立花氏襲撃事件/千葉県知事選の投票率/2億円の万博トイレ?/政治やメディアの信頼 日本が最下位【今週のファクトチェック】

立花氏襲撃事件/千葉県知事選の投票率/2億円の万博トイレ?/政治やメディアの信頼 日本が最下位【今週のファクトチェック】

立花孝志氏の襲撃事件をめぐって、容疑者が中国語を話したという偽情報が拡散しました。選挙のたびに、その正当性を疑わせるような主張が出てきます。世界各国における「信頼」を調査する25年目となるエデルマン・トラストバロメーター。2025年版で日本は最下位となりました。

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JFCからのニュース

情報インテグリティシンポジウムを4月2日開催 お申し込みはこちら

毎年4月2日の国際ファクトチェックデーに合わせ、一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)/日本ファクトチェックセンター(JFC)は、情報インテグリティシンポジウム「ファクトチェックとメディアリテラシー -調和のある情報空間を目指して-」を開催します。申し込みはこちらの記事から。

情報インテグリティシンポジウムを4月2日開催 お申し込みはこちら
毎年4月2日の国際ファクトチェックデーに合わせ、一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)/日本ファクトチェックセンター(JFC)は、情報インテグリティシンポジウム「ファクトチェックとメディアリテラシー -調和のある情報空間を目指して-」を開催します。 会場となる慶応大学グローバルリサーチインスティテュートとの共催で、ライブストリーミングありのハイブリッド形式。多様な登壇者による議論で、ファクトチェックとメディアリテラシーの普及、偽情報対策の促進を目指します。 また、電通総研と共同実施した情報インテグリティ調査の概要やファクトチェックやメディアリテラシー教育の普及の現状なども発表します。 シンポジウム概要 日時:2025年4月2日(水) 14時00分~16時30分 場所:慶応大学 ※JFCのYouTubeアカウントでライブ配信 プログラム 開会あいさつ(14:00-14:05) 中妻照雄 氏(慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート 所長 慶應義塾大学経済学部 教授) 基調講演1: 情報インテグリティ調

今週の解説

政府・企業・NGO・メディアへの信頼、日本は最下位に 低所得層で広がる「不満と憤り」が社会を不安定に

世界各国で「信頼」がどう変化しているのかを調べる毎年恒例の「エデルマン・トラストバロメーター」2025年版が公開されました。今回で25回目。世界中で政府や企業やメディアなどあらゆる組織への信頼が低下する傾向がますますはっきりしています。背景にあるのは低所得層を中心とする「不安と憤り」です。

政府や企業やメディアやNGOなどからの情報を信じられなくなれば、そこに、デマや陰謀論が広がる隙間が生まれます。日本を含む世界28カ国で33000人超を対象としたエデルマンの調査(実施期間:2024年10月25日〜11月16日)から不信の原因と対策を紹介します。

政府・企業・NGO・メディアへの信頼、日本は最下位に 低所得層で広がる「不満と憤り」が社会を不安定に【解説】
世界各国で「信頼」がどう変化しているのかを調べる毎年恒例の「エデルマン・トラストバロメーター」2025年版が公開されました。今回で25回目。世界中で政府や企業やメディアなどあらゆる組織への信頼が低下する傾向がますますはっきりしています。背景にあるのは低所得層を中心とする「不安と憤り」です。 政府や企業やメディアやNGOなどからの情報を信じられなくなれば、そこに、デマや陰謀論が広がる隙間が生まれます。日本を含む世界28カ国で33000人超を対象としたエデルマンの調査(実施期間:2024年10月25日〜11月16日)から不信の原因と対策を紹介します。 世界的な信頼低下の潮流と日本の現状 日本は信頼指数が最下位に 政府、企業、メディア、NGOに対する信頼率(1~100)を平均した「信頼指数」を見ると、日本は2024年が39で28カ国中27位、2025年は37で最下位と悪化しました。 選挙で政府の指導者が交代した国の多くで信頼指数が下がっていたと調査は指摘しています。 日本はもともと信頼指数が低い傾向があります。これは自分たちに対して厳しい評価を下しがちな国

今週のファクトチェック

立花孝志氏を襲撃した容疑者が中国語を話していた? 日本語で会話

政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏を襲って重傷を負わせた男が事件直後に中国語で話していたという情報が拡散しましたが、誤りです。音声が聞きにくかったり、中国語のキャプションつきだったりする動画も拡散していますが、実際には日本語で話しています。

