研ナオコさんが70歳で自宅死去 葬儀では数千人が涙?【ファクトチェック】

歌手の研ナオコさんが自宅で死去という言説が拡散しましたが誤りです。拡散元のYouTubeアカウントは著名人の訃報に関する偽情報を多数配信しています。
検証対象
2023年12月11日、「研ナオコさんが70歳で自宅死去 葬儀では数千人が涙」という動画がYouTubeに投稿され、X(旧Twitter)などで拡散した。動画では、研ナオコさんの画像が流れ、「帰省中に交通事故にあった」と音声が流れる。

2023年12月27日現在、動画は144万回以上再生されている。Xでは歌手のASKA氏も「研ナオコさんのこと、嘘だよね?」と投稿し、リポスト300件以上、表示回数は87万件を超える。投稿について「知らなかった」「亡くなったんだ」などのコメントの一方で「悪質なデマだ」との指摘もある。
検証過程
研ナオコさんは、動画が投稿された9日後の2023年12月20日、公式Instagramで食事する様子を動画で投稿している。
また、公式HPによると、2023年12月23日に福島県富岡町での公演に出演している。日本ファクトチェックセンター(JFC)が会場の「富岡町文化交流センター『学びの森』」に取材したところ、「23日の公演は研ナオコさんも出演した」とのことだった。
動画を投稿した「不幸な有名人」というYouTubeアカウントは、研ナオコさんの他にも著名人の訃報に関する偽情報を多数投稿している。
動画は静止画がスライドショー形式で流れ、自動読み上げ音声が著名人の訃報を伝えている。画像はそれぞれの著名人の名前でGoogle検索するとヒットするものが多い。音声は外国語を翻訳ソフトで直訳したような不自然な日本語だ。研ナオコさんの動画の場合、4:42以降はタイトルと全く無関係の内容となっている。
判定
研ナオコさんが70歳で自宅死去という言説は、誤り。発信元のYouTubeアカウントは事実無根の芸能人の訃報を数多く流している。
あとがき
YouTubeに限らず、ネット上では閲覧数に応じて広告収入を得られるビジネスモデルが存在します。そのため、著名人の名前や映像を勝手に流用したり、対立を煽ったりしてビューを集めようとする故意犯が多数存在します。
著名人が亡くなれば、主要メディアは一斉に報道します。名前を聞いたこともないメディアや個人の発信しかない場合は、他メディアの発信を確認しましょう。
検証:木山竣策
編集:古田大輔、宮本聖二
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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