マイナンバーカードでの本人確認が禁止される?まとめサイトによるもの【ファクトチェック】

「マイナンバーカードでの本人確認を禁止」との投稿が拡散しましたが、誤りです。拡散した投稿はまとめサイトのもので、見出しは掲示板サイトのスレッドタイトルを引用しているだけです。警察庁はマイナンバーカードの画像を送信して本人を確認する方法を2027年4月に廃止する方針です。
検証対象
2025年2月27日、「マイナンバーカードでの本人確認を禁止、偽造カードで銀行口座やクレカの不正取得が相次ぐ」との投稿が拡散した。
投稿は3月3日時点で2500件以上のリポストと70万件以上のインプレッションを獲得している。「役立たずのカード」「何の為にマイナカード作ったんだか?」などのコメントが付く一方で、「正しくはマイナンバーカードの画像での本人確認ね」との指摘もある。
検証過程
検証対象のリンクは、まとめサイト「Tweeter Breaking News —ツイッ速!」の記事だ。タイトルは掲示板サイト5ちゃんねるのスレッド「マイナンバーカードでの本人確認を禁止、偽造カードで銀行口座やクレカの不正取得が相次ぐ」で、NHKが2025年2月27日に配信した記事「マイナンバーカード画像送信で本人確認 再来年廃止へ 警察庁」が引用元だとしている。
NHKの記事は、銀行口座開設時などに免許証やマイナンバーカードを撮影したり、コピーを郵送したりして本人確認する方法について、なりすましによる犯罪が相次いでいる。そのため、警察庁は、このような非対面での本人確認を2027年4月に廃止する方針を固めたという内容だ。
警察庁も「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令案」としてパブリックコメントの募集を開始している他、NHK以外のメディアもこの方針を報じている(読売新聞、朝日新聞)。
「マイナンバーカードでの本人確認を禁止」とは書いていない。マイナンバーカードに内蔵されたICチップの情報を読み取る本人確認方法は引き続き認める方針だと報じている。
判定
「マイナンバーカードでの本人確認を禁止」は誤り。マイナンバーカードを撮影して送信したり、コピーを郵送したりする方法での本人確認が廃止されるのは事実だが、ICチップの情報を読み取る形での本人確認方法は継続される方針だ。
あとがき
日本ファクトチェックセンター(JFC)では、これまでにもまとめサイトから拡散した情報を多数検証し、その全てを「誤り」及び「不正確」と判定しています。



検証:リサーチチーム
編集:宮本聖二、古田大輔、藤森かもめ
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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