萩生田光一氏は落選していた? 選挙区で当選【ファクトチェック】

萩生田光一氏は落選していた? 選挙区で当選【ファクトチェック】

2024年の衆議院議員選挙における萩生田光一氏の当選について「これはおかしいですね。速報では落選でしたから」との主張が拡散しましたが、誤りです。萩生田氏は選挙区で当選しました。また、「落選」と報じたメディアは確認できません。

検証対象

2024年10月27日、衆院選における萩生田光一氏の当選について、「これはおかしいですね。速報では落選でしたから」と、否定するような投稿がX(旧Twitter)で拡散した。

投稿は10月31日時点で1700件以上のリポストと61万件以上のインプレッションを獲得している。投稿には「確実に不正やってますね。」「もう不正は確実です」などのコメントが付く一方で、「その逆も見ましたよ。当確だったのが今日見たら落選してる方を」といった指摘もある。

検証過程

自民党元政調会長の萩生田光一氏は、自民党派閥の裏金事件に関わったとして公認を得られず、今回の衆院選に無所属で立候補した。

この選挙区では、萩生田氏と立憲民主党の元参院議員・有田芳生氏が接戦となったが、投開票日午後11時29分には朝日新聞が萩生田氏の当選確実を報じている(朝日新聞)。

このようなメディア各社の選挙速報は、各報道機関が独自取材や出口調査や開票状況に基づいて報じるもので、選挙管理委員会による正式な発表とは異なる。

八王子市によると、選挙区で萩生田氏と有田氏の得票数が確定したのは、28日午前0時45分。萩生田氏が79,216票で当選し、次点の有田氏は71,683票だった。有田氏はその後、比例東京ブロックで復活当選した(八王子市)。

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、萩生田氏の落選を伝える速報を探したが、確認できなかった。

選挙の2日前に、選挙ドットコムがJX通信社との共同調査で、東京24区について「有田芳生氏がリードしている」と報じた(Yahoo! ニュース)。しかし、これは投開票日前のもので、萩生田氏の落選を報じるものではない。

判定

「萩生田氏が落選していた」という言説は誤り。萩生田氏は選挙区で当選しており、メディアが萩生田氏の落選を速報したという事実は確認できない。

あとがき

開票作業が終わっていないにもかかわらず、メディアが「当選確実」を報じることについて、「不正選挙だ」と主張する言説がたびたび拡散している。これについてJFCは検証記事を出している。

開票率0%で当選確実と報道するゼロ打ちは不正選挙? 取材と統計学に基づく精度の高い予測【ファクトチェック】
報道機関選挙のゼロ打ち(開票率0%で「当選確実」と報じること)について「ゼロ打ちすんな、選挙まで不正すんな」「#ゼロ打ちやめろ #不正選挙反対」といった言説が複数拡散しましたが誤りです。これはメディア各社が取材や統計学に基づいて非常に精度の高い予測を報じているものです。 検証対象 2024年10月27日に投開票される衆議院選挙について、報道機関の「ゼロ打ち」を投票が操作される不正選挙の証拠であるとするような言説が複数投稿されている(例1、例2、例3)。 検証過程 選挙において開票率が0%の段階でメディアが「当選確実」と報じることを「ゼロ打ち」「ゼロ票当打ち」などと呼ぶ。選挙報道では一般的な手法だ。 担当記者が選挙前から選挙区でどの候補者が優位に立っているかを各陣営などに取材。世論調査や期日前投票と当日の出口調査(投票所から出てきた人に誰に投票したか聞くこと)などで、その選挙区で誰がどれだけリードしているかを予測する。 逆転不可能なほどに差が開いている場合には、投票が締め切られた段階で、開票がまだ進んでいなくても「ゼロ打ち」をする。ゼロ打ちをするほどの
大阪府知事選の当確が早すぎる、不正選挙?ゼロ票打ちによるもの【ファクトチェック】
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検証:リサーチチーム
編集:藤森かもめ、宮本聖二、古田大輔

判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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立花氏が「県警が否定」報道直後に投稿削除 新聞による「ファクトチェック」の効果と公的機関の発信の重要性

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繰り返す災害時の偽情報/欧州でプラットフォーム事業者への批判高まる【今週のファクトチェック】

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日向灘を震源とする地震が発生すると別の災害の映像や人工地震説の偽情報が拡散しました。ヨーロッパでは、偽情報の拡散へのプラットフォーム事業者の対策を疑問視して批判を強めています。パリ市はXの利用をやめました。 ✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。 JFCからのニュース セミナー「新たなテクノロジーと偽情報 -AIの脅威と活用-」 AIなどを活用したデジタル・プロパガンダの研究者として知られるサミュエル・ウーリー ピッツバーグ大准教授が来日するのを機に、国境を超えて拡散する偽情報や影響工作、そこにテクノロジーがどのような影響を与えているのかを国内の専門家を交えて議論します。日英通訳あり。無料。 日時:1月30日午後6時-7時半 場所:早稲田大学22号館201室(東京都新宿区西早稲田1-7-14) 共催:日本ファクトチェックセンター(JFC)、Code for Japan、早稲田大次世代

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食品の放射能残留基準をゆるく変更? 2012年から逆に厳しくなった【ファクトチェック】

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2024年から食品の放射能濃度の残留基準がゆるくなったという情報が拡散しましたが、誤りです。基準の変更は2012年で、拡散した情報とは逆に基準は厳しくなりました。 検証対象 2025年1月8日、「2024年から食品中の放射能濃度(セシウム137) の残留基準は、極めて高濃度に設定されました。特に水は以前の25万倍です」という情報が拡散した。投稿には「事故前(H20年度)の食品放射線量」と「厚生労働省H24年度基準値」を比較した表が添付されている。 2025年1月17日現在、この投稿は1000件以上リポストされ、表示回数は20万回を超える。投稿について「ゴールをずらすってやつ」「こうでもしない限りあちこちで基準値超えがでてくる」というコメントの一方で「注釈ちゃんと読んだ?」と間違いを指摘する声もある。 検証過程 基準値の変更は2012年 拡散した情報には「2024年に変更された」とあるが、添付された画像を確認すると「事故前(H20年)」と比較して「H24年度基準値」とある。西暦では「2012年度」となり、単純な間違いだ。検証対象の投稿をしたアカウント

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
米フロリダ州の調査でコロナワクチンが生物兵器と判明? ニュースを誤読【ファクトチェック】

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アメリカ・フロリダ州の調査で新型コロナワクチンが生物兵器だと判明したという情報が拡散しましたが、誤りです。根拠とされているニュースは共和党員から「ワクチンは生物兵器で違法にせよ」と州知事に訴える動きがあると伝えたものです。 検証対象 2025年1月13日、Xでアメリカのニュース映像に日本語で「フロリダ州の調査で、新型コロナワクチンが生物兵器であることが判明しました」と書かれた投稿が拡散した。 この投稿は、30万を超す閲覧と2800以上のリポストがあり、「全てのワクチンは人口削減兵器」「日本でも報道してほしい」といったコメントがついている。 コミュニティノートがついて「フロリダの調査で判明ではなく、フロリダのブラバード郡の共和党の執行部が、何かに基づいて、そういう主張をしているに、すぎません」と指摘している。 検証過程 映像は米フロリダ州CBS系列局のニュース 日本ファクトチェックセンター(JFC)は、投稿のニュース映像を確認した。映像の中に見えるCBS12やI-TEAMでGoogle検索するとフロリダ州のWPECというCBS系列局のニュースである

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