TikTokにミャンマー地震で大被害の動画? 「AIで作成」のラベルに注意【ファクトチェック】

ミャンマーで発生した大地震をめぐり、TikTokなどで被害を映したとされる動画が多数拡散していますが、生成AIによる「ディープフェイク」も含まれています。災害時には誤情報が拡散しやすいため、注意が必要です。
検証対象
2025年3月28日に発生したミャンマー中部を震源とする大地震のあと、高層ビルや寺院、道路が倒壊する様子を映した映像がTiktokなどで拡散した(例1、例2、例3)。
また、地震の前後を比較した動画も投稿されている(例4)。
これらの動画はいずれもTikTokやその他のソーシャルメディアで拡散し、多くのインプレッションを獲得している。
検証過程
AI特有の不自然さ
検証対象の動画には、それぞれ不自然な点がある。例1の動画では、ビルから水が噴き出す様子が映っているが、水の流れ方が不自然だ。
例4の動画では、ビルが倒壊する様子が映っているが、画像が人工的で、かつ、ビルの曲がり方も不自然だ。これらは生成AIによる画像や動画に多い特徴だ。
すべての動画に「生成AIによる」とラベル
いずれの動画にも「クリエイターがAI生成のラベルを付けました」というラベルが付いている。TikTokは誤解を招く情報の拡大を防ぐため、完全または大半がAIによって作られた画像や動画には、その旨の記載を義務づけている(TikTok)。
これらの動画を投稿したアカウントは、普段から世界各地の洪水や山火事などを題材にしたディープフェイク動画を投稿していた。
判定
拡散された4本の動画はいずれもAIによって生成されたディープフェイクであり、ミャンマー地震の実際の被害を記録した映像ではない。よって誤りと判定した。
検証:リサーチチーム
編集:古田大輔
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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