立花孝志氏を襲撃した容疑者が中国語を話していた? 日本語で会話【ファクトチェック】
政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏を襲って重傷を負わせた男が事件直後に中国語で話していたという情報が拡散しましたが、誤りです。音声が聞きにくかったり、中国語のキャプションつきだったりする動画も拡散していますが、実際には日本語で話しています。 検証対象 2025年3月16日以降、立花氏を襲撃した容疑で逮捕された容疑者の男が事件直後に中国語で受け答えしているとの主張が拡散した(例1、例2)。 拡散した投稿には動画が添付されている。事件直後の容疑者に話しかける言葉に容疑者が「だって…」と反応する。それに対して男性が「だって何だよ、言ってみろ」と問いかけると、容疑者は何かを話している。 投稿によっては中国語のキャプションを付けているものもある。これらの投稿は数千件・数万件のリポストを獲得するなど大きく拡散した。「中国人の侵略はもう始まっている」「中国人の抗争動画ではナタを使ってた」などのコメントが付く一方で、加工された動画との指摘もある。 検証過程 立花孝志氏に対する襲撃事件 2025年3月14日、千葉県知事選に立候補していた立花氏が、東京・

2025年千葉県知事選の投票率は17%? 実際は31.93%

2025年の千葉県知事選投票率17%という情報が拡散しましたが、誤りです。17%は当日の投票率で、期日前投票も含んだ全体の投票率は31.93%です。

2025年千葉県知事選の投票率は17%? 実際は31.93%【ファクトチェック】
2025年の千葉県知事選投票率17%という情報が拡散しましたが、誤りです。17%は当日の投票率で、期日前投票も含んだ全体の投票率は31.93%です。 検証対象 2025年3月16日、「投票率たったの17%らしいね…自分の住む場所なのに、なぜ選挙に行かないんだろう」という情報が拡散した。 2025年3月19日現在、この投稿は4300件以上リポストされ、表示回数は266万回を超える。投稿について「千葉終わったね」「そりゃ現職が強いはずだ」というコメントの一方で、「17%は当日分ですかね」という指摘もある。 検証過程 投票率は31.93% 2025年3月16日投開票の千葉県知事選は、無所属で現職の熊谷俊人氏(47)が約140万票を獲得し2回目の当選を果たした(NHK)。 千葉県は投票結果をサイトで公表している。「千葉県知事選挙 投票調 確定投票結果(20:00現在)」によると、今回の選挙における全体の投票率は31.93%だ。4年前の前回選挙より7.06%低くなっている。 17%は期日前を除いた当日の投票率 千葉県の選挙管理委員会が発表していた当日

プーチン大統領と習国家主席が米ウ首脳会談を一緒に観た? 過去の動画を加工

ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席が、2025年2月米ワシントン・ホワイトハウスで開かれた米国・ウクライナ首脳会談でのトランプ、ゼレンスキー両大統領の口論を一緒に観たかのような動画が拡散しましたが、誤りです。動画は2018年6月にプーチン大統領が訪中した際の映像を加工したものです。

プーチン大統領と習国家主席が米ウ首脳会談を一緒に観た? 過去の動画を加工【ファクトチェック】
ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席が、2025年2月米ワシントン・ホワイトハウスで開かれた米国・ウクライナ首脳会談でのトランプ、ゼレンスキー両大統領の口論を一緒に観たかのような動画が拡散しましたが、誤りです。動画は2018年6月にプーチン大統領が訪中した際の映像を加工したものです。 検証対象 2025年3月17日、「プーチンと習近平が一緒に トランプとゼレンスキーが 揉めた 会談動画を観ているのが シュールだな」などと主張する投稿が拡散した。 投稿には動画が添付され、テーブルを挟んで向かい合うプーチン大統領と習主席が映像を観ている様子が映っている。二人が観ている動画にはトランプ、ゼレンスキー両大統領が口論している姿が映っている。 投稿は3月19日時点で1000件以上のリポストと25万件以上のインプレッションを獲得した。 「一緒に見てるの素晴らしい👍歴史的瞬間ですね」「G7は終わる 米中ロのBIG3ができるかもね」などのコメントが付く一方、「フェイク」との指摘もある。 拡散した動画と同一のものは、YouTube(例1、例2)やTikTok(例

トランプ大統領が「日本国民の血税の使われ方を追究すべき」と発言? まとめサイトによるもの

トランプ大統領が「日本国民の血税の使われ方を追究すべき」と発言したという情報が拡散しましたが、誤りです。拡散した投稿はまとめサイトのもので、見出しは一般ユーザーのXの投稿です。トランプ氏のソーシャルメディアへの投稿やニュースにはそのような発言はありません。

