石破首相が最初に訪問した外国は中国?ASEAN首脳会議でラオスを訪問【ファクトチェック】
「石破は総理になり、最初に訪問したのは中国」という言説が拡散しましたが、誤りです。石破茂首相が就任後に初めて訪れた海外は、中国ではなくラオスです。東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議に出席しました。
検証対象
2024年10月12日、「石破は総理になり、最初に訪問したのは中国、慣例として、総理となり第一に訪問する国は、総理が一番親密にしたい国。あり得ない訪問国であり、訪中しても鬼畜習近平にも会えず、適当に待遇され、帰国」というX(旧Twitter)の投稿が拡散した。
この投稿は、10月15日現在18万を超える閲覧数と2300以上のリポストがある。「石破の外交センスの無さが炸裂してしまったようです」「親中、親韓総裁だから驚きはないけど、同盟国である米国から見たら面白くないと思った」といったコメントのほか「ラオスで李強首相と首脳会談したんでしょう」と中国訪問を誤りだと指摘する書き込みがついている。
検証過程
石破首相は10月10日、就任後初の外遊でラオスを訪問し、午前11時40分(日本時間午後1時40分)から約1時間、首都ビエンチャンで開催された日・ASEAN首脳会議に出席した(外務省)。
また、同じ日の午後7時30分(現地時間)から約30分間、中国の李強首相と首脳会談し、東シナ海の情勢や日本周辺で活発化している中国軍の活動への深刻な懸念を伝えた(NHK)。
中国には首相就任後は訪問していない。
判定
「石破は総理になり、最初に訪問したのは中国」という言説が拡散したが、誤り。石破首相の就任後初の訪問先は、中国ではなくラオス。ASEANの首脳会議に出席し、その後、中国の李強首相と首脳会談をした。
あとがき
10月15日、衆議院選挙が公示されました。政党や立候補者に関する偽・誤情報が一層拡散すると考えられます。誤った情報に基づいて判断して投票先を選んでしまうと選挙結果に悪影響を及ぼし、民主主義を毀損しかねません。選挙公報や政党のウェブサイト、マスメディアの報道など複数の情報源で確かめることが大切です。
JFCでは、選挙の際に気をつけるべきポイントについて解説記事を公開しています。ぜひ、参考にしてください。
検証:宮本聖二
編集:藤森かもめ、古田大輔
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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