四国の地震で過去映像など拡散 画像検索などで確認を

四国の地震で過去映像など拡散 画像検索などで確認を

2024年4月17日深夜、豊後水道を震源とする大きな地震が発生し、愛媛県と高知県で震度6弱を観測しました。地震発生後、無関係な過去の映像や画像が拡散しました。これは被害状況の把握や避難、救護活動に悪影響を及ぼしかねません。

災害時に拡散する過去映像

地震発生直後「6.6 Earthquake Hit Shikoku, Japan(6.6の地震が日本の四国で発生))」と英語で書かれているが、今回の地震ではなく能登半島地震の動画をつけた投稿が拡散した。

こちらも海外の投稿で能登半島地震の画像を使い、「マグニチュード6.3の強い地震が日本の南西部を直撃した、震源は九州と四国の間の(豊後)水道だ」などと英語で書いている。


次の投稿も同様に能登半島地震の画像を使っている。英語で「30分前にマグニチュード6.3の地震が四国を襲った」と書いている。


今回の地震は深夜11時過ぎに発生したが「四国の地震」だと記しつつ、明らかに昼間の地震の映像が数多く投稿されている。

同じ映像はYouTubeにも投稿されてタイトルに「Tsunami Warning」と書かれている。

大規模災害時、拡散する映像には注意を

大きな地震が発生するたびに、すぐに激しい揺れの様子や津波の映像が拡散します。能登半島地震でも東日本大震災の津波の映像が発生直後から数多く拡散しました。

閲覧数が増えると投稿者に収益が上がる「インプ稼ぎ」で過去の目を引くような災害映像が投稿される事例は数多くあります。現実の情報が埋もれる危険性もあります。目を引くような映像を見た時は立ち止まって、すぐに拡散しないようにしましょう。

日本ファクトチェックセンター(JFC)では、能登半島地震でのこうした情報の拡散を検証しています。参考にしてください。

(能登半島地震)災害時に広がる偽情報5つの類型 地震や津波に関するデマはどう拡散するのか
地震や津波、洪水など大きな災害が発生すると、偽情報や根拠のない情報が拡散します。事実と異なる投稿や不確かな救助要請は、本当に助けを必要としている人たちへの支援を遅らせたり、妨げたりする恐れがあります。拡散しがちな偽情報・誤情報のパターンを知って、支援を妨げないようにしましょう。 災害時の偽情報の5類型 実際と異なる被害投稿 災害時に最も多く見られるのが、偽の被害報告だ。2024年1月1日の能登半島地震では、2011年の東日本大震災の津波の映像を使って、まるで能登半島地震の被害のように投稿する事例が相次いだ(例1、例2、例3、例4、例5 、例6)。 例2と例3を投稿した2つのアカウントは添付動画は異なるが、投稿文言は同じで「津波到達になった瞬間NHKのアナウンサーがすごい怒鳴ってる!危機感の伝わってくるアナウンスなので北陸新潟能登半島の方逃げてください」と書かれている。投稿内容をコピーしたと見られる。 例5の投稿は「石川県能登に大津波警報逃げろ」という文言に「#東日本大震災」というハッシュタグもついている。映像は東日本大震災のものだと示唆しているように読

検証:宮本聖二
編集:藤森かもめ、古田大輔


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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76%が資金難で「脆弱・危機的」、それでも広がる読者とコラボ IFCN報告書から見える世界のファクトチェックの現状【解説】

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国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)が、業界の現状をまとめた「ファクトチェッカー実態レポート」2025年版を公開しました。 IFCNの加盟団体を対象に2026年2月にアンケート、71カ国141団体から回答を得ました。回答率はIFCN加盟団体の77.5%。毎年恒例の公開で、過去分は2024年版で解説しています。 2025年は、多くのファクトチェック団体の資金源となっていたMetaの第三者ファクトチェックプログラムのアメリカでの廃止、米国際開発庁(USAID)の閉鎖など、業界を揺るがす出来事が相次ぎました。レポートからは、資金難がさらに深刻化し、スタッフを減らさざるを得ない団体が増えた一方、読者層は広がり、他団体との協力やAIの活用は加速している複雑な姿が浮かび上がります。 76%の団体が「財務的に脆弱か危機的」 最も深刻なのは、各団体の財務状況です。「持続可能」と答えたのは22.6%、67.2%が「脆弱」、8.8%が「危機的」と回答しました。合わせて76%の団体が、財政的に厳しい状況にあると自己評価しています。 「脆弱」と回答した団体は運営を続けて