トランプ大統領が「日本国民の血税の使われ方を追究すべき」と発言? まとめサイトによるもの【ファクトチェック】
トランプ大統領が「日本国民の血税の使われ方を追究すべき」と発言したという情報が拡散しましたが、誤りです。拡散した投稿はまとめサイトのもので、見出しは一般ユーザーのXの投稿です。トランプ氏のソーシャルメディアへの投稿やニュースにはそのような発言はありません。 検証対象 2025年3月14日、トランプ大統領が、日本国民の血税の使われ方を追究すべきと発言したという情報が拡散した。 2025年3月18日現在、投稿は2万回以上リポストされ、表示は948万回を超える。投稿には「徹底的にやっていただきたい」「革命起きそう」などのコメントのほか、根拠不明だという指摘もある。 検証過程 トランプ氏のコメントなしの動画 検証対象のリンクは、まとめサイト「Tweeter Breaking News-ツイッ速!」の記事だ。 タイトル「【トランプ大統領が、驚くべき声明を発表】『徹底的に日本人国民の血税の使われ方を追究するべき!如何なる犯罪組織も徹底的に逮捕・処刑しないといけない事態だ!』」は一般ユーザーのXの投稿で、トランプ氏の画像に日本語のナレーションとテロップ入りの1

小泉進次郎氏「日本人には大学不要、ライドシェアで稼げ」と発言? まとめサイトによるもの

自民党の小泉進次郎衆議院議員が「日本人には大学不要、ライドシェアで稼げ」などと発言したという情報が拡散しましたが、誤りです。発言を歪曲しています。

小泉進次郎氏「日本人には大学不要、ライドシェアで稼げ」と発言? まとめサイトによるもの【ファクトチェック】
自民党の小泉進次郎衆議院議員が「日本人には大学不要、ライドシェアで稼げ」などと発言したという情報が拡散しましたが、誤りです。発言を歪曲しています。 検証対象 2025年3月18日、小泉進次郎氏が「日本人には大学不要、中国人の留学費用は負担。日本人はライドシェアで稼げ」と発言したとする投稿が拡散した。投稿には、まとめサイト「JAPAN NEWS NAVI」のリンクがある。 3月19日現在、この投稿には、1万を超えるリポストがあり、65万以上の閲覧を獲得している。「ライドシェア自分で試してみたら」「自国民より外国人を優先する政策ですか」といったコメントのほか、「交通空白地と呼ばれる地域の解消に向けて普及が促されている」と指摘するものもある。 検証過程 検証対象の投稿のリンクは、まとめサイト「JAPAN NEWS NAVI」の記事だ。この記事は「日本人:奨学金返済が大変⇒小泉:大学に行くのが全てじゃない」というXの投稿を引用元にして、「JAPAN NEWS NAVI」は「日本人には大学不要」と言うタイトルをつけている。 引用元の投稿には「解雇規制を無くし、

2億円かけて作られた万博のトイレ? 画像は一部

大阪・関西万博について「2億円かけて作られた万博のトイレ」という画像が拡散しましたが、ミスリードで不正確です。画像はトイレの一部分で、トイレ建設の平米単価は一般的な公衆トイレを下回っています。

2億円かけて作られた万博のトイレ? 画像は一部【ファクトチェック】
大阪・関西万博について「2億円かけて作られた万博のトイレ」という画像が拡散しましたが、ミスリードで不正確です。画像はトイレの一部分で、トイレ建設の平米単価は一般的な公衆トイレを下回っています。 検証対象 2025年3月10日、「2億円かけて作られた万博のトイレだそうです。さすがに我慢の限界です。怒りで震えています。明細を国民に見せて下さい」という画像付き投稿が拡散した。 2025年3月14日現在、この投稿は3.5万件以上リポストされ、表示回数は2500万回を超える。 このトイレを巡る画像は他にも拡散している(例1、例2)。投稿について「本当に2億なのか?」「一体どうやったら2億円になるんだ?」というコメントがついている。 検証過程 拡散した画像は「トイレ5」 大阪・関西万博では会場内のトイレや休憩所など20施設のデザインを若手建築家が担当している。全施設の完成予想図は大阪万博公式サイトのプレスリリース(2024年5月30日)で確認できる。 今回拡散した画像は、米澤隆建築設計事務所が設計した「トイレ5」の一部を撮影した写真だ。下記の完成予想図の赤

