総務省「インターネット上の偽・誤情報対策技術の開発・実証事業」に関して

総務省「インターネット上の偽・誤情報対策技術の開発・実証事業」に関して

この度、日本ファクトチェックセンター(JFC)は、総務省「インターネット上の偽・誤情報対策技術の開発・実証事業」において採択された株式会社データグリッドおよび日本電気株式会社にそれぞれ協力することを決定しましたのでお知らせいたします。

具体的には、ファクトチェック記事配信までの手法についてのヒアリングに応じるほか、試作ツールを利用して感想を述べるなどの活動を行います。いずれも対価を受けない形での協力となります。 

なお、JFCは、「編集権の独立」を重視するガバナンスを掲げているため、政府が資金提供を条件にファクトチェックの内容、記事の編集、組織の運営方針について介入または強制する形態で、政府から資金提供・助成を受けたことはこれまでにありません。

また、今後もそのような形態で助成を受けるつもりはありません。一方で、政府支援が一律に認められないものとは考えておらず、その内容や透明性を考慮した上で個々に判断されるべき事項と考えています。 

本開発・実証事業については、事業者より打診を受けた際に運営委員会で検討を行い、上記方針に反する事実はみとめられないと判断し、当初は有償にて引き受けることとしていましたが、その後、未だ我が国においては政府支援についての社会的な議論が進んでいない点を考慮し再度検討を行った結果、ヒアリングに応じる編集部の負担を調整の上、今回は無償で対応できる範囲内で引き受けることとしました。

政府支援の問題につきましては、国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)の認証基準や世界のファクトチェック機関の事例等を元に、今後、広く国際的・社会的な議論が展開されることを期待しています。

判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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理論から実践まで学べるJFCファクチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介
日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

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今も続く兵庫県知事選の誤情報/政治家の偽情報が相次ぎ拡散/生成AIのリスクに対応する法案【今週のファクトチェック】

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兵庫県知事選挙からひと月以上が経過しても関連した誤った情報が出続けています。国会議員に関して発言の切り取りや捏造した画像が拡散しました。日本でも高まる生成AIのリスクに対して、政府が法案を作成する方針を出しました。 ✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。 JFCからのニュース 2024年はこれまで以上に大量の誤情報/偽情報が拡散し、日本ファクトチェックセンター(JFC)は1年間で330件(2023年173件)の検証記事、50件の解説記事や教育講座を公開しました。その中で「10大ファクトチェック」をまとめました。 選挙、兵庫県知事、偽広告... 2024年の10大ファクトチェックは2024年はこれまで以上に大量の誤情報/偽情報が拡散し、日本ファクトチェックセンター(JFC)は1年間で330件(2023年173件)の検証記事、50件の解説記事や教育講座を公開しました。 選挙の年だっただけに、

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
選挙、兵庫県知事、偽広告... 2024年の10大ファクトチェックは

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2024年はこれまで以上に大量の誤情報/偽情報が拡散し、日本ファクトチェックセンター(JFC)は1年間で330件(2023年173件)の検証記事、50件の解説記事や教育講座を公開しました。 選挙の年だっただけに、最も多く検証した話題は「政治」で、全体の32.1%を占めました。2位「国際」(16.8%)はアメリカ大統領選やトランプ次期大統領がらみの情報が目立ちました。3位「災害」(9.2%)は主に能登半島地震です。 この記事は2024年に拡散した偽・誤情報やその検証の中でも影響が大きく、注目を集めたものをまとめました。選考基準は読まれた回数だけでなく、ソーシャルメディアでの反応、社会的な影響の大きさなども加味しました。 誤った情報は繰り返し拡散します。間違いだと知りつつ故意に発信する人もいれば、正しいと信じて拡散する人もいます。まとめ記事で傾向を知ることは、2025年に同様のフェイクニュースが拡散することを防ぐことにも役立ちます。 情報生態系の混乱は、さらに拡大していくでしょう。備えるためにも、ぜひ御覧ください。良いお年を。 能登半島地震 1月1日に発生

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
2025年1月から軽自動車の自賠責保険、修理費用が170%値上げ? まとめサイトによるもの【ファクトチェック】

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2025年1月から軽自動車の自賠責保険170%、車検費用は120%、修理費用が170%値上げという情報が拡散しましたが、誤りです。情報はまとめサイトの記事を引用したもので、情報のソースはありません。 検証対象 2024年12月16日、自動車保有者の負担の国別比較とする棒グラフと共に、「【悲報】2025年1月から軽自動車の維持費が大幅値上げ」「自賠責保険証170%、車検費用平均120%、修理費用平均170%値上げ、10年落ちの軽自動車は更に自賠責保険料増額」という情報が拡散した。 2024年12月26日現在、この投稿は2万件以上リポストされ、表示回数は300万回を超える。投稿について「軽自動車のメリットがなくなっていく」「車ないと生活できないのに」というコメントの一方で「これで合ってるかな?」という指摘もある。 検証過程 ソースのないまとめサイトを引用 検証対象のリンクはまとめサイト「NewsSharing」の記事だ。2つのX投稿を引用している。 1つは2024年12月15日にXユーザーが投稿した「軽自動車の維持費こんなに値上げすんのか?」という投

By 宮本聖二
トルコ・エルドアン大統領が「クルドを絶滅させる」と発言? まとめサイトによるもの【ファクトチェック】

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トルコ・エルドアン大統領が「クルドを絶滅させる」と発言したという情報が拡散しましたが、不正確です。拡散した投稿は、まとめサイトのXアカウントで、見出しは掲示板サイトのスレッドタイトルを引用しているだけです。引用元とされるサイトは、円と外貨の為替レートを表示するもので、エルドアン大統領の発言に関する情報ではありません。 検証対象 2024年12月25日、「トルコ、エルドアン大統領『ク◯ドを絶滅させる』」という情報が拡散した。 2024年12月27日現在、この投稿は600件以上リポストされ、表示回数は7万回を超える。投稿について「是非ともお願いします」「流石」というコメントの一方で「んなわけあるか」という指摘もある。 検証過程 まとめサイトと添付記事の内容が不一致 検証対象のリンクは、まとめサイト「TweeterBreakingNews-ツイッ速!」の記事だ。タイトルは掲示板サイト5ちゃんねるのスレッド「トルコ、エルドアン大統領『クルドを絶滅させる』」で、ソースと書かれているリンクは為替レートのサイトでエルドアン大統領に関する情報は一切ない。 関連

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)