ファクトチェック

ファクトチェックとは事実の検証です。JFCでは、検証対象・検証過程・判定を明示、読者も独自に確認できるように情報源を明らかにし、根拠へのリンクを貼っています(詳細は「ファクトチェック」の「ファクトチェックとは」「JFCファクトチェック指針」)。

(能登半島地震)過去の津波映像や人工地震説など【ファクトチェック】

災害

(能登半島地震)過去の津波映像や人工地震説など【ファクトチェック】

2024年1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震が発生し、石川県を中心に大きな被害が出ました。この地震について、漁港や街中に津波が押し寄せる様子として過去の動画がアップされたり、人工地震だとの誤った主張が多数拡散したりしました。 検証対象 2024年1月1日に発生した能登半島地震に関して、SNS上で過去の映像や無関係な映像を能登半島地震と結びつける投稿が多数拡散した。 発生から約1時間後の1月1日午後5時には、「石川県で震度5強の地震発生 津波こわい」というコメントと共に漁港に押し寄せる津波の映像がX(旧Twitter)に投稿され、閲覧数は7万3千件を超えた。1月3日時点で、この映像は削除されている。 この地震発生から約2時間後の午後6時には、「地震による津波の映像 堤防超えてます逃げて」というコメントとともに、街中に津波が押し寄せる映像の投稿があった。 3時間後の午後7時過ぎには、「人工地震動画:能登半島沖地震」というコメントと、海面から衝撃音と共に水が噴き上がる映像が投稿された。閲覧数は1月3日午前10時現在で91万を

By 宮本聖二
AI、処理水、陰謀論...、JFCが検証した2023年10大フェイクニュース 史上最大の選挙の年に備えを

その他

AI、処理水、陰謀論...、JFCが検証した2023年10大フェイクニュース 史上最大の選挙の年に備えを

2023年も大量のフェイクニュース(誤情報/偽情報)が拡散し、日本ファクトチェックセンター(JFC)は1年間で173件の検証記事や動画を公開しました。中でも影響が大きく、注目を集めた「10大フェイクニュース」をまとめました。 選考基準は読まれた回数だけでなく、SNSやnoteでの反応、社会的な影響の大きさなども加味しました。誤った情報は繰り返し拡散します。間違いだと知りつつ故意に発信する人もいれば、正しいと信じて拡散する人もいます。まとめ記事で傾向を知ることは、2024年に同様のフェイクニュースが拡散することを防ぐことにも役立ちます。良いお年を! 2023年の10大フェイクニュース 福島第一原発からの処理水の放出 世界で注目を集めたのが福島第一原発の処理水の海洋放出でした。JFCは誤解を生みやすい「処理水」とは何かについて、国際原子力機関(IAEA)の報告書など国内外の資料に基づいて解説し、「放射性物質の6割が除去されない」「魚が大量死している」(いずれも誤りと判定)など個別に拡散した情報も検証しました。 福島第一原発の処理水と汚染水の違いは何?海洋放

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
あきたこまちRは「放射線育種米」で危険?【ファクトチェック】

医療・健康

あきたこまちRは「放射線育種米」で危険?【ファクトチェック】

秋田県の特産米の新品種「あきたこまちR」について「放射線を照射した危険な米」などの言説が拡散しましたが、誤りです。農産物の品種開発の過程で放射線を照射する事例は他にも多数あり、放射線が米に残るわけではありません。 検証対象 2023年2月、米どころの秋田県が「あきたこまち」を新品種「あきたこまちR」に切り替える方針を打ち出した。それに対して、X(旧Twitter)やYouTube上などで、「日本のお米が本当に危ない」「2025年以降、米のほとんどが放射線育種米になる」など、危険視する投稿が拡散した(例1、例2)。 言説が拡散した背景には政治家からの発信もある。23年11月14日に参議院議員会館で「あきたこまちR 何が問題なのか」と題した集会が開かれた。参加した福島みずほ社民党党首はXで「#放射線育種米」とつけて、集会の様子をポストし、180万の閲覧数があった。 また、立憲民主党の川田龍平参議院議員は、集会参加後自らのブログで「放射線育種米であることから、安全性の評価、そして一気に全量転換していくことに拙速すぎないか、消費者に対する説明が果たされているのか不

