15.1万回以上の表示回数と320件以上のリポストを獲得している。 引用元は「ロンドン・クライヤー」(The London Crier)と名乗る英文のウェブサイトで、ゼレンスキー大統領とチャールズ国王が握手する様子や邸宅の写真も掲載している。 検証過程 英国はハイグローブ邸が売却されたと発表していない ロンドン・クライヤーの記事によると、ゼレンスキー大統領に売却したとされるのは英国南西部のグロスターシャー州にあるチャールズ国王所有のハイグローブ邸(Highgrove House)だ。 英国王室の公式サイトや英国政府の公式サイトでは4月15日時点で、国王や王室がゼレンスキー大統領にハイグローブ邸を売却したという発表はない。 ハイグロー

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「(動画)ウクライナがハマスに武器を渡したとBBCが報道」は誤り【ファクトチェック】

国際

「(動画)ウクライナがハマスに武器を渡したとBBCが報道」は誤り【ファクトチェック】

「BBCが『アメリカやNATOがウクライナに渡した武器がハマスに渡り、イスラエルに対して使われている』と報じた」とする動画が拡散しましたが、誤りです。BBCのロゴを悪用した偽動画です。 検証対象 2023年10月10日、西側諸国がウクライナへ渡した武器が、ハマスに渡って、イスラエルに対する攻撃に使われているという内容の投稿が拡散した。添付された動画にはBBCのロゴが使われており、一見BBCのニュースのように見える。 動画は通信アプリ「テレグラム」からX(Twitter)など他のプラットフォームにも広がった。長さ1分15秒の動画は、戦闘の様子や2023年9月に解任されたウクライナの オレクシー・レズニコフ前国防相のインタビュー映像などで構成され、次のような英語字幕がついている。 (以下、字幕の内容) べリングキャットのジャーナリストは、ウクライナの夏の反転攻勢の失敗とハマスのイスラエルの攻撃は関連していると結論づけた。 秘密のデータを分析すると、ハマスの武装勢力が使用する武器の大半をウクライナが提供していたことがわかった。パレスチナ人は、ウクライナ国防省

By 宮本聖二
「ウクライナにいない」「ウクライナ人ではない」などゼレンスキー大統領に関する言説に多くの誤り【ファクトチェック】

国際

「ウクライナにいない」「ウクライナ人ではない」などゼレンスキー大統領に関する言説に多くの誤り【ファクトチェック】

ゼレンスキー大統領に関する10の言説を載せた「ゼレンスキークイズ アナタはいくつ知ってる?」という画像が拡散しましたが、多くの誤りや根拠不明の情報が含まれています。過去にファクトチェックで「誤り」「根拠不明」と判定されていても再び拡散しているものもありました。 検証対象 「ゼレンスキークイズ アナタはいくつ知ってる?」という画像が拡散(例1、例2)した。 例1のツイートには6000件以上のいいねがつき、2500回以上リツイートされている(6月14日現在)。「募金は絶対にしない」などのリプライがある一方で、「根拠は?」「証拠出せない時点でデマ」といった指摘もされている。また、「ゼレンスキークイズ」と称する画像は「募金をする前によく考えてみろよ!」という文言とともにツイートされており、ツイート主がウクライナ支援に否定的であると分かる。 この画像はInstagramのストーリーなどでも拡散した。「ゼレンスキーって、どんな人か知ってますか?素晴らしい人です」と皮肉る文面とともに投稿されているものもあった。 拡散した言説の多くは、すでに海外メディアやファクトチェッ

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「ロシアはナチスと戦っているとCNNが結論」は不正確【ファクトチェック】

メディア

「ロシアはナチスと戦っているとCNNが結論」は不正確【ファクトチェック】

「ロシアがナチスと戦っているというプーチンの発言は正しいとCNNが結論」という内容のツイートが拡散しています。CNNの報道に基づくものですが、不正確です。ウクライナの義勇兵と著名なネオナチ関係者との繋がりに言及していますが、ロシアがナチスと戦っていると結論づけているわけではありません。 検証対象 「ロシアはネオナチと戦っているとCNNが認めた」という情報が拡散している(例1、例2)。リツイート・引用リツイート数1400、表示回数17万1000件を超えているものもある(4月4日現在)。 ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻について「ナチズムのイデオロギーが現代的な形になり、再びロシアの安全を直接脅かしている」などと主張していることを肯定する内容だ。 このツイートのリプライ欄には、「アメリカではいろんなことが始まっているからな〜。日本でも遅かれ早かれそうなるよ」「あらら逃げに入ったのね…」といったコメントが寄せられている。 検証過程 検証対象のツイートに添付されている動画では、欧州を中心に活動する調査報道機関べリングキャットに所属するジャーナリストのツ

