能登半島地震、発生直後から変化する偽情報【ファクトチェックまとめ】

能登半島地震、発生直後から変化する偽情報【ファクトチェックまとめ】

能登半島地震をめぐって、大量の誤情報/偽情報が拡散しました。日本ファクトチェックセンター(JFC)では、継続的に情報を検証し、事実確認を続けています。災害発生時から復旧・復興など、それぞれの段階で何が話題になるかの傾向があります。他メディアの記事も含めてまとめて解説します。

JFCの能登半島地震関連記事

JFCが地震の発生時から継続的に発信している検証記事です。今後も新しい記事を更新していきます(最終更新2024年1月27日)。

災害時に広がる偽情報5つの類型

2024年1月5日配信。災害時に広がりやすい偽情報を5つの類型に分類しています。災害発生から4日と初期の段階なので、発生時に多い「実際と異なる被害報告」「不確かな救助要請」などの事例を多く取り上げています。

(能登半島地震)災害時に広がる偽情報5つの類型 地震や津波に関するデマはどう拡散するのか
地震や津波、洪水など大きな災害が発生すると、偽情報や根拠のない情報が拡散します。事実と異なる投稿や不確かな救助要請は、本当に助けを必要としている人たちへの支援を遅らせたり、妨げたりする恐れがあります。拡散しがちな偽情報・誤情報のパターンを知って、支援を妨げないようにしましょう。 災害時の偽情報の5類型 実際と異なる被害投稿 災害時に最も多く見られるのが、偽の被害報告だ。2024年1月1日の能登半島地震では、2011年の東日本大震災の津波の映像を使って、まるで能登半島地震の被害のように投稿する事例が相次いだ(例1、例2、例3、例4、例5 、例6)。 例2と例3を投稿した2つのアカウントは添付動画は異なるが、投稿文言は同じで「津波到達になった瞬間NHKのアナウンサーがすごい怒鳴ってる!危機感の伝わってくるアナウンスなので北陸新潟能登半島の方逃げてください」と書かれている。投稿内容をコピーしたと見られる。 例5の投稿は「石川県能登に大津波警報逃げろ」という文言に「#東日本大震災」というハッシュタグもついている。映像は東日本大震災のものだと示唆しているように読

「輪島市の集団避難はビルゲイツの別荘に連れていかれる」は誤り

2024年1月22日配信。アメリカで性的人身売買で起訴されたエプスタイン元被告に関する話題が世界的に拡散したタイミングで広がった陰謀論です。避難生活が長引くにつれ、避難所をめぐる偽情報が増えています。

(能登半島地震)「輪島市の集団避難はビルゲイツの別荘に連れていかれる」は誤り 石川県が2施設で受け入れている【ファクトチェック】
「輪島市の集団避難はビルゲイツの別荘に連れていかれる」との言説が拡散されましたが、誤りです。石川県では、白山市の石川県立青年の家と白山ろく少年自然の家の2施設で受け入れています。 検証対象 X(旧Twitter)上では、今回の集団避難を「長野のビルゲイツ別荘か淡路島の日本版エプスタイン島に連れて行かれ食べられてしまいます」などとする投稿があった。 この投稿は1月19日時点で68万件以上の表示と、2800件以上のいいねを獲得している。 検証過程 避難は輪島市内の3つの中学校が被災して授業再開の目処が立たないことから実施した。輪島市の中学生401人のうち希望した約250人が、1月17日午前9時過ぎに輪島市からバス4台とワゴン車1台に分乗して出発した。出発の様子は複数の報道機関が取材している(NHK石川NEWS WEB)。 これらのバスは、同日午後1時半過ぎに約100キロ離れた白山市にある「石川県立白山ろく少年自然の家」と「石川県立青年の家」に到着した。到着の様子はテレビ金沢が取材している(日テレNEWS)。 この2施設は様々な自然体験施設として、これま

「志賀原発から海上に油19800リットルが漏れ始めた」は誤り

2024年1月22日配信。地震によって志賀原発でトラブルが発生したのは事実です。しかし、発表の一部を抜き出して、実際よりもはるかに大量の油が流出し始めたように書くのは誤りです。発信元はこれまでにもJFCが検証している信頼性が低いサイトです。

