自民党・高市早苗議員が日本銀行に提訴された? 投資に誘導する偽広告【ファクトチェック】
自民党の衆院議員、高市早苗氏が日本銀行に提訴されたという広告が出現していますが、誤りです。投資を促す偽広告で、高市氏以外の著名人の画像が無断利用された事例を日本ファクトチェックセンターで繰り返し検証しています。
検証対象
2024年11月ごろ、「日本銀行が生放送での発言で高市早苗氏を提訴」という広告がFacebookなどに表示された。
広告のリンクにアクセスすると、高市氏と評論家の寺島実郎氏が対談している記事が表示される。高市氏が生放送の発言が原因で提訴されたという内容だ。
検証過程
ソーシャルメディアの広告機能を使った偽記事
Facebookなどのソーシャルメディアの広告機能を使って記事に見せかけた捏造コンテンツを拡散させ、正体不明の投資サイトなどに誘導する手口は蔓延している。
日本ファクトチェックセンターはこれまでにも、多くの事例を検証してきた。「柳井正氏が拘束された?」「日銀、生放送の発言で柳井正を提訴?」
いずれも衝撃的な見出しでクリックを誘っている。今回の事例を見てみる。
読売新聞オンラインのロゴ付きだが内容に不自然さ
この記事が掲載されているページには、NTTドコモが運営する「gooニュース」のロゴがあり、記事提供元として「読売新聞オンライン」のロゴもある。
しかし、内容を確認すると、二人の話し言葉が翻訳調で固く、不自然な会話になっている。「Bitcoin +2 Alrexのプラットフォームで1億」などと、急に投資を促す場面もあり、ニュース記事としては不自然だ。また、発言のかぎかっこが「」や""と、表記が統一されていない。
URLも本物の「gooニュース」とは異なり、ロゴを悪用した偽ニュースサイトだとわかる。
高市氏自身もXで注意喚起
2024年12月22日、高市早苗氏はXの公式アカウントで注意を呼びかけた。
「既に事業者に削除依頼中ですので、大丈夫かとは思いますが、被害が発生しては困りますので、念の為…。又、私の名前を悪用した詐欺広告が出ていました。寺島実郎氏と私が対談したような記事スタイルのものですが、このような対談はしていません。対談中に登場するプラットフォームとやらには絶対にアクセスなさらないよう、ご注意下さいね」
判定
日本銀行が、生放送番組での発言について、高市早苗氏を提訴したとの情報が拡散したが誤り。記事は偽造された広告だ。
検証:木山竣策
編集:宮本聖二、野上英文、古田大輔
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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