大阪万博のリング、木材の大半は海外産? 7割が国産【ファクトチェック】

前名古屋市長の河村たかし衆院議員が「万博の目玉リング、木の大半は海外産」と投稿しましたが、誤りです。同様の情報はこれまでにも拡散し、設計者自らが否定。公式サイトにも「国産7割、外国産3割」と記されています。
検証対象
2025年4月21日、前名古屋市長の河村たかし氏の「万博の目玉リング、木の大半は海外産だそうで、名古屋城は違います!」という投稿が拡散した。
投稿には河村氏自身のYouTubeアカウントに投稿された動画が添付されている。2025年4月23日現在、動画の視聴回数は6000回超。投稿は1500件以上リポストされ、表示回数は110万件を超える。
検証過程
動画の中で河村氏は、名古屋城の復元について解説。万博の名物となっているリング状の建造物について「全部国産材の名古屋城の木材と全然違いますね」などと発言している。
日本ファクトチェックセンター(JFC)が、大阪・関西万博公式Webサイトを確認したところ、大屋根リングについて「使用木材:(国産)スギ、ヒノキ(外国産)オウシュウアカマツ ※国産が約7割、外国産が約3割」という記載がある。
リングの木材に関して、2月頃から、使用される木材の大半がフィンランド産という言説が広がった。リングを設計した建築家の藤本壮介氏はX上の投稿で「国産材を約68%使用しており事実と異なる」と反論した。
フィンランド産という情報に関しては、読売新聞も記事「大屋根リング「ゆがんでいる」…万博めぐりSNSでデマや不正確な情報、実際は梁も斜めになるよう設計」の中で藤本氏の反論を紹介している。
読売新聞は万博協会にも取材し、「柱に使う集成材にフィンランドやスウェーデンから調達した木材が含まれるとしつつ、『ほぼフィンランド産なんてことはあり得ない』と否定」と報じている。
判定
大阪・関西万博の大屋根リングの木材の7割は国産で、大半が海外産だという情報は誤り。
検証:リサーチチーム
編集:古田大輔
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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