(能登半島地震)「志賀原発から海上に油19800リットルが漏れ始めた」は誤り 海に流出したのは6リットル【ファクトチェック】
「志賀原発から海上に油19800リットルが漏れ始めた」という言説が拡散しましたが、誤りです。北陸電力によると、施設内で1万9800リットルの油が漏れましたが、海面で確認されたのは約6リットルで、すでに中和剤等で処理しています。 検証対象 2024年1月8日、「志賀原発さん、突然海上に油19800リットルが漏れ始めてしまう…」という投稿がX(旧Twitter)で拡散した。投稿したアカウントは独立系ニュースメディアを名乗るNews Sharingでまとめサイトだ。 この投稿は2024年1月18日時点で4500回以上リポストされ、表示回数は100万回を超える。返信欄には「油田かな?」「電源とか大丈夫なんだろか」との意見の一方で「よく読むと海に1万9800リットルの油が流れた、とは発表してない」と指摘する声もある。 拡散した言説について、ファクトチェック団体リトマスは、海へ流出したのは6.1リットルであり、「ミスリード」と判定している。 検証過程 言説の根拠は読売新聞の記事 Xの投稿に添付されているURLはNews Sharingの記事で、これはYah

「隆起で障害と化した消波ブロック」は誤り

2024年1月17日配信。今回とは関係ない映像を使って、実際の被害と勘違いさせることは誤情報/偽情報の定番です。画像検索を使えば、すぐに検証できます。ツールを活用した方法はJFCファクトチェック講座5をご参照ください。

(能登半島地震)「隆起で障害と化した消波ブロック」は誤り 北海道の過去画像【ファクトチェック】
「隆起の影響で消波ブロックが汀線部障害と化した」という言説が画像とともに拡散しましたが、誤りです。添付の画像は、2020年に陸上自衛隊が北海道で、敵の車両の上陸を防ぐ演習のために設置したものです。 検証対象 2024年1月13日、「隆起の影響で完全に汀線部障害と化した消波ブロック」というコメントと共に、浜辺に消波ブロックが並ぶ画像がX(旧Twitter)で拡散した。 汀線(ていせん)部とは、 「海面と陸地とが接する線」のことである。 2024年1月16日現在、このポストは1700回以上リポストされ、表示回数は100万回を超える。 能登半島地震で、沿岸部の海底が総延長約85キロにわたって隆起し、陸地となったと報じられた直後だっただけに、石川県で起きたことのように誤解させる恐れがある投稿だ。 検証過程 日本ファクトチェックセンター(JFC)が、ポストの画像をGoogle画像検索したところ、拡散した画像と完全に一致するものが見つかった。 一致したのは、「陸上自衛隊幌別駐屯地(公式)」の広報用Xアカウントによる2020年9月8日のポストだった。 このポ

政府の被災者への貸付はたった20万円」は不正確

2014年1月17日配信。意図的ではなくとも、限られた情報をもとにして誤った言説を拡散してしまう例もあります。政府の支援策は広範で複雑なので、公式サイトなどで確認しなければ間違いやすい話題です。

(能登半島地震)「政府の被災者への貸付はたった20万円」は不正確 支援策は他にもある【ファクトチェック】
能登半島地震について、政府の被災者への貸付がたった20万円だとして、政府の対応を批判する言説が拡散しましたが、不正確(ミスリード)です。20万円の貸付は被災者支援策の一部で、家屋の全半壊などには、ほかにも支援制度があります。 検証対象 能登半島地震をめぐって2024年1月11日、「政府が被災者に20万円の貸付をするって言ってるけど、家が崩壊したり、甚大な被害にあった人に、たった20万円じゃ足りない」などという投稿がX(旧Twitter)上で拡散した。2024年1月15日現在、この投稿は1400回以上リポストされ、表示回数は870万回を超えている。 検証過程 生活福祉資金貸付(福祉資金[緊急小口資金])の特例について 言説は、被災地で当面の生活費を必要とする世帯に対して貸し付ける「生活福祉資金貸付」の特例を指していると見られる。この特例は厚生労働省が各都道府県知事宛に出した通知だ(1月9日付)(厚労省)。貸付金額は原則10万円以内だが、世帯に死者がいたり、世帯員が4人以上いたりするなどの場合は最大で20万円だ。 災害時の被災者支援制度について

