(画像)ワールドカップでも旭日旗は本当?【ファクトチェック】
カタールでサッカーW杯が開催される中、「ワールドカップでも旭日旗」という文言とともに、旭日旗のようなデザインの旗を掲げた外国人サポーターの画像4枚が拡散しました。これらはスペインのプロサッカーリーグに所属する「アスレティック・ビルバオ」と「アトレティコ・マドリード」のサポーターの画像であり、W杯ではありません。
2022年11月23日、「ワールドカップでも旭日旗」という文言とともに旭日旗を掲げた外国人サポーターの画像4枚が拡散した。リプライには「旭日旗は美しい」「どんどん使おう」といったコメントがある一方、「日本も大好きだし旭日旗も大歓迎だけどこの画像はワールドカップじゃないですよ」「これはアトレティコだな」といった指摘もある。
検証過程
1枚目に映るサポーターたちのユニフォームには「Petronor」と書かれている。「Petronor uniform」でGoogle検索すると、Petronorはスペインのバスク州に本社を構える石油・ガス企業であり、スペインのプロサッカーリーグのラ・リーガに所属するアスレティック・ビルバオの、過去のユニフォームだと分かる。
スペインのメディア「マルカ」によると、アスレティック・ビルバオは2008年から2014年6月まで、Petronorとスポンサー契約を結んでいた。また、中央下部にいる女性のユニフォームには「bbk」という文字が書かれている。2014年7月14日のマルカの記事によると、2015-2016シーズンのチャンピオンズリーグもしくはヨーロッパリーグで戦う際には、ユニフォームの前面に「bbk」が入ると報じている。
2枚目以降のサポーターの胸には「Plus500」と書かれている。「Plus500 uniform」でGoogle検索すると、Plus500はイギリスに本社を置くフィンテック企業で、ラ・リーガのアトレティコ・マドリードの以前のユニフォームだと分かる。アトレティコの公式サイトにあるアーカイブから、2018-2019シーズンまでの選手たちが着ていたユニフォームを確認することができる。
判定
4枚ともラ・リーガのクラブチームのサポーターの画像であり、W杯の画像ではないし、日本の旭日旗ではない。よって、「ワールドカップでも旭日旗」は誤り。
あとがき
この画像は、海外のサッカーファンも日本の旭日旗を使っている証拠として何度も拡散しています。しかし、スペインのクラブチームが使用しているデザインであり、日本の旭日旗とは異なるものです。
検証:杉江隼
編集:古田大輔
検証手法や判定基準などに関する解説は、JFCサイトのファクトチェック指針をご参照ください。
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