By 宮本聖二
研ナオコさんが70歳で自宅死去 葬儀では数千人が涙?【ファクトチェック】

文化・エンタメ

研ナオコさんが70歳で自宅死去 葬儀では数千人が涙?【ファクトチェック】

歌手の研ナオコさんが自宅で死去という言説が拡散しましたが誤りです。拡散元のYouTubeアカウントは著名人の訃報に関する偽情報を多数配信しています。 検証対象 2023年12月11日、「研ナオコさんが70歳で自宅死去 葬儀では数千人が涙」という動画がYouTubeに投稿され、X(旧Twitter)などで拡散した。動画では、研ナオコさんの画像が流れ、「帰省中に交通事故にあった」と音声が流れる。 2023年12月27日現在、動画は144万回以上再生されている。Xでは歌手のASKA氏も「研ナオコさんのこと、嘘だよね?」と投稿し、リポスト300件以上、表示回数は87万件を超える。投稿について「知らなかった」「亡くなったんだ」などのコメントの一方で「悪質なデマだ」との指摘もある。 検証過程 研ナオコさんは、動画が投稿された9日後の2023年12月20日、公式Instagramで食事する様子を動画で投稿している。 また、公式HPによると、2023年12月23日に福島県富岡町での公演に出演している。日本ファクトチェックセンター(JFC)が会場の「富岡町文化交流セン

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
心不全の原因はサウナブーム?【ファクトチェック】

医療・健康

心不全の原因はサウナブーム?【ファクトチェック】

サウナブームと心不全などの増加を結びつける言説が繰り返し拡散しています。今回拡散したのは「心不全が謎の急増、日本では120万人突破、原因はサウナブームか」というまとめ記事で、誤りです。根拠としているのは東京新聞の記事ですが、その記事はサウナに言及していません。 検証対象 2023年12月13日、「心不全が謎の急増、日本では120万人突破、原因はサウナブームか」との投稿・まとめ記事が拡散した。この投稿は2023年12月21日時点で2300回リポストされ、表示回数は300万回にのぼる。 返信欄には「サウナは我慢大会じゃない」「サウナは心臓の負担すごそう」とサウナ利用への危機感を示す声の一方で、「誤解を生むポスト」「記事読んでサウナの文字を探したがタイトルにしか無くて困惑」との指摘もある。 検証過程 日本循環器学会と日本心不全学会は、心不全を「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」と定義した上で「医学の専門用語としては、『病気』ではありませんが、 心臓が悪いことを総合的に表現する言葉として、ここでは 『病気』と表現しま

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
日本がハマスやタリバンをテロ組織のリストからはずした?【ファクトチェック】

国際

日本がハマスやタリバンをテロ組織のリストからはずした?【ファクトチェック】

「日本がハマスやタリバンをテロ組織のリストからはずした」という言説が拡散しましたが、不正確です。掲載基準の変更で公安調査庁のリストからハマスなどが外れたのは事実ですが、基準の再検討がされているほか、様々な資料に今も掲載されています。 検証対象 2023年11月29日、「BREAKING: Japan has removed Hamas, Taliban from the list of terrorist organizations.(速報:日本がテロ組織のリストからハマスとタリバンを削除した)」という英文のポストがX(Twitter)で拡散した。2023年12月4日現在、このポストは約316万回の表示回数と約1.5万件以上のリポストを獲得している。 検証過程 公安調査庁サイトからの組織名の削除 現代東アラブ地域の政治に詳しい青山弘之・東京外大教授の2023年11月29日の記事によると、青山教授が確認した時点で、公安調査庁サイトの「世界のテロ・武装組織等」の項目に54のテロ・武装組織が掲載されていた。ただし、以前はリストにあった183の組織名などが削

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
日銀、生放送の発言で柳井正を提訴?【ファクトチェック】