「仮想通貨で寄付を呼びかけるサイト」は誤り

2024年1月15日配信。実在するサイトに見せかけた偽サイトは、災害に限らずネット詐欺で非常に多い手口です。URLを確認する、実在するサイトの名前を検索して本物と比較するなど、個人情報を入力する前に慎重な対応が必須です。

(能登半島地震)「仮想通貨で寄付を呼びかけるサイト」は誤り LINEやSNSで広がる偽サイトに注意【ファクトチェック】
能登半島地震をめぐり、実在する団体の寄付金募集サイトをまねて、仮想通貨で支援を呼びかける偽のサイトが現れました。LINEのオープンチャットやSNSから偽サイトへ誘導する手法が拡散しているため、注意が必要です。 検証対象 2024年1月1日の能登半島地震後、実在する団体の寄付金募集のウェブサイトをまねた偽の寄付金募集サイトが拡散した。サイトは仮想通貨で寄付金を募っており、「【緊急】2024年能登半島地震 被災地支援活動にご支援をお願いします」「目標金額:1,000,000USDT」「達成率18.96% 支援人数1533人」などと書かれている。2024年1月13日現在、サイトは削除されている。 検証過程 支援を呼びかける投稿のリンクをクリックすると、USDT(仮想通貨)での支援を促すサイトに繋がる。寄付ボタンをクリックすると、名前やメールアドレスなどの個人情報入力画面が表示された。サイトには、実際に被災地支援をしている公益社団法人Civic Forceのロゴがある。 Civic Forceの公式サイトを確認すると、同団体は、今回の能登半島地震で実際に寄付を

報道ヘリは救助の妨げか 災害で拡散する批判の検証

2024年1月13日配信。この記事は純粋なファクトチェック記事ではありません。被災地を飛んだ多くの報道ヘリが救助の妨げになった例があるかを全て確認するのは非常に困難です。そのため、関連する情報を列挙して、1995年の阪神・淡路大震災で問題視された報道ヘリの運用が現状どうなっているかを解説しました。

(能登半島地震)報道ヘリは救助の妨げか 災害で拡散する批判の検証
能登半島地震をめぐって「報道ヘリの音で瓦礫の下の声が聞こえない」との言説が拡散しました。日本ファクトチェックセンター(JFC)は、過去の災害のケースや報道機関のガイドラインなどをもとに検証しました。全ての事例を調べられないために判定は不可能ですが、参考になる資料などを紹介します。 検証対象 2024年1月1日、「報道各社 絶対にヘリを飛ばすなよ。お前らの報道ヘリの音で瓦礫の下の声が聞こえないんや。お前らが阪神大震災でたくさん殺したん忘れへんからな。また人殺すなよ」という投稿がX(旧Twitter)上で拡散しました。 2024年1月10日時点で4万6000回リポストされ、表示回数は3000万回を超えました。返信欄には「命より優先される報道なんて絶対ない」「うるさいしSOS見つけてもなんもせん」と同調する意見の一方で、「この手の話に阪神・淡路大震災しか出てこないのはそれを教訓に一定高度以上の飛行が設定されたり各方面との調整を行っていることの証明」と、阪神・淡路大震災発生時と現在では状況が異なるという声もありました。 JFCは報道ヘリの騒音が救助の妨げになってい

「金沢市が用意した1.5次避難所 入るのに罹災証明書が必要」は誤り

2024年1月12日配信。行政を批判する情報も災害時には拡散します。混乱の中で行政が問題のある対応をした事例は過去にも多数あります。しかし、誤った情報に基づく批判は被災者の間に誤解を生み、現場にさらなる混乱をもたらします。

(能登半島地震)「金沢市が用意した1.5次避難所 入るのに罹災証明書が必要」は誤り 設置した石川県が不要と発表【ファクトチェック】
「金沢市が用意した1.5次避難所に入るには罹災証明書が必要」との言説が避難所の写真と共に拡散しましたが、誤りです。写真の避難所を設置したのは金沢市ではなく石川県で、県は罹災証明書は不要だと発表しています。 検証対象 2024年1月9日、「金沢市はこれを用意したけど、まず罹災証明書を取ってからというお役所仕事 とりあえず入れてあげてあとからじゃだめなのか?これも一時的な場所なのに!!!」という投稿が拡散した。2024年1月12日現在、投稿は削除されているが、インターネットアーカイブから内容を確認できる。 この投稿はインターネットアーカイブに保存された時点で3600回以上リポストされ、表示回数は130万回を超えている。また、元投稿が削除されても同じような言説の拡散は続いている。 検証過程 添付の写真をGoogleで画像検索すると、写真は石川県金沢市にある「いしかわ総合スポーツセンター」のアリーナ(体育館)を撮影したものだと分かる。能登半島地震で被災した人々を受け入れる1.5次避難所を開設したのは金沢市ではなく石川県(日本経済新聞、朝日新聞)。1.5次避難所

