理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介
日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。
理論編と実践編の中身
理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。
実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。
JFCファクトチェッカー認定試験を開始
2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。
合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。
動画を見た人であれば実務経験がなくても合格可能です。動画だけでなく、各回の概要をそれぞれ記事にまとめているので、そちらも参考にしてください。
JFCファクトチェック講座 YouTube再生リスト
以下は各回の動画と要約記事の紹介です。
理論編1-10
フェイクニュースは口コミで広がって半数が信じる 意外な実態を解説 |JFCファクトチェック講座 理論編1
そもそもフェイクニュースとは何か。偽情報・誤情報・悪意のある情報の定義と作成者・拡散者の分類「故意犯・確信犯・愉快犯」の説明の他、JFCと国際大学グロコムが実施した2万人調査を参照し、日本における偽・誤情報の影響や拡散経路などを紹介します。
フェイクニュースとバイアス 「私は大丈夫」が危ない | JFCファクトチェック講座 理論編2
なぜ、5割を超える確率で偽・誤情報を正しいと受け止めてしまうのか。全ての人にある「バイアス」を元に解説。認知的不協和、確証バイアス、チェリーピッキングなどのキーワードを説明します。
フェイクニュースとアルゴリズム YouTubeやTikTokが便利で危険な理由 | JFCファクトチェック講座 理論編3
インターネット時代に偽・誤情報が大拡散する背景には、プラットフォームのアルゴリズムがあります。フィルターバブル、エコーチェンバー、アテンション・エコノミー、パーソナライズなど現在の情報生態系を生きる上で重要な概念を解説します。
フェイクニュースとクリティカルシンキング 吟味する思考、日本は最下位 | JFCファクトチェック講座 理論編4
偽・誤情報を目にすることなく生きることは不可能です。では、個々人が自衛策として何を身につけるべきか。メディアリテラシーの根本でもあるクリティカルシンキング=吟味思考を解説します。
ファクトチェックは「事実」の検証 オピニオンは自由 | JFCファクトチェック講座 理論編5
クリティカルシンキングを理解した上で、ファクトチェックの手法を身につけましょう。まず大切なのはファクトチェックとは何なのか。意見ではなく事実を検証するという基礎から学びます。
フェイクニュースとナラティブ 人を惹きつける「語り口」|JFCファクトチェック講座 理論編6
事実を検証するファクトチェックは偽・誤情報対策として非常に重要ですが、何にでも使えるわけではありません。簡単な事例と難しい事例を紹介するとともに、偽・誤情報が拡散する背景にある「ナラティブ=語り口」について解説します。
フェイクニュースと情報源 国の隠蔽やメディアの誤報もある中で信頼できるのは|JFCファクトチェック講座 理論編7
ファクトチェックするには、ある言説が正しかったり、誤っていたりすることを示す根拠が必要です。では、それらの根拠はどこで見つけることができるでしょう。国や報道機関も100%信頼できるわけではない中で、比較的信頼性が高い情報源を複数確認することの重要性を解説します。
フェイクニュースとニュースリテラシー 知られていない記事の読み方 |JFCファクトチェック講座 理論編8
情報の信頼性を見極める上で非常に重要なのがニュースを読み解き、活用する力=ニュースリテラシーです。情報の6区分やニュースとオピニオンの区別など、基礎から解説します。
フェイクニュースと詐欺 堀江貴文氏や前澤友作氏など「なりすまし」への対策|JFCファクトチェック講座 理論編9
被害が急増するオンライン詐欺。多くの手口は共通しています。ほんの少しの知識があるだけで、大抵の怪しいアカウントやサイトを見分けることができます。クリティカルシンキングを活かした自衛策を解説します。
フェイクニュースと生成AI 人間の目で見分けられないものをどうするか|JFCファクトチェック講座 理論編10
