衆院補選、江東区では外国人学校に通う生徒の家庭に補助?【ファクトチェック】
衆院補選期間中に「江東区では税金から朝鮮学校、韓国学校、中華学校に通学する生徒の保護者に1人につき8000円が補助されています」という言説が拡散しましたが、ミスリードで不正確です。都内の多くの特別区に同様の補助施策があります。
検証対象
2024年4月21日に「江東区では税金から朝鮮学校、韓国学校、中華学校に通学する生徒の保護者に1人につき月額8000円が補助されていますよ!」とX(旧Twitter)で投稿があった。
投稿には次のような文言もあり、衆院補選の江東区(東京15区)で競っている都民ファーストや立憲民主党を批判し、日本保守党の飯山あかり候補への投票を呼びかける内容だ。
「現江東区長は都民ファーストから支援を受けて当選。立憲民主党の議員も朝鮮学校を支援していますよ?大丈夫ですか?」「来る補選では日本人の為に #日本保守党 #飯山あかり に投票し、外国人ばかりを優遇する制度に終止符を打ちましょう!」
この投稿は4月25日現在、4200リポスト、16万表示を超えている。
検証過程
投稿には、江東区ウェブサイトの「外国人学校保護者負担軽減制度」の画像がついている。「朝鮮学校、韓国学校、中華学校に通う児童生徒の保護者の負担を軽減するため児童、生徒1人につき、月額8000円を補助」と書かれており、投稿の主張と一致している。
ただし、これは江東区だけの特別なものではない。こうした外国人学校に通う児童生徒の家庭への補助制度は東京都内の特別区の多くにある。例えば、品川区は月額7000円、新宿区6000円、葛飾区は児童10000円、生徒11000円の補助だ。給付条件は、外国籍で区内に在住し、授業料を納付していることなどだ。
拡散した投稿は「江東区のみにこうした制度がある」と書いているわけではないが、他の区の状況に触れずに江東区だけ言及することで誤解を生む恐れがある。実際にXのリプライには「江東区の税金は朝鮮系や中華系に使われる」などというコメントもある。
判定
「江東区では税金から朝鮮学校、韓国学校、中華学校に通学する生徒の保護者に1人につき月額8000円が補助されていますよ!」という投稿で区政や政党を批判する言説はミスリードで不正確。同じ補助制度は都内の別の特別区にもある。
検証:宮本聖二
編集:古田大輔
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