(能登半島地震)金沢市が用意した1.5次避難所 入るのに罹災証明書が必要?【ファクトチェック】

(能登半島地震)金沢市が用意した1.5次避難所 入るのに罹災証明書が必要?【ファクトチェック】

「金沢市が用意した1.5次避難所に入るには罹災証明書が必要」との言説が避難所の写真と共に拡散しましたが、誤りです。写真の避難所を設置したのは金沢市ではなく石川県で、県は罹災証明書は不要だと発表しています。

検証対象

2024年1月9日、「金沢市はこれを用意したけど、まず罹災証明書を取ってからというお役所仕事 とりあえず入れてあげてあとからじゃだめなのか?これも一時的な場所なのに!!!」という投稿が拡散した。2024年1月12日現在、投稿は削除されているが、インターネットアーカイブから内容を確認できる。

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この投稿はインターネットアーカイブに保存された時点で3600回以上リポストされ、表示回数は130万回を超えている。また、元投稿が削除されても同じような言説の拡散は続いている。

検証過程

添付の写真をGoogleで画像検索すると、写真は石川県金沢市にある「いしかわ総合スポーツセンター」のアリーナ(体育館)を撮影したものだと分かる。能登半島地震で被災した人々を受け入れる1.5次避難所を開設したのは金沢市ではなく石川県(日本経済新聞朝日新聞)。1.5次避難所とは、高齢者や障害者など配慮の必要な被災者を同伴者とともに被災地外で受け入れる施設だ(石川県)。

日本ファクトチェックセンター(JFC)が、石川県危機管理監室危機対策課に取材したところ、この1.5次避難所への避難について「り災証明書は不要」という回答を得た。石川県のウェブサイトにもそのことは明記されている。

罹災証明とは、自然災害で被害を受けた住宅など建物の被害を確認してその被害の程度についての証明書を市町村が交付するものだ。そのため現地調査が必要になり、今回のような大規模災害では時間がかかる(石川県能登町)。

また、金沢市は1月12日時点で市内に2箇所の避難所を開設しているが、JFCが金沢市危機管理課に取材したところ、これら避難所に入るのに石川県と同じく罹災証明は必要ないという回答を得た。

判定

写真の避難所を設置したのは金沢市ではなく石川県であり、1.5次避難所への避難に罹災証明書は不要。よって誤りと判定した。

検証:住友千花
編集:宮本聖二、古田大輔

災害で拡散する偽情報の5類型

(能登半島地震)災害時に広がる偽情報5つの類型 地震や津波に関するデマはどう拡散するのか
地震や津波、洪水など大きな災害が発生すると、偽情報や根拠のない情報が拡散します。事実と異なる投稿や不確かな救助要請は、本当に助けを必要としている人たちへの支援を遅らせたり、妨げたりする恐れがあります。拡散しがちな偽情報・誤情報のパターンを知って、支援を妨げないようにしましょう。 災害時の偽情報の5類型 実際と異なる被害投稿 災害時に最も多く見られるのが、偽の被害報告だ。2024年1月1日の能登半島地震では、2011年の東日本大震災の津波の映像を使って、まるで能登半島地震の被害のように投稿する事例が相次いだ(例1、例2、例3、例4、例5 、例6)。 例2と例3を投稿した2つのアカウントは添付動画は異なるが、投稿文言は同じで「津波到達になった瞬間NHKのアナウンサーがすごい怒鳴ってる!危機感の伝わってくるアナウンスなので北陸新潟能登半島の方逃げてください」と書かれている。投稿内容をコピーしたと見られる。 例5の投稿は「石川県能登に大津波警報逃げろ」という文言に「#東日本大震災」というハッシュタグもついている。映像は東日本大震災のものだと示唆しているように読

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