USAIDが日本のメディアを操作?/女性へのAED使用で訴えられる?【今週のファクトチェック】

「女性にAEDを使うと訴えられる」という情報がたびたび拡散します。ほぼありえないリスクを考慮して、女性の命を危険にさらすことになります。アメリカから広がったUSAIDデマが日本にも。背景も含めて解説しました。
日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。
今週の解説記事
繰り返し拡散する「女性にAED使用で訴えられる」 警察や弁護士の解説による正しい知識で救命を
男性が女性にAEDを使うと「性被害などで訴えられるリスクがあるので、使わない方がよい」と呼びかける情報が、何度も拡散しています。
そのためにAED使用をためらってしまうと、女性の命を脅かす事態を招きかねません。日本ファクトチェックセンター(JFC)は警察や専門家への取材で、AED使用をめぐる現状をまとめました。

「USAIDが日本メディアを操作」 デマ拡散の背景にある報道不信
「USAIDは世界中のメディアに資金提供」「言論操作している」などの情報が世界中に拡散しました。その多くはすでに検証されていますが「日本メディアも関係している」というリストまで出回りました。何が事実で何が誤りか。デマが拡散する背景も含めて解説します。

今週のファクトチェック
USAIDの年間予算で命に関わる支援活動は5%?人道・健康支援の支出は約4割
USAID(アメリカ国際開発庁)の年間予算のうち「命に関わる支援活動はたったの5%」と主張する投稿が拡散しましたが、誤りです。USAID2023会計年度の見積もりによると、人道支援や健康への支出は4割を占めます。

水仙の致死量は10g? マウスの実験結果でヒトの致死量ではない
「スーパーの野菜売り場に水仙が並んでいた」「水仙の致死量は10g」という投稿がありましたが、誤りです。マウスの実験では、体重1kgあたり10gを口から摂取した時に半数が死亡するというデータがありますが、人間のものではありません。人間の致死量データは確認できず、投稿者も翌日に訂正しています。

埼玉県でインボイス廃止が可決? 廃止の意見書を県議会が可決
「埼玉県でインボイス制度が廃止された」という情報が拡散しましたが、誤りです。埼玉県議会本会議が「適格請求書等保存方式(インボイス制度)の廃止等を求める意見書」を可決しましたが、制度が廃止になったわけではありません。

放射線育種米に注意? あきたこまちRへの誤解
新品種のコメ「あきたこまちR」が「放射線育種米なので注意」という主張が拡散していますが、誤りです。コシヒカリの種子に放射線を照射した品種を使うもので、生育中の水稲や収穫後のコメに直接放射線を照射するものではありません。

兵庫・百条委員会が議事録をすべて破棄? 県議会サイトで公開
兵庫県の斎藤元彦知事がパワハラの疑いなどで告発された問題で、調査をしている県議会百条委員会が、議事録を公開せずにすべて破棄したという情報が拡散しましたが、誤りです。議事録は県議会のウェブサイトで公開されています。

兵庫・迎山県議 「私を批判すれば国民にツケが回る」と発言? コメントを歪曲
兵庫県の迎山志保県議が「私を批判すれば国民にツケが回る」などと発言したという情報が拡散しましたが、不正確です。公人に向けた批判に対する迎山県議のコメントを歪曲したものです。

今週のJFC動画
「女性にAEDを使うと訴えられる」は本当?必要な時にはためらわずに使いましょう。
その他の関連記事
偽動画で小池都知事に非難コメント殺到、知事選告示日までに65万回閲覧…真偽検証は「時間との勝負」(読売新聞)
去年6月の東京都議会議員選挙の際拡散した情報について、JFCがどのように検証に取り組んだかを読売新聞が取材しました。

政治系切り抜き動画 総再生数35億超 誰が何のために?(NHK)
政治家の発言を切り抜いて、文字などを載せて編集する“切り抜き動画”。近年、選挙の際にも話題になり、影響力が増しているとされています。こうした動画を主に配信するチャンネルはここ数年で急増。NHKが調べたところ、総再生数は35億回にも上っていました。

ロシア発偽情報、ドイツ選挙を翻弄 欧州で介入疑惑相次ぐ(日経新聞)
ドイツ総選挙を控え、ロシア発の偽情報が増加し、政府は対策を強化しています。親ロシア派の組織が世論操作を試み、SNSを通じた過激な表現が懸念されます。

ヴァンス副大統領は間違っている 事実は意見ではない(Full Fact)
アメリカのヴァンス大統領が欧州におけるソーシャルメディア上の規制を「言論の自由への抑圧」などと批判したことに波紋が広がっています。イギリスのファクトチェック団体「Full Fact」は、言論の自由は不可欠との前提の上で、事実が尊重されなければならないと反論しています。

判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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