2月14日の京都の地震だとして拡散した動画?【ファクトチェック】

2月14日の京都の地震だとして拡散した動画?【ファクトチェック】

2024年2月14日、京都で最大震度4を観測する地震が起きました。その様子を撮影したものだとする石灯籠が倒れる映像などが拡散しましたが、誤りです。使われた映像は1月1日の能登半島地震のものです。

検証対象

2024年2月14日午後3時29分ころ、京都市伏見区で最大震度4を観測する地震があった。

その直後から「京都地震 ちょっと揺れましたね」というテキストや「#地震びっくり、#京都地震」などのハッシュタグのついたX(旧ツイッター)の投稿が拡散した。投稿には、住宅とその前に停まった車が大きく揺れる様子や石灯籠が倒壊する映像と、地図に各地の震度を示した画像がついている。投稿の閲覧数は多いもので50万近くある(例1例2例3)。

検証過程

拡散した投稿は、左に地震の動画、右に地震発生を示す地図の画像を付けている。

動画は二つの映像が編集で組み合わされている。最初のカットは、車が左右に大きく振られ、住宅も幾度も歪むような様子をとらえている。画像検索で能登半島地震時の映像であることがわかった。京都の地震の前の1月に同じ映像が数多くYouTubeやTikTok、Instagramにアップロードされている。

後半の動画は、掘の水が溢れる様子と倒壊する石灯籠の映像だ。

画像検索によってこの動画は、能登半島地震時に新潟県三条市の八幡宮で地元の情報サイト「ケンオー・ドットコム」の佐藤雅人さんが撮影したものであることがわかった(ケンオー・ドットコム)。三条市は、この時震度5強の揺れを観測している。

能登半島地震で倒れた石灯籠(撮影:ケンオー・ドットコム 佐藤雅人さん)

日本ファクトチェックセンター(JFC)が撮影者の佐藤さんに取材したところ、「1月1日の夕方に初詣を取材しているときに揺れがあり、咄嗟に動画撮影を始めた。何を撮ればいいか見渡した時に灯篭が揺れていた」と話した。

投稿に付けられた地図の画像は、能登半島とも京都とも関係のない、紀伊半島と四国での揺れを示しており、画像検索で2月7日の午後8時59分に発生した和歌山県北部を震源とする最大震度4の地震の画像データであることがわかった(ウェザーニュース社)。

拡散した動画や画像は、2月14日の京都の地震とは関係ない。

判定

京都の地震として拡散した動画や画像は、誤り。能登半島地震や和歌山県の地震の時のものだった。

あとがき

日本で地震が起きると、規模に関わらず東日本大震災などの大規模地震・津波の映像と目をひくハッシュタグがつけられた投稿が異なるアカウントによって拡散します。

一見して日本からの発信ではないものが多くなっており、収益を目的に海外の発信者が投稿しているという報道もあります(NHK NEWS WEB)。共有・拡散すると、落ち着いて見極めることが難しくなっている被災地の方々を混乱させてしまいます。注意が必要です。

検証:宮本聖二
編集:野上英文、藤森かもめ


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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