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「ブチャの大虐殺がイギリスとウクライナの計画と判明して騒がなくなった」は誤り【ファクトチェック】

国際

「ブチャの大虐殺がイギリスとウクライナの計画と判明して騒がなくなった」は誤り【ファクトチェック】

鳩山友紀夫(由紀夫)元首相が、「ブチャの大虐殺はロシアではなく、ウクライナと英国の計画と判明して騒がなくなった」というツイートを投稿しました。しかし、「ウクライナと英国の計画」であることを示す根拠はなく、虐殺に関する調査はその後も進められています。 検証対象 2022年11月17日、鳩山元首相がTwitterで「ポーランドにミサイルが着弾して2人亡くなった。最初に疑われたのはロシアだった。ブチャの大虐殺もそうだ。ロシアの仕業と大騒ぎした。結局ウクライナと英国の計画と判明して騒がなくなった」とツイートした。 リプライやリツイートには、「自作自演なんですよ」「同意見です」というコメントがある一方で、「根拠あるニュースソースを提示してください」「適当なことを言わないように」と指摘するコメントも多かった。 検証過程 ブチャの虐殺は、2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻後間もない3月、ロシア軍に占領されたウクライナ首都キーウ近郊のブチャで発生したとされる虐殺事件。ウクライナの反撃によるロシア軍の撤退後、民間人の遺体が多数発見された。 ウクライナや西側諸国

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「ウクライナのブチャがたった2週間で元に戻る」は不正確【ファクトチェック】

国際

「ウクライナのブチャがたった2週間で元に戻る」は不正確【ファクトチェック】

「4月にロシア軍によって大打撃を受けたと言われるウクライナのブチャ。たった二週間で元に戻る」という文言とともに、戦争で攻撃を受けた街の写真の背景に、攻撃の跡がない綺麗な街の様子を映し出す動画が拡散しています。しかし実際には、背景にあるのは半年かけて綺麗になった街の様子で、「2週間」は不正確です。 検証対象 2022年11月15日、Twitterで「4月にロシア軍によって大打撃を受けたと言われるウクライナのブチャ。たった二週間で元に戻る。マジック!」などと記した動画付きのツイートが拡散した。 動画は、戦争で攻撃を受けたとみられる建物や街の写真の背景に、攻撃の跡がない同じ場所の様子を映し出している。 リプライやリツイートには、「茶番劇だもん」「戦争自体が嘘だと思ってます」というコメントがある一方で、この動画が何を表すのか、真偽の判断に迷うようなコメントも見られた。 検証過程 動画の8秒辺りで出てくる建物のスクリーンショットを撮り、Googleの画像検索をかけたところ、ポーランドのファクトチェック団体DEMAGOGの記事が見つかった。 記事は、ポーランド

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「遺体が動いてる」という動画は気候変動デモの映像に、ウクライナ侵攻のテロップを被せたもので誤り【ファクトチェック】

国際

「遺体が動いてる」という動画は気候変動デモの映像に、ウクライナ侵攻のテロップを被せたもので誤り【ファクトチェック】

ロシアのウクライナ侵攻を報じるニュースのように見える映像の背後の「遺体が動いている」という動画が拡散していますが、誤った内容です。元になった映像は、オーストリア・ウィーンであった気候変動対策についてのデモを撮影したもので、ウクライナ侵攻とは関係ありません。 検証対象 「遺体が後ろで動いてる」という文言とともにTwitterで動画が拡散した。Twitterは、動画の中で記者らしき人が、黒い布のようなもので覆われた多くの遺体のようなものをリポートしているが、その最中に後ろで「遺体」が動いている、と指摘している。 ツイートのリプライ欄には「日本のテレビでは、間違っても放送されない事実」「茶番さっさとやめてくれ」などという反応がある。一方で「この映像はウィーンの気候政策のデモ」と指摘する声もあった。 検証過程 動画を右クリックして、動画のアドレスをコピーする。Google Chromeの拡張機能InVIDのVideo analysisでこのURLを調べると、動画から画像が切り出され、その画像をGoogle画像検索にかけることができる。 画像検索の結果から、ア

By 古田大輔(Daisuke Furuta)