経済

日銀、生放送の発言で柳井正を提訴?【ファクトチェック】

日本銀行が、ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長の柳井正氏を提訴したという言説が拡散しましたが誤りです。ネットニュースの記事を装った投稿で、読者を投資サイトへ誘導するための偽広告です。 検証対象 2023年12月20日、「日銀、柳井正を提訴 生放送の発言で」という投稿がX(旧Twitter)の広告機能で拡散した。2023年12月21日現在、表示回数は19万件を超える。 投稿について「こんなのわざとやっている」「マジか」「ツイッターちゃんと広告審査しろよ」などのコメントがついている。 検証過程 投稿に添付されたリンクをクリックすると「日本銀行が生放送での発言で柳井正さんを提訴」という記事が出てくる。 柳井正氏と政治評論家の寺島実郎氏が対談する写真が添えられており、「このスキャンダルは、生放送中に柳井正さんが誤って番組で秘密を暴露したことから勃発した」という書き出しで始まっている。 サイトにはNTTドコモが運営する「gooニュース」のロゴがあり、記事には提供元として「読売新聞オンライン」のロゴもあるが、報道記事の見出しや書き出しとしては不自然だ。

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
韓国は日本から間違ったハロウィンの文化を取り入れてしまった?【ファクトチェック】

文化・エンタメ

韓国は日本から間違ったハロウィンの文化を取り入れてしまった?【ファクトチェック】

韓国・梨泰院で150人以上が亡くなった雑踏事故を受けて、「韓国は日本から間違ったハロウィンの文化を取り入れてしまった」というツイートが拡散しました。「日本のせい」という言葉が一時、Twitterの日本のトレンドにもなりました。しかし出典元の記事に「日本から間違ったハロウィン文化を取り入れた」とは書かれておらず、このツイートはミスリードです。 検証対象 2022年11月1日、「【悲報】韓国は日本から間違ったハロウィンの文化を取り入れてしまった」という「Tweeter Breaking News ーツイッ速!」のサイトを引用したツイートがいくつか拡散した。 これに関連したツイートの中には「出ました。『日本のせい』」「自分達の警備のミスを日本のせいにするのか?」といったコメントがあった。Twitter上では一時、「日本のせい」という言葉が日本のトレンドにもなった。 検証過程 このツイートにリンクしている「Tweeter Breaking News ーツイッ速!」のページを確認すると、元の投稿は、掲示板サイト「5ちゃんねる」に2022年10月31日に書き込まれ

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
ドイツ国内でイスラム法で統治された自治区を求めるデモ、イスラム国の旗も?【ファクトチェック】

国際

ドイツ国内でイスラム法で統治された自治区を求めるデモ、イスラム国の旗も?【ファクトチェック】

ドイツ国内のデモで「イスラム法によって統治する自治区を認めろという要求やイスラム国の旗があった」という言説が拡散しましたが、誤りです。イスラエル・パレスチナでの武力衝突に関連したデモでしたが、そのような要求は動画には映っておらず、デモ参加者の旗などにイスラム国のものは見つかっていないと現地警察は発表しています。 検証対象 2023年11月24日、ドイツ国内のデモで「イスラム国の旗が掲げられていた」というポストが動画とともに拡散した(例1、例2、例3)。 この投稿に「ドイツ内にイスラム法で統治された自治区を認めろと要求するデモ」「『イスラム国』の旗もみえる」などと日本語訳をつけて引用リポストした投稿も日本のユーザーの間で拡散した。 検証過程 10月7日のイスラム組織ハマスによる奇襲とそれに対するイスラエルによる大規模な攻撃が続く中、イスラエルあるいはパレスチナへの連帯・支持を訴えるデモが世界各地で相次いだ。特にイスラエルの攻撃によって死傷者が急増していることに対し、批判のデモも広がっている。 拡散した投稿は、そういったデモがドイツ国内でイスラム法による

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
安倍元首相、160万回分のコロナワクチンを返送し国民にイベルメクチンを投与?【ファクトチェック】

政治

安倍元首相、160万回分のコロナワクチンを返送し国民にイベルメクチンを投与?【ファクトチェック】

新型コロナワクチンについて、安倍晋三元首相が「ワクチンを義務付けず、160万回分を返送、国民にイベルメクチンを投与した」という英文の言説が拡散しましたが誤りです。安倍元首相はワクチン返送もイベルメクチン投与もしておらず、また、ワクチン普及前に辞任しています。 検証対象 2023年11月15日、安倍元首相の写真と共に「暗殺された日本の首相はWEF(世界経済フォーラム)の命令に従わなかった。ワクチンを義務付けず、160万回分を返送し、国民にイベルメクチンを投与した」という言説がX(旧Twitter)で拡散した。2023年12月13日現在、このポストは1600回以上リポストされ、表示回数は16万件を超える。 投稿について「安倍元首相が殺害された理由」などのコメントの一方で、「根拠がない」との指摘もある。 2022年にも同様の画像が拡散し、2023年に再び拡散している。AP通信がファクトチェックし、「誤り」と判定している。 検証過程 安倍元首相の任期とワクチン展開 安倍元首相は2020年9月16日に首相を辞任した。日本における新型コロナワクチンの接種開始

