能登半島地震で「5月14日から珠洲市で弁当なくなる」?【ファクトチェック】
「5月14日から珠洲市では弁当がなくなる」という言説が拡散しましたが不正確(ミスリード)です。5月15日以降支給されなくなる人はいますが、珠洲市は避難所で生活している人や生活に困窮している人などには弁当の提供を続けます。
検証対象
2024年5月6日、能登半島地震で被災した珠洲市について、X(旧Twitter)で、「5月14日から珠洲市では弁当すら無くなります...」「理由は食中の危険性があるから」などと書いた投稿が拡散した。投稿には、珠洲市健康増進センターとの電話のやりとりだとする内容も載せている。この投稿は2024年5月10日現在、320万回以上の表示回数と9900件以上のリポストを獲得している。
検証過程
珠洲市は3月14日から、被災者に夕食弁当を支給してきた(NHK、北陸中日新聞七尾支局)。
これは避難所で申し込み用紙に記入した人全てに提供してきたもので、避難所で生活している人以外も弁当を受けとっており、5月10日現在で約2000人の市民が利用している。
珠洲市のウェブサイトによると、仮設住宅の完成・入居が進んだことや、気温の上昇による食中毒リスクが高まるため市は5月14日を目途に、弁当の配布を避難所に避難されている方のみにするとし、「ご自身で調理ができる方、買い物に行くことができる方は自立した生活に戻していきましょう」と説明している。また、生活に困窮していて提供を希望する方には市健康増進センターに申し込みをするように求めている。
日本ファクトチェックセンター(JFC)は珠洲市健康増進センターに取材した。
同センターは「支給を始めた当初から、食中毒の危険性が高まる5月上旬までを目途と考えていた。自宅や仮設住宅で調理できるようになった方が増え、市内の飲食店も再開していることなども考慮した。今後は避難所で生活している方々と生活に困窮してセンターに申し込む方を対象に継続する」と話している。
判定
珠洲市は、5月15日からは避難所で生活している人や困窮している人に限定して弁当の提供を続けることにしている。したがって、「5月14日から珠洲市で弁当がなくなる」はミスリードで不正確。
検証:リサーチチーム
編集:宮本聖二、藤森かもめ、野上英文
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