維新の会・吉村共同代表が公益通報制度禁止の条例を要求? 新聞記事の表現からくる誤解【ファクトチェック】
日本維新の会の吉村洋文共同代表が、公益通報を禁止する条例を制定するよう兵庫維新の会に求めたという言説が拡散しましたが、誤りです。吉村氏が提案したのは、公益通報制度に関する条例制定で、拡散した言説と逆です。
検証対象
2024年11月24日、日本維新の会の吉村共同代表が、兵庫維新の会に対して「公益通報を禁止する条例」を提案したという情報が拡散した。
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「維新はほんまにやばい」「自分が公益通報されるとヤバいから」と言ったコメントのほか、「誤読していますね」「毎日新聞が書き方ミスってるだけっぽいよ」などの指摘もある。
検証過程
このX(旧Twitter)の投稿には毎日新聞の「維新が兵庫県知事選を総括 吉村共同代表、県議会自主解散など要求」という見出しの24日午後1時過ぎ配信の記事がリンクされている。
記事には、兵庫維新の会との会合で吉村氏が「県議会の自主解散▽公益通報や職員の政治活動禁止の条例制定▽維新県議団で別の対応を検討――の三つの選択肢を兵庫維新側」に提示したと書いてある(追記11月25日:その後、該当部分は「県議会の自主解散▽公益通報への適正手続きやパワハラの防止、職員の政治活動の禁止などを定める条例の制定▽維新県議団で別の対応を検討――の三つの選択肢を兵庫維新側に提示した」と修正された)。
2番目に書いてある「公益通報や職員の政治活動禁止の条例制定」は一見、「『公益通報』と『職員の政治活動』を禁止する条例の制定」という風にも読める。
しかし、同じ会合を取材した朝日新聞の記事を見ると「知事や議員によるパワハラ防止や公益通報制度の確立のほか、職員の政治活動制限、政治的中立性を求める計四つの条例制定」を提示したと書いてある。
つまり、毎日新聞の2つ目の項目は「『公益通報』と『職員の政治活動禁止』の各条例の制定」を意味する。
日本ファクトチェックセンター(JFC)が兵庫維新の会に確認を求めたところ、吉村氏の提案は「公益通報の条例制定」に間違いないと回答した。
判定
兵庫県知事選挙を総括する兵庫維新の会の会合に出席した日本維新の会吉村洋文共同代表が、公益通報の禁止を条例に制定するよう兵庫維新の会に求めたという言説が拡散したが、誤り。新聞記事の表現が両方の意味に取れるものだった。
検証:宮本聖二
編集:古田大輔
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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