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
ウクライナのゼレンスキー大統領はモサドのエージェントだった? 画像に多くの矛盾【ファクトチェック】

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ゼレンスキー大統領が、イスラエルのモサドのエージェントだったことを示すパスポートだという画像が拡散しましたが、偽画像で誤りです。画像の氏名はつづりが間違えており、国籍の表記にも矛盾があります。 検証対象 拡散した言説 2026年4月19日、「ゼレンスキーがモサドのエージェントだったことが身元から判明!」という文言付きの画像がXで拡散した。 拡散した画像の上部には「State of Israel(イスラエル国)」、Passportとあり、イスラエルが発行したパスポートのように見える。国名コードの欄には「ISR(イスラエル)」、姓の欄に「ZELENSKY」、名の欄に「VOLODYMYR」、国籍の欄に「ISRAELI」と書いてある。 検証する理由 4月20日現在、投稿は3000回以上リポストされ、表示は41.8万件を超える。 投稿には「これは偽造ネタっぽい」「フェイク!」などの指摘もあるが、「初めから、そう思っていました」「知ってた」など真に受けた反応も多いため、検証する。 検証過程 姓のつづりに間違い ウクライナ大統領の公式サイトによると、

By 根津 綾子(Ayako Nezu)
南丹事件で拡散した偽・誤情報/JFC記事・動画や関連記事【今週のファクトチェック】

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京都・南丹市の男児遺棄事件をめぐって、「犯人は外国籍」などの偽・誤情報が大量に拡散しました。注目を集める事件では、必ず真偽が不確かな情報が広がります。そして、その傾向は年々強まっています。 特に増えているのは、AIで作った映像や報道の無断転載なども使った「解説動画」です。事件の背景など知るはずもない第三者が、センセーショナルな「真実」や「見立て」を堂々と語り、「マスゴミは報道しない」などと喧伝します。 日本ファクトチェックセンター(JFC)が電通総研と実施した情報インテグリティ調査2026では、71.5%の人が「情報が正しいか疑うことも必要」と考えているのに「ニュースや情報をファクトチェックしたことがある」と答えたのはわずか26%でした。 さらに、どのように情報を確認するか聞いた項目では、そもそも「真偽を確かめたいと思わない」が31.9%で最多でした。偽・誤情報への危機感は高まっているのに、実際の行動が追いついていないことがわかります。 詳しくは4月2日に開催した情報インテグリティ調査を文字起こしした一連の解説記事やアーカイブ動画をご覧ください。 これでは偽・誤情

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
「陰謀論」と「批判的思考」は紙一重――Z世代が考える楽しくて伝わるリテラシー教育とは【情報インテグリティ】

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大量拡散する偽・誤情報にどう対応するか。一人ひとりが抵抗力を身につけるメディア情報リテラシーの普及は遅れています。どこに課題があるのか。Z世代が考えた革新的な手法は。日本ファクトチェックセンター(JFC)と電通総研が4月2日に共催した情報インテグリティシンポジウムで議論しました。 パネル討論「メディアリテラシーを広げるには:革新的な取り組みの現在地」に登壇したのは、ファクトチェック団体、メディア情報リテラシー教育に取り組む学生スタートアップ、新聞社、研究者。話題は教育にとどまらず、メディアの役割や情報の信頼性、必要とされる「批判的思考」が実は「陰謀論」と紙一重という話題にも広がりました。 ※シンポの議論を文字起こししたものですが、読みやすさを考慮して一部修正を加えています。 登壇者 モデレーター:古田 大輔 今井 善太郎氏(株式会社Classroom Adventure 代表取締役) 坂本 旬氏(法政大学総合情報センター 所長) 仲村 和代氏(朝日新聞東京本社 ゼネラルエディター補佐) Z世代が考えるゲーム形式のリテラシー教育 今井:株式会社Clas

By 古田大輔(Daisuke Furuta)

ファクトチェック講座

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は4月25日(土)午前10時~11時30分で、お申し込みはこちら。 https://jfcyousei0425.peatix.com 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのような

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
JFCファクトチェッカー認定試験

JFCファクトチェッカー認定試験

日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)