木村拓哉氏「国会議員を選び直して貰いたい」と日本国民にお願い?【ファクトチェック】
俳優の木村拓哉氏が「国会議員を選びなおしてもらいたい」と日本国民にお願いしたという言説が拡散しましたが誤りです。引用された文言はドラマのセリフです。
検証対象
2024年7月6日、「木村拓哉から日本国民にお願いがあります『国民の皆様に国会議員を選び直して貰いたいんです』」「首都『東京』の都知事って国会議員より権力がありますからね。小池百合子だけは駄目です」という言説が拡散した。
2024年7月19日現在、投稿は4100件以上リポストされ、表示回数は446万件を超える。投稿について「いいぞキムタク」「木村拓哉が、小池百合子だけは駄目だと」というコメントの一方で「昔主演してたドラマのワンシーン」と指摘する投稿もある。
検証過程
日本ファクトチェックセンター(JFC)は、木村氏が「国会議員を選びなおしてもらいたい」と発言したかどうかについて調べた。拡散した言説のリンクを確認すると、独立系メディアを名乗る「NewsSharing」というサイトに繋がる。サイトには「ソース」と書かれた欄はあるが、リンクがないため情報源や引用元を確認することができない。
文言は2008年に放送されたドラマのセリフ
拡散した言説の文言をGoogle検索すると、ドラマ「CHANGE」のセリフと指摘するブログが多数ヒットする。
「CHANGE」は2008年5月からフジテレビ系で放送された木村氏主演のドラマ。政治にまったく興味を持っていなかった小学校教師の朝倉啓太(木村拓哉氏)がある事情で議員、総理大臣へとかつぎ出される内容となっている(「CHANGE」番組紹介より)。
JFCは、拡散した投稿について、ドラマのセリフと一致するかどうかをDVDで確認した。「CHANGE」の最終話に、木村氏が演じる朝倉啓太が国民に向けて語りかける場面がある。該当部分(1時間7分から)は以下の通りだ。
「衆議院を解散し、もう一度総選挙で、国民のみなさんに国会議員を選び直していただきたいんです。
(中略)
今、僕は確信持ってはっきり皆さんに言えます。あなたの一票は、政治を、この世の中を変えることができると」
ドラマで、木村氏が演じた朝倉啓太のセリフが拡散した動画、文言と一致する。
また、このドラマが制作されたのは、小池百合子氏が1期目の都知事に就任するよりも8年前のことだ。
判定
引用された文言は木村氏が2008年に出演したドラマの作中のセリフであり、木村氏本人の発言ではない。よって「木村拓哉から日本国民にお願い」は誤りと判定した。
検証:木山竣策
編集:宮本聖二、野上英文、藤森かもめ
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。検証記事を広げるため、X、Facebook、YouTube、Instagramでのフォロー・拡散をよろしくお願いします。毎週、ファクトチェック情報をまとめて届けるニュースレター登録(無料)は、上のボタンからどうぞ。
また、QRコード(またはこのリンク)からLINEでJFCをフォローし、気になる情報について質問すると、AIが関連性の高い過去のJFC記事をお届けします。詳しくはこちらの記事を。