CIAのアレックス・メイソンがケネディ大統領の射殺犯だった? ゲームキャラを用いた冗談

2025年3月18日、米国は1963年のケネディ大統領暗殺事件で非公開だった機密文書を公開しました。関連して「CIAエージェントのアレックス・メイソンがケネディ大統領の射殺犯だった」とする主張が拡散しましたが、誤りです。アレックス・メイソンは米ソ冷戦を題材にしたゲームに登場する架空のキャラクターで、最初にこの主張をした海外のネットユーザーも冗談だと認めています。

CIAのアレックス・メイソンがケネディ大統領の射殺犯だった? ゲームキャラを用いた冗談【ファクトチェック】
2025年3月18日、米国は1963年のケネディ大統領暗殺事件で非公開だった機密文書を公開しました。関連して「CIAエージェントのアレックス・メイソンがケネディ大統領の射殺犯だった」とする主張が拡散しましたが、誤りです。アレックス・メイソンは米ソ冷戦を題材にしたゲームに登場する架空のキャラクターで、最初にこの主張をした海外のネットユーザーも冗談だと認めています。 検証対象 2025年3月19日、経済アナリストでインフルエンサーの藤原直哉氏が自身のXアカウントで「JFK ファイルからの速報です。CIA エージェントのアレックス・メイソンが、この現場で 2 人目の射殺犯だったことが明らかになりました。アレックス・メイソンと JFK の写真が公開されました」「アレックス・メイソンは1989年に任務中に殺害され、遺体は発見されなかった」などと主張する投稿をした。 投稿は英語の投稿を引用している。藤原氏は引用元をそのまま翻訳したとみられる。投稿は1600件以上のリポストと70万件以上のインプレッションがある。 「以前から言われていたように CIAが絡んでいたと 答え

今週のJFC動画

兵庫県百条委告発7つを全否定?

兵庫県・斎藤元彦知事に関する県議会の百条委員会が、告発された7項目全てを否定したという情報が拡散しましたが、誤りです。根拠とされたテレビ画像は加工されています。

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杉田水脈氏「人権審判の判定は受けてません」 発言は「誤り」(朝日新聞)

アイヌや在日コリアンの人々に関するブログへの投稿をめぐって、杉田水脈前衆院議員が、法務省による人権侵犯認定を否定する発言をしました。朝日新聞が杉田氏のその発言をファクトチェックしました。

杉田水脈氏「人権侵犯の認定は受けておりません」 発言は「誤り」:朝日新聞
■【自民党の杉田水脈・前衆院議員の発言】 「(法務局から)人権侵犯の認定は受けておりません。啓発を行って執行を猶予するということが書かれた文書をいただいているので、人権侵犯認定されたのは違うということ…

土葬って「不衛生」?  日本が火葬文化になったワケ(河北新報)

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宮城県が宗教上の理由で土葬を必要とする人向けに検討中の土葬可能な墓地の整備に関し、ネット上では「日本が火葬文化になった歴史を勉強していない」などといった指摘が相次いでいます。国内で火葬が普及した経緯…

国は審査していないのに… 自由診療の“再生医療” 広告に注意(NHK)

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兵庫県知事選以降、SNSでは誹謗中傷や虚偽を含む動画が拡散しました。似たような動画が大量に作られ、拡散する背景に何があるのか?取材しました。兵庫県知事選を巡っては、立花孝志氏の動画などがネット上に拡散…

「認知戦」巡り日米の元政府高官らが議論…「偽情報といかに戦うか」笹川・読売グローバルフォーラム(読売新聞)

笹川平和財団と読売新聞社が認知戦に関する国際フォーラムを開催しました。日米の元政府高官や専門家が登壇し、中国やロシアによる偽情報拡散の現状と対策について議論しました。

「認知戦」巡り日米の元政府高官らが議論…「偽情報といかに戦うか」笹川・読売グローバルフォーラム
【読売新聞】 笹川平和財団と読売新聞社は11日、情報を操作して自国に有利な状況を作り出す「認知戦」に関する国際フォーラムを東京都内で開催し、日米の元政府高官や専門家が意見を交わした。中国やロシアが民主主義陣営の分断を図るため、偽情報


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ヒカキン氏「サリンは撒かれてよかったと思う」と発言? 捏造した画像【ファクトチェック】

