兵庫県の斎藤前知事の支持率が39%?出直し選挙に関する調査【ファクトチェック】
兵庫県議会の不信任決議によって失職した斎藤元彦前知事について、「県民の支持率が39%ある」かのように見せるTV画面が拡散しましたが、誤りです。支持39%というのは「失職、出直し選挙という判断についてどう思うか」と県民に聞いた結果で、斎藤氏の支持率ではありません。
検証対象
2024年9月26日、「兵庫県民のみのアンケート マスゴミがあれだけ偏向報道してるのに健闘してるやん」というコメントと共に円グラフに斎藤氏の顔写真を載せた画像が拡散した。テレビ番組の一場面のようで、グラフには「支持しない」40%、「支持する」39%と書かれている。
150万を超える閲覧があり、リポストは2200。「やっぱり県立高校無償化など、改革の成果を実際に身近に感じてる人が多いと思われる」「これ斎藤知事再選あるんちゃうか」などのコメントの一方で、「『斉藤さんの出直し選挙』に対する支持・不支持ですので…。斉藤さん自身を支持・不支持しているかどうかの円グラフではないです」という指摘もある。
検証過程
拡散した画像は、読売テレビの情報番組「関西情報ネットten.」の一場面だ。斎藤氏のコーナーはその内容が読売テレビのウェブサイトで公開されている。
ここで、拡散した画像を切り取る前の画像を見ることができる。
元画像には「失職・出直し選挙という判断についてどう思いますか?」というテロップが入っている。番組では、斎藤氏が辞職ではなく失職を選び、出直し選挙に立候補することの是非を県民にたずねた結果であることがわかる。斎藤氏の支持率を報じたものではない。
番組では「兵庫県民へのLINEアンケートで222人の回答を得た結果だ」とも紹介している。
斎藤氏の支持率については失職後の調査はなく、神戸新聞による7月20、21日の調査では、支持するが15.2%で、支持しないが66.1%となっていた。
判定
斎藤氏について、県民の支持率が39%あるかのような画像が拡散したが、誤り。番組は、失職・出直し選を選んだ斎藤氏の判断の是非を兵庫県民に聞いた結果を紹介しており、斎藤氏の支持率ではない。
検証:宮本聖二
編集:藤森かもめ、古田大輔、野上英文
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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