兵庫・百条委員会が議事録をすべて破棄? 県議会サイトで公開【ファクトチェック】(追記あり)
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兵庫県の斎藤元彦知事がパワハラの疑いなどで告発された問題で、調査をしている県議会百条委員会が、議事録を公開せずにすべて破棄したという情報が拡散しましたが、誤りです。議事録は県議会のウェブサイトで公開されています。
検証対象
2025年2月18日、兵庫県議会の百条委に関して、「百条委員会の議事録は全部破棄ってホントですか? 全部公開されずに破棄? 兵庫県議員アタマオカシイやろ」という情報が拡散した。
この情報に対して「百条委員会に使った金は委員に全部払ってもらうしかないな」「そもそも百条委員会がデマだったということか」などのコメントがついているほか「兵庫県文書問題会議録で全部見ることできるけど」と疑問を投げかけるものがある。
検証過程
兵庫県議会は2024年6月13日、地方自治法百条に基づいて斎藤知事のパワハラ疑惑などを調べる「文書問題調査特別委員会(通称:百条委員会)」を設置した。
6月14日から始まった委員会は、2025年1月27日まで計15回開かれている。県議会は、12月25日の分を除く、計14回分を 議会検索システムで公開している。「会議録の閲覧」から「文書問題調査特別委員会」を選ぶと読むことができる。
委員会の様子については、映像でも公開している(兵庫県議会「インターネット中継のお知らせ」)。
日本ファクトチェックセンター(JFC)は兵庫県議会議事課に取材した。12月25日の委員会については、内容を精査して議事録を作成中だという。
議事録の公開について、「秘密会」と呼ばれる非公開の証人尋問は伏せられている。文書問題調査特別委員会の運営要領には「公開することにより事実関係が解明できないおそれがあるとき、個人のプライバシーに関わるとき等は、委員会の議決により秘密会とす ることができる」と規定されているからだ。
ただ、この秘密会の部分も議事録を作り、保存するという。最終報告書は2025年3月に提出される見込みだ。
判定
兵庫県の百条委員会の議事録がすべて破棄されているという情報は、誤り。議事録は一部を除いて公開されており、非公開の部分も、議事録は保存するという。
検証:宮本聖二
編集:藤森かもめ、古田大輔
追記
JFCの取材に対し兵庫県議会事務局から、議事録は原則30年間保存し、その後も歴史資料として半永久的に保管することになっていると回答がありました。(2025年2月21日追記)
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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