生成AIは急激に進化し、人間の目では見極めることが困難な偽画像や偽動画も出てきます。国家レベルの影響工作も存在します。人々の意見が極端に分裂していく極性化の懸念が高まる中で、デジタル時代を生きる「シティズンシップ」について解説します。
実践編1-10
ファクトチェックの基礎 検証対象・過程・結果を明示する 【JFC講座 実践編1】
ファクトチェックには基本的なルールがあります。検証対象を特定し、検証過程を公開し、検証結果を明示する。欧州ファクトチェック規範ネットワークの厳格な方法論も紹介しつつ、ファクトチェックの公開の原則について解説します。
ファクトチェック最大の武器「高度な検索」は何にでも使える【JFC講座 実践編2】
Google検索は誰でも使っているのに「検索の仕組み」や「高度な検索」について学んだことがある人はほとんどいません。検索は日々の生活の調べ物だけでなく、ファクトチェックにも必須の技術。基礎から応用まで解説します。
偽画像をファクトチェック GoogleレンズやTinEyeの使い方【JFC講座 実践編3】
Google検索は知っていても「画像検索」はその機能が存在することすら知らない人も多いです。偽画像を検証する際の必須の技術を便利なツールGoogleレンズやTinEyeとともに解説します。
偽動画をファクトチェック InVIDやYouTube検索のコツ【JFC講座 実践編4】
偽動画は急激に増えています。こちらも画像と同じく検証の手法やツールを知っているかどうかが勝負。InVIDのような便利なツールの他、世界最大の動画プラットフォームであるYouTubeでオリジナル動画を探すコツを紹介します。
生成AIをファクトチェック 進化する技術に対抗する方法【JFC講座 実践編5】
画像や動画を検証する際に突破口になるのがオリジナルの発見ですが、生成AIで作るディープフェイクは、オリジナルが存在しないこともあります。その場合、どこを確認すれば良いのか。細部で見るべきポイントを具体的に解説します。
OSINTでファクトチェック 公開データを使い真偽を判別する【JFC講座 実践編6】
検証過程を公開し、判定の根拠をユーザーにも開示するファクトチェックは「関係者によると」というような匿名の情報源ではなく、主に公開されているデータに基づいて検証を進めます。調査報道にも用いられるオープンソース調査=OSINTについて解説します。
ファクトチェックに使えるサイトやツール 公開情報を使いこなす【JFC講座 実践編7】
公開情報を用いて検証を進める上で役にたつツールやサイトが増えています。様々なデータベースを使いこなすことで検証の幅が広がり、作業は効率化されます。政府の公式統計など知っておくべき基本的なサイトから紹介します。
ファクトチェックと調査報道 共通する手法と異なる方法論【JFC講座 実践編8】
ファクトチェックって調査報道と何が違うの?報道機関はいつも裏取りで事実確認をしているからファクトチェックと一緒だよね?という質問をよく受けます。厳密な方法論に基づくファクトチェックは何が違うのか、解説します。
ファクトチェックと「プリバンキング」 ”情報の空白”を埋める注目の手法【JFC講座 実践編9】
すでに公開され拡散した偽・誤情報を検証するファクトチェックに対して、近年、より効果が高いと注目される手法がプリバンキング=事前の検証です。人々が興味を持つ事柄を検索して、怪しげな情報が先に目についてしまう「情報の空白」を埋める新手法について解説します。
ファクトチェックと教育 デジタル時代のリテラシーと総合的な対策【JFC講座 実践編10】
民主主義社会を脅かす偽・誤情報に対して、ファクトチェックは限定的な効果しかありません。しかし、多様な組織や個人が重層的な対策を連携して進めていく上で、その出発点ともなりえます。世界の偽・誤情報対策を紹介しつつ、解説します。
アンケートにご協力を
動画を見た方は、ぜひ簡単なアンケートにご協力ください。 https://forms.gle/QdVa9A5v3RDnfBW59
講師養成講座も
ファクトチェッカー認定試験に合格した方で、教育者や企業研修担当の方を主な対象とした講師養成講座も実施しています。ご関心ある方は、ぜひ、こちらをご覧ください。
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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