衆議院予算委で安住委員長がれいわ・大石議員の質問を途中で切った? 持ち時間を超過【ファクトチェック】

衆議院予算委員会の安住淳委員長(立憲民主党)が、れいわ新選組の共同代表、大石晃子議員の質問を持ち時間の途中なのに遮ったと主張する投稿が拡散しましたが、誤りです。大石議員は安住委員長から質問時間超過の注意を受け、最終的に58秒オーバーしました。
検証対象
2025年2月28日、「今、大石あきこさんの国会質問 15分あるのに11分で切った」「自民の都合の悪い事を言われると時間前なのに切る」などと主張する投稿が拡散した。
「時間より先に国民守れ」「安住と立憲は第二自民党、または自民党補完勢力です」などのコメントが付く一方で、「持ち時間オーバー」との指摘もある。
検証過程
衆議院インターネット中継のアーカイブで確認
日本ファクトチェックセンター(JFC)は「衆議院インターネット審議中継」で公開されている録画で、2月28日の衆院予算委員会を確認した。
大石議員の発言開始時刻は16時36分で、所要時間は15分と書かれている。
注意を受けつつ演説を続行
録画の3時間56分25秒ごろ、安住委員長が大石議員を指名し、大石議員の質疑が始まる。開始から13分30秒経過したころ、職員が大石議員に紙を渡している。
開始から13分40秒頃、安住委員長が「大石さん時間が過ぎていますのでまとめてください」と1度目の注意をし、大石議員は「まとめますね」と応じた。14分が経過した時に安住委員長は「大石さんもういいですか」と2度目の注意をしたが、大石議員はそのまま演説を続けた。この時に大石議員は自分のストップウォッチを見ながら「でも11分ですよ」と言っている。
その後、安住委員長が「大石さん」と呼びかけ、野次が飛び交うようになる。大石議員はなお演説を続けようとし、安住委員長が「46秒オーバーしている」「やめてください」と重ねて注意。大石議員は指名されてから14分28秒たって「国の力がないと国民は救えないんです、国民を殺すのはやめてください」と言って質疑を終えた。
大石議員に割り当てられた時間は14分
JFCは、衆議院事務局委員部に取材した。大石議員の質問時間は16時33分から47分までの14分の予定だったが、議事進行が長引いたため、予定より3分遅れの16時36分に始まった(衆議院インターネット中継)。
質問時間は委員長に指名された時に測り始めるが、議事は分をめどに進行される。つまり、大石議員の場合、指名されて質問を開始した時刻が16時36分を過ぎていたが終了時刻は16時50分だ。事務局は終了の5分前と終了予定時に質問者にその旨を書いた紙を渡すルールになっている。
予算委員会の映像を確認すると、指名されてから9分が経った時点と、終了予定時刻にベルが鳴らされ終了の紙が渡されている。
経過をまとめると以下のようになる。
判定
「安住委員長が大石議員の質問を持ち時間の途中で遮った」との主張は誤り。大石議員は終了予定時刻を超過して注意を受けつつ演説を続行していた。
検証:リサーチチーム、宮本聖二
編集:藤森かもめ、古田大輔
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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