「ヤマザキパンは添加物だらけ、人口削減のためにパンを運んでいる」は誤り

2024年1月10日配信。食品添加物に関する誤情報/偽情報は、普段から大量に拡散しています。JFCでもこれまでに何度も検証してきました。添加物に批判的な人たちの間でこういった情報は拡散しがちです。

(能登半島地震)「ヤマザキパンは添加物だらけ、人口削減のためにパンを運んでいる」は誤り【ファクトチェック】
2024年1月1日に発生した能登半島地震をめぐって、「ヤマザキパンは添加物だらけ、人口削減のためにパンを運んでいる」とする言説が拡散しましたが、誤りです。山崎製パンは食品添加物を使用していますが、国が評価する安全性の基準に沿ったものです。 検証対象 2024年1月3日、「ヤマザキパンは添加物だらけ。心身共に弱ってる被災者の方々の弱みに漬け込んだやり方は許せない」という言説がX(旧Twitter)で拡散した。添付された画像には「人口削減のため被災地にパンを運んでるんだよー」という文言が付いている。 2024年1月10日現在、このポストは1200回以上リポストされ、表示回数は124万回を超える。投稿について同調するコメントの一方で「今は厳しい基準の元決められている」「あり得ないポスト」と指摘する声もある。 検証過程 食品添加物の不安を煽る言説は多数存在し、これまでも日本ファクトチェックセンター(JFC)が検証している。 厚労省のウェブサイトによると、食品添加物は「食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されるもの」である。厚労省は食品添加物につい

“変電所で爆発音”の記事削除は「人工地震工作の隠蔽」は誤り

2024年1月3日配信。人工地震説は地震に関する陰謀論で最も典型的なものです。JFCは地震のたびに専門家の解説を引用した検証記事を出しています。今回は「変電所で爆発音」という記事がニュースサイトから削除されたことが疑念を広げました。爆発の事実がなかったことが確認されたための削除でしたが、こういった疑いを呼ぶこともあることから、修正情報の配信などの対応が重要であることがわかります。

(能登半島地震)前日の“変電所で爆発音”の記事削除は「人工地震工作の隠蔽」は誤り【ファクトチェック】
2024年1月1日の能登半島地震をめぐって、前日に石川県・北陸放送がネットに公開した「変電所で爆発音」という記事がすぐに削除されたのは「人工地震の隠蔽だ」という言説が拡散しました。これは誤りです。実際には爆発などのトラブルがなかったことを北陸放送が確認し、自ら削除しました。 検証対象 能登半島地震発生の前日、北陸放送が「『3回爆発音』変電所でトラブルか石川・能登町で160世帯が停電」という記事をJNN 系列のTBS NEWS DIGやYahoo!ニュースで配信し、約3時間半後に削除した。 1月1日に地震が発生すると、変電所の記事が削除されていることが話題となり、「人工地震の工作」「隠蔽」などと主張する投稿が拡散した(例1、例2)。1月4日午後3時現在多いものはX(旧Twitter)上で190万を超える閲覧数になっている。 検証過程 「変電所 爆発音」で検索すると「『3回爆発音』変電所でトラブルか石川・能登町で160世帯が停電」という記事が複数見つかる。しかし、クリックすると記事はすでに削除されている。 爆発はあったのか 日本ファクトチェックセンタ

過去の津波映像や人工地震説など

2024年1月3日配信。地震などの災害については、YouTubeやTikTokなどで大量の過去動画が見つかります。誰でも簡単に動画編集できるようになったことから、東日本大震災の動画を使って「能登半島の津波」と嘘をついたり、「人工地震の証拠」と語ったりする事例が、特に動画プラットフォームで蔓延し、LINEオープンチャットやテレグラムで共有されています。ソーシャルメディアよりも閉鎖された空間であるメッセージングアプリでの陰謀論の拡散については、ほとんど対策がとられていない状況です。

