兵庫県の斎藤知事に関する百条委員会 1日1人5万円支給? 委員には手当なし【ファクトチェック】
兵庫県の斎藤元彦知事がパワハラなどの疑いで告発された問題で、調査にあたる百条委員会で委員に1日あたり5万円が支給されるという言説が拡散しましたが、誤りです。委員長と副委員長に手当(月額で委員長2万5000円、副委員長2万円)が出ますが、他の委員13人に手当はありません。
検証対象
2024年11月25日、「百条委員会は1日1人5万が支給されます。年度末までやるんだって。税金のムダ使い。」という言説が拡散した。
この言説には誤りを指摘する投稿もあり、27日現在は削除されているが、同じような内容が多数拡散している(例1、例2)。
これらの言説に対して「税金の使い道を決める議員が、その使い道をきちんと説明できない」や「本当なら兵庫県民の方は無駄な税金を茶番で使われてることに抗議したほうがいいのでは?」などのコメントがついている。
検証過程
兵庫県議会は6月13日、地方自治法百条に基づいて斎藤知事のパワハラ疑惑などを調査する「文書問題調査特別委員会(通称:百条委員会)」を設置した。委員は兵庫県議会議員から15人が任命された(文書問題調査特別委員会名簿)。
日本ファクトチェックセンター(JFC)が、百条委を担当する議会事務局に取材した。「委員一人1日あたり5万円の手当」という言説は誤りだという。
「百条委員会『文書問題調査特別委員会』の委員に特別な手当はない。委員長を務める奥谷謙一県議と副委員長の岸口みのる県議の二名は、1ヶ月あたり2万5000円、2万円の手当が支給されるがこれは議会の他の委員会の正副委員長の手当と同額。委員には旅費が出るがこれも県議会の他の委員会と同様だ」
また、6月14日の第1回委員会に提出された資料には、法的アドバイザー(弁護士)、アンケート関係経費、会議記録作成費用など調査経費を500万円以内にすると書かれている(文書問題調査特別委員会運営要領案)。
判定
斎藤知事のパワハラなどの疑いの調査にあたる百条委員会で、委員に1日あたり5万円が支給されるという言説は、誤り。開催ごとの旅費のほかは、委員長と副委員長に手当(委員長2万5000円、副委員長2万円)が出るが、他の委員に手当はない。
あとがき
JFCでは他にも兵庫県知事をめぐる偽・誤情報について記事を公開しているので参考にしてください。
検証:宮本聖二
編集:古田大輔
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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