ヒカキン氏「サリンは撒かれてよかったと思う」と発言? 捏造した画像【ファクトチェック】

YouTuberのヒカキン氏が「サリンは撒かれてよかったと思う」と発言したという情報が拡散しましたが、誤りです。ヒカキン氏は過去にそのような投稿をしていません。投稿したアカウントは過去にもヒカキン氏の誤情報を拡散しています。 検証対象 2025年4月22日、「麻原大好きなHIKAKINマジでエグい」という文言と共に、ヒカキン氏のXアカウントが「サリンは撒かれて良かったと思う 今の政治は日本の魚介ぐらい終わってるからな みんなも今は亡き真の聖人麻原様に敬意を払おう」と発言しているかのような画像付き投稿が拡散した。 2025年4月24日現在、この投稿は1000件以上リポストされ、表示回数は615万回を超える。投稿について「ヒカキンさんを見る目が変わったわ」「これガチならエグすぎる」というコメントの一方で「HIKAKINの名を使ってこの記事はやり過ぎ」という指摘もある。 検証過程 投稿主は過去にも誤情報を拡散 今回拡散した投稿を発信した「麻原彰晃名言bot」は、オウム真理教の元代表麻原彰晃(本名・松本智津夫)元死刑囚の名言を紹介するbotを名乗っている。

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日本は車の安全試験でボンネットにボウリング球を落とす?  過去に否定された誤情報【ファクトチェック】

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アメリカのトランプ大統領が各国との関税交渉に関連して、非関税障壁の一例として日本ではボウリング球を車に落とす安全試験があると主張しましたが、誤りです。過去にも検証された誤情報です。 検証対象 4月20日、トランプ氏は自らが設立したソーシャルメディアTruth Socialで各国の非関税障壁の例を8つ記して投稿した。6番目に「Protective Technical Standards(保護技術基準)」として「Japan’s bowling ball test(日本のボウリング球テスト)」を挙げている。 検証過程 トランプ氏は、大統領1期目の2018年に同様の発言をしていた。ワシントンポストの当時の記事によると、日本では車体の耐久性を確認するために「ボーリング球テスト」があり、「車のボンネットに20フィート(約6メートル)の高さからボウリング球を落としてへこんだら不合格になる」と演説したという。 ボウリングボールを落とすテストはない 国土交通省によると、日本の自動車の製造・販売業者は、国が定める安全や環境の基準について、43項目の審査に合格したうえで

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大阪万博のリング、木材の大半は海外産? 7割が国産【ファクトチェック】

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前名古屋市長の河村たかし衆院議員が「万博の目玉リング、木の大半は海外産」と投稿しましたが、誤りです。同様の情報はこれまでにも拡散し、設計者自らが否定。公式サイトにも「国産7割、外国産3割」と記されています。 検証対象 2025年4月21日、前名古屋市長の河村たかし氏の「万博の目玉リング、木の大半は海外産だそうで、名古屋城は違います!」という投稿が拡散した。 投稿には河村氏自身のYouTubeアカウントに投稿された動画が添付されている。2025年4月23日現在、動画の視聴回数は6000回超。投稿は1500件以上リポストされ、表示回数は110万件を超える。 検証過程 動画の中で河村氏は、名古屋城の復元について解説。万博の名物となっているリング状の建造物について「全部国産材の名古屋城の木材と全然違いますね」などと発言している。 日本ファクトチェックセンター(JFC)が、大阪・関西万博公式Webサイトを確認したところ、大屋根リングについて「使用木材:(国産)スギ、ヒノキ(外国産)オウシュウアカマツ ※国産が約7割、外国産が約3割」という記載がある。 リング

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新型コロナのレプリコンワクチンは死亡率がファイザー製の75倍? 元資料の誤読【ファクトチェック】

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新型コロナのワクチンについて、レプリコンはファイザー製に比べて死亡率が75倍だという情報が拡散しましたが、誤りです。厚労省の資料をもとに主張していますが、これは副反応疑いの件数で因果関係が立証されたものではなく、また、死亡報告2件は、のちに製造元が「ワクチンとの因果関係を医師が否定した」という理由で報告を取り下げています。 検証対象 2025年4月17日、「レプリコンはファイザー製の75倍の死亡率」という投稿が拡散した。投稿には表も添付され、製薬会社ごとに接種者の「重篤」と「死亡」の報告数の比率を比べている。 4月21日現在、8万2000を超える閲覧と1200のリポストがついている。「こんなもん国民に打たせるな」「ワクチンじゃない、殺人兵器だ!!」などの他「真面目に副作用報告を収集しているから副作用発現率が高く見えてる可能性がありますね」という指摘もある。 検証過程 レプリコンワクチンとは レプリコンワクチンは、日本の製薬企業Meiji Seikaファルマが開発製造しているmRNAワクチン。mRNAが体内で複製されて増えるため、従来のmRNAワクチ

By 宮本聖二

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は5月28日(日)午後2時~3時半で、お申し込みはこちら。 https://jfcyousei0518.peatix.com/view 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのよう

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

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日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

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