(能登半島地震)過去の津波映像や人工地震説など【ファクトチェック】
2024年1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震が発生し、石川県を中心に大きな被害が出ました。この地震について、漁港や街中に津波が押し寄せる様子として過去の動画がアップされたり、人工地震だとの誤った主張が多数拡散したりしました。 検証対象 2024年1月1日に発生した能登半島地震に関して、SNS上で過去の映像や無関係な映像を能登半島地震と結びつける投稿が多数拡散した。 発生から約1時間後の1月1日午後5時には、「石川県で震度5強の地震発生 津波こわい」というコメントと共に漁港に押し寄せる津波の映像がX(旧Twitter)に投稿され、閲覧数は7万3千件を超えた。1月3日時点で、この映像は削除されている。 この地震発生から約2時間後の午後6時には、「地震による津波の映像 堤防超えてます逃げて」というコメントとともに、街中に津波が押し寄せる映像の投稿があった。 3時間後の午後7時過ぎには、「人工地震動画:能登半島沖地震」というコメントと、海面から衝撃音と共に水が噴き上がる映像が投稿された。閲覧数は1月3日午前10時現在で91万を

他メディアによるファクトチェック

JFC以外にもファクトチェックに取り組んでいる事例はあります。ここではそのいくつかを紹介します。

NHKによる検証記事

NHKは「フェイク対策 ウソの情報対策 関連ニュース」というページで、災害に限らずあらゆる誤情報/偽情報の検証や解説などの関連記事をまとめています。能登半島地震をめぐっても「偽の救助要請(1月5日)」「避難や生活支援に関する誤情報(1月15日)」などの記事を公開しています。

フェイク対策 広がる嘘の情報対策 関連ニュース | NHK
いま、SNSなどで、ウソや不確かな情報が広がっています。事件や事故、災害、身の回りの生活で不確かな情報を信じてしまうと、生命や財産が脅かされることにもつながりかねません。正しい情報かどうか見極めるために必要なことは。最近の動きや参考になる記事・情報をまとめています。

ファクトチェック団体による記事

日本にはJFC以外に国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)の認証を得たファクトチェック団体が2つあります。

そのうち、リトマスは1月27日現在、「石川県知事のヘリ輸送言及『今頃』はミスリード」「『志賀原発、海上に19800リットル油漏れ始める』はミスリード」「『気象庁が能登の地震波形人工的と認めた』は誤り」の3本の検証記事を出しています。

リトマス みんなとつくる ファクトチェック専門メディア
みんなとつくる ファクトチェック専門メディア

また、InFactも1月27日現在、「岸田首相はテレビで総裁選への思いなどをふんぞり返りながらベラベラ喋っていたか?」という検証記事を出しています。

ファクトチェック | InFact / インファクト
[ ファクトチェック ]カテゴリーページを表示しています。

その他のファクトチェック

ハフポスト日本版も1月27日現在、「ドアが壊れ外に出られない…3年半前の『拾い画』で被害装う?」「能登地方地震の被災者装う詐欺か。PayPayで自身への寄付募る投稿」という2本の検証記事を出しています。

ファクトチェック
インターネット上に広がっている真偽不明の情報を調べ、ハフポスト日本版の記者が事実に基づいているか検証していきます。

偽情報は繰り返し拡散 予習して予防を

記事の冒頭で掲載した「災害に関する偽情報の5類型」でも指摘したように、同じような誤情報/偽情報が災害のたびに繰り返し拡散します。過去の事例を学ぶことが、これからの災害での偽情報拡散の予防につながります。


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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ファクトチェック記事の増加と多様化 メディアリテラシー教育やAIツール開発など検証の実践的な知見を活用【JFC活動報告】

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は2022年10月の設立からの活動をまとめた報告書を公開しました。詳しくはJFCサイトの「JFCとは」で章ごとにまとめていますので、そちらを御覧ください。 JFCとは日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェック(事実の検証)の実践とメディア情報リテラシーの普及に取り組む非営利組織です。民主主義の基盤であるデジタル公共空間の健全性を維持・向上させることを目的として活動します。 JFC活動報告「情報インテグリティのために」 JFCの設立経緯と組織構造:独立性を保つために JFCの設立経緯、体制、ファクトチェック組織としての独立性を保つための取り組みなどを説明しています。 JFCの設立経緯と組織構造日本ファクトチェックセンター(JFC)は、民主主義の基盤となるインターネットの言論空間の健全性を向上させることを目的とし、ファクトチェックとメディアリテラシー普及に取り組む非営利組織です。 拡散する不確かな情報について、証拠に基づいて真偽を確かめる「ファクトチェック(事実の検証)」、現代の情報環境への理解と対応力を高める「メディアリ

