石破首相「中国の領空侵犯は即射撃を検討」などと発言? 表現を改変【ファクトチェック】
2024年10月1日に首相となった石破茂氏が「中国の領空侵犯は即射撃を検討。今できないから中国が調子乗ってる」と発言したとする投稿が拡散しましたが、不正確です。引用元の記事にある発言を改変しています。
検証対象
2024年9月28日、「石破茂、さっそく終わる。『中国の領空侵犯は即射撃を検討。今できないから中国が調子乗ってる』」という言説が拡散した。
2024年10月4日現在、この投稿は1800件以上リポストされ、表示回数は70万件を超える。投稿について「本当にやるなら、評価する」「対中国強硬発言」というコメントの一方で、「デマ」という指摘もある。
検証過程
投稿はまとめサイト「ツイッター速報」による投稿だ。リンク先を確認すると時事通信が9月22日にYahoo! ニュースに投稿した「領空侵犯に『危害射撃』検討を 自民・石破氏が提起」という記事を引用している。
記事によると、石破氏は9月22日、フジテレビの番組で「警察権で対応しているので、(正当防衛や緊急避難の場合でなければ)危害射撃ができない。中国は知っているから抑止力が効かない」と発言。相手を標的に武器を使う危害射撃を自衛隊に認める法整備を検討する必要があるという認識を述べたという。
危害射撃とは「人に危害を与える可能性のある射撃」を意味する(防衛省)。
石破氏は「中国の領空侵犯は即射撃を検討」とは言っておらず、危害射撃を認める法整備を検討することと拡散した言説は異なる。
他国の領空侵入はたびたび発生している。2024年8月26日、長崎県男女群島沖の領海上空を中国機が侵犯したとして、自衛隊は戦闘機を発進させ通告及び警告を実施する等の対応をとった(防衛省)。
2024年9月23日、ロシア機の領空侵犯に対して自衛隊は警告としてフレア弾を使用した。自衛隊が領空侵犯の対応でフレア弾を使用したのは初めてだ。日本政府は光を放つフレア弾の使用に関して「武器の使用にはあたらない」との見解を示している(NHK)。
判定
石破氏は、危害射撃を認める法整備について話したが、「中国の領空侵犯は即射撃を検討」とは発言していない。よって不正確と判定した。
検証:木山竣策
編集:宮本聖二、古田大輔、野上英文
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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