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
インフルエンザワクチンにもmRNAが含まれている?【ファクトチェック】

医療・健康

インフルエンザワクチンにもmRNAが含まれている?【ファクトチェック】

「インフルエンザワクチンにもmRNAが含まれている」という言説が拡散しましたが、誤りです。投稿が引用する資料には臨床試験中と書かれており、現在使用されているインフルエンザワクチンにmRNAが使用されていることを示すものではありません。 検証対象 2023年11月9日、「インフルエンザワクチンにもmRNAが含まれている」という言説がX(旧Twitter)上で拡散した。投稿には「感染症予防用mRNAワクチンの臨床開発状況」という資料の画像も添付されている。 このポストは2023年12月6日時点で4300回以上リポストされ、表示回数は130万回を超える。返信欄には、「恐ろしい〜😖」「私の職場で接種した人にモデルナアームが見られましたから、既に入っていると思います」などのコメントの一方、「臨床開発状況って言葉、知ってる?」「それは開発中のmRNAワクチンの一覧であって、今使われてる物ではありません」とソースとの整合性を指摘する声もある。 検証過程 厚生労働省のウェブサイトによると、2023年12月8日時点のインフルエンザのワクチンは「mRNA(メッセンジャー

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
(福島第一原発)魚の大量死は処理水の影響?【ファクトチェック】

原発・放射能

(福島第一原発)魚の大量死は処理水の影響?【ファクトチェック】

北海道函館市の海岸で大量の魚が死んだことについて、福島第一原発の処理水の影響を指摘する言説が国内外で拡散しましたが、誤りです。北海道ではこれまでにも、急激な水温の変化などで同様の現象が何度も起きています。 検証対象 2023年12月7日、北海道函館市の海岸でイワシやサバなどの群れが大量死した。このニュースが報じられると、海外メディアや国内外のSNSユーザーによる「福島第一原発の汚染水の影響か?」という記事や投稿が拡散した。 中国の大手ソーシャルメディア微博(ウェイボー)では、中国メディア新京報が「魚の死骸が原因不明の理由で打ち上げられた」「地元漁協によると、同様のケースは過去にもあったが、今回のような大量発生は異例」と報道。この報道に対して、「就是核污染水破坏的(核汚染水のせいだ)」「福岛的洋流是往北(福島からの海流が北に向かっている)」などのコメントがつけられている。 ウェイボーでは12月10日のトレンド上位10位にも入った。 別のサイトには、より直接的に「北海道の海岸に大量のイワシの死体、核汚染水の影響か」と報じる中国語の記事もある。日本のテレビ局の

By 宮本聖二
アイスランド政府、国民の突然死急増を受けコロナワクチンを中止?【ファクトチェック】

医療・健康

アイスランド政府、国民の突然死急増を受けコロナワクチンを中止?【ファクトチェック】

新型コロナワクチンについて「アイスランド政府、国民の突然死急増を受けコロナワクチンを中止」という言説が拡散しましたが誤りです。アイスランド保健局は「新型コロナウイルスのワクチンを禁止していないし、突然死の急増もない」と否定しています。 検証対象 2023年12月6日、「アイスランド政府、国民の突然死急増を受けコロナワクチンを中止」という言説がX(旧Twitter)で拡散した。2023年12月11日現在、このポストは3000回以上リポストされ、表示回数は61万件を超える。 投稿について「ワクチンは無駄」というコメントの一方で、「非常に怪しい情報」との指摘もある。 ロイターやAFPは、「アイスランドで新型コロナワクチンの接種が中止された」という言説についてファクトチェックしており、いずれも「誤り」と判定している。 検証過程 拡散した投稿は、新型コロナウイルスのワクチンの危険性などを発信するBrainDead Worldというサイトの「アイスランド政府、国民の突然死急増を受けコロナワクチンを中止」という記事を引用したものだった。この記事には「アイスランドの