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
仏政府「第三次世界大戦が来る」と国民に食料備蓄指示? まとめサイトによるもの【ファクトチェック】

仏政府「第三次世界大戦が来る」と国民に食料備蓄指示? まとめサイトによるもの【ファクトチェック】

フランス政府が「第三次世界大戦が来る」として国民に食料備蓄を指示したとする投稿が拡散しましたが、誤りです。拡散した投稿はまとめサイトのXアカウントで、見出しは掲示板サイトのスレッドタイトルを引用しているのみです。 検証対象 2025年3月25日、「フランス政府、国民に食糧備蓄を指示『今年第三次世界大戦が来る』」という投稿が拡散した。この投稿は2025年3月31日までに296万回以上の閲覧回数と4500件以上のリポストを獲得している。 検証過程 検証対象のリンクは、まとめサイト「ツイッター速報〜BreakingNews」の記事だ。タイトルは掲示板サイト5ちゃんねるのスレッド「フランス政府、国民に食糧備蓄を指示『今年第三次世界大戦が来る』」で、The People’s Voice(TPV)が2025年3月20日に配信した記事「France Orders Citizens to Stockpile Food: “World War 3 Is Coming This Year”」を引用元にしている。 TPVは「大手メディアの扱わないニュースを扱うことで読者に真

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
運営委員会報告書及び監査委員会報告書を公開

運営委員会報告書及び監査委員会報告書を公開

運営委員会報告書及び監査委員会報告書を公開しましたのでお知らせいたします。JFCでは運営委員会を設置し、編集部がファクトチェックガイドラインに則って検証を実施しているかなど評価しています。運営委員会の内容は、運営委員会報告書として掲載されます。 また運営委員会と編集部全体のガバナンスが適正か確認する監査委員会を設置し、運営委員会報告書を閲覧するなどして監査を行っています。監査委員会の内容は監査委員会報告書として掲載されます。  なおこれらの適切な運用を図るためにルールを制定しており、「日本ファクトチェックセンター設置規程」(規程全文はこちら)及び「日本ファクトチェックセンター監査委員会運営規程」(規程全文はこちら)を公開しています。 これからもJFCは透明性確保のため、情報公開に努めて参ります。 運営委員会報告書2024年12月12日(報告書全文はこちら) 第1 運営委員の任命並びに委員長及び副委員長等の任命プロセス 第2 編集部メンバーの採用等編集に関わる人員 第3 外部機関との連携 第4 プラットフォーマー連携 第5 ファクトチェック記事の公開状況 第6 財務報告 第7 国

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
ファクトチェック業界の資金難と広がるコラボ IFCN報告書から見える世界の現状とは

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世界のファクトチェックをリードする国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)が、業界の現状をまとめた「ファクトチェッカー実態レポート」2024年版を公開しました。 IFCNの認証を受けた世界182のファクトチェック団体を対象に2025年1-2月にアンケートを実施。67カ国141団体から回答を得ました。4月2日の国際ファクトチェックデーを前にした毎年恒例の公開で、過去分はこちら(2018, 2019, 2020, 2021, 2022, 2023)。 30ページの英文レポートからは、Metaのファクトチェックプログラムの廃止などで資金難がさらに厳しくなっている現状と、収入の多様化や業界を超えたコラボレーションの広がりが見て取れます。 日本ファクトチェックセンター(JFC)はこれらの状況も踏まえ、日本での偽・誤情報、ファクトチェック、メディアリテラシーなどに関して、調和のとれた情報生態系を目指す「情報インテグリティシンポジウム」を4月2日に開催します。 会場とオンラインのハイブリッド開催です。参加や視聴のお申し込みなどはこちらからどうぞ。レポートに関する解説もあります

By 古田大輔(Daisuke Furuta)

ファクトチェック講座

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は4月19日(土)午後2時~3時半で、お申し込みはこちら。 https://jfcyousei0419.peatix.com/ 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのような知識と

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
JFCファクトチェッカー認定試験  教材と申し込みはこちら

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日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)