東京都知事選の投票率は40%弱、6割の人が投票していない?【ファクトチェック】

東京都知事選の投票率は40%弱、6割の人が投票していない?【ファクトチェック】

2024年の東京都知事選について、投票率が40%弱という投稿が拡散しましたが誤りです。期日前投票を含めた投票率は60.62%です。

検証対象

2024年7月7日、「 #東京都知事選挙2024」というハッシュタグと共に「投票率40%弱?6割の人が投票してないの?」という言説が拡散した。

2024年7月9日現在、投稿は4700件以上リポストされ、表示回数は299万件を超える。投稿について「やばすぎます」「相変わらず低い」というコメントの一方で「嘘情報」と指摘する投稿もある。

検証過程

2024年7月7日、東京都知事選挙の投開票があり、現職の小池百合子氏が3期目となる当選を果たした。

東京都選挙管理委員会は、今回の都知事選における最終的な投票率を60.62%と発表している。

期日前投票した人は215万1251人で、前回よりも39万人余り増え、選挙人名簿登録者数(6月19日現在)に占める割合は、18.65%だった(東京都選挙管理委員会「期日前投票状況〈最終結果〉)。

当日投票した人数(不在者投票も含む)は472万8251人で7月7日時点の有権者数に占める割合は、41.66%だった。

選挙当日、午後6時時点の投票率は33%程度と報じられているが、これは当日の投票率で期日前投票が含まれていない数字だ(朝日新聞)。

歴代都知事選の投票率は、東京都選挙管理委員会事務局のサイトで確認することができる。投票率が60%を超えたのは2012年以来だった。

判定

投票率40%弱は都知事選当日の投票率であり、期日前投票を含めた投票率は60.62%。よって、都知事選の投票率が40%弱は誤り。

検証:木山竣策
編集:宮本聖二、古田大輔

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