By 宮本聖二
イスラエル国防相、世界中のハマスを支援する者は全員死ぬべきだと発言?【ファクトチェック】

国際

イスラエル国防相、世界中のハマスを支援する者は全員死ぬべきだと発言?【ファクトチェック】

イスラエル・パレスチナでの武力衝突に関連し、イスラエル国防相が「世界中のハマスを支援する者は全員死ぬべき」と発言したとする動画の付いた言説が拡散しましたが、誤りです。動画での発言を誤って翻訳したものです。 検証対象 2023年11月29日、X(旧Twitter)上でイスラエル国防相の発言とする動画つき投稿が拡散した。投稿は大臣が「世界中のすべてのパレスチナ・ハマスの支持者は、たとえ武器を持たず『スーツを着ている』人であっても全員死ぬべきだ」と語ったと指摘した。 動画ではイスラエルのガラント国防相の演説に英語通訳の音声が入っている。このポストは1100件以上リポストされ、表示回数は21万件を超える。 検証過程 実際に動画内でイスラエルのヨアブ・ガラント国防相が「世界中のハマスを支援する者は全員死ぬべき」と発言しているかを確認した。 拡散した投稿は、海外で拡散した英語の投稿から動画を引用している。英語の投稿には「BREAKING: ISRAELI DEFENSE MINISTER SAYS ALL PEOPLE WHO SUPPORT HAMAS SHO

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
食品添加物の認可数は日本が世界一?【ファクトチェック】

医療・健康

食品添加物の認可数は日本が世界一?【ファクトチェック】

「食品添加物の認可数は日本が世界一」という言説が拡散しましたが、誤りです。食生活や制度の違いなどにより、添加物の定義や対象の範囲、使用可能量などが異なるため、認可数を単純に比較することは難しいですが、例えば、アメリカの認可数は、日本のおよそ2倍あります。 検証対象 2023年11月14日、「食品添加物も遺伝子組み換え食品も農薬も抗がん剤もワクチンも、その使用量は日本が世界一です。 どう考えても、これはおかしなことです」というポストがSNSで拡散した。投稿文には「使用量」と書いているが、添付のグラフは「食品添加物の認可数」と記している。 この投稿は、2023年12月5日時点で1800回以上リポストされ、表示回数は19万回を超える。投稿について同調するコメントの一方で、「各国の定義が違うので比較できない」「どこに使用量って書いてあんの?」という指摘もある。 また、2023年12月1日にも「日本は世界一の添加物大国」という同様のポストが拡散している。 検証過程 日本ファクトチェックセンター(JFC)は、この投稿のうち「食品添加物の認可数は日本が世界一」とい

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
(動画)太平洋沿岸の津波? 過去の映像が拡散 被害状況の確認に注意を

災害

(動画)太平洋沿岸の津波? 過去の映像が拡散 被害状況の確認に注意を

地震や津波など大規模な災害が発生すると、被害に関する動画がSNSで拡散します。しかし、それが実際の映像とは限りません。過去の別の災害の映像の使い回しや、生成AIで作った映像などに注意が必要です。誤情報の拡散で実際の被害状況がわかりにくくなり、避難や救助に影響を与える危険性があります。 検証対象 2023年12月2日夜、フィリピン近海を震源とする地震によって津波が発生、南西諸島から日本列島の太平洋側沿岸に3日朝まで津波注意報が出た。その際、過去の津波映像を使って、海岸に近づかないように呼びかけるSNSの投稿が拡散した。映像にはANN(テレビ朝日をキー局としたネットワーク)のロゴが左上にある。 この投稿自体は、この映像が今回の地震にともなって発生した津波であるとは書いていない。しかし、過去の映像とも書いていないために誤解を招く危険性がある。同じ動画を紹介する投稿はSNSで広く拡散した。 検証過程 投稿された映像のスクリーンショットで画像検索をすると、YouTube上のANNのアカウント「ANNnewsCH」がアップロードした全く同じ映像が見つかった。 動

By 宮本聖二