兵庫県知事選で溢れた偽・誤情報/鳥取県が偽情報監視チーム【今週のファクトチェック】

兵庫県知事選で溢れた偽・誤情報/鳥取県が偽情報監視チーム【今週のファクトチェック】

11月17日投開票の兵庫県知事選挙をめぐって立候補者についての偽・誤情報や根拠のない言説が急増しました。東京都知事選、総選挙とネットで選挙情報を見ることが一般的になった上に、パワハラなどを理由とした失職出直し選という特殊環境が拍車をかけています。

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日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら

JFCからのニュース

JFCファクトチェック講師養成講座 11月の申込はこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。

次回の開講は11月30日で、お申し込みはこちら

受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は11月30日で、お申し込みはこちら。 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのような知識と行動が偽・誤情報対策として有効かを分析し、誰でも無料で視聴できる「ファクトチェック講座」を

ファクトチェックスキルを競うユース国際大会を開催 申し込みはこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)は11~12月、中学生〜大学生を対象に情報を検証するスキルを競う国際大会「Youth Verification Challenge 2024(YVC、日本語名はユースファクトチェック選手権)」をオンライン開催します。2〜3人でチームを組み、国内大会を勝ち抜くと世界大会でアジア各国のチームと決勝を争います。申し込み締め切りは18日です。お早めにどうぞ。

ファクトチェックスキルを競うユース国際大会を開催 申し込みはこちら
日本ファクトチェックセンター(JFC)は11~12月、中学生〜大学生を対象に情報を検証するスキルを競う国際大会「Youth Verification Challenge 2024(YVC、日本語名はユースファクトチェック選手権)」をオンライン開催します。2〜3人でチームを組み、国内大会を勝ち抜くと世界大会でアジア各国のチームと決勝を争います。 ユースファクトチェック選手権2024 -「検索力」を競うファクトチェック世界大会ユース・ファクトチェック選手権(Youth Verification Challenge)は次世代を担う若者たちを対象に、どれだけ正確に、早くインターネットを駆使して情報を収集し検証できるかを競う3ステージに分けて行われる大会です。参加者はチームに分かれ、誤った情報を特定し、真実を立証することに焦点を当てた一連のミッションに取り組みます。最終ステージの世界大会では、日本、台湾、インドネシア、タイを含めた4カ国でそれぞれ勝ち残った上位3チームで、決勝大会を行います。 大会の概要 国内では2024年11月23日(土)にキックオフイベントを開催。

JFCはエディターやファクトチェッカーを募集しています!

日本ファクトチェックセンター(JFC)は業務拡大により、エディターやソーシャルメディア担当などを募集しております。リモートワークや勤務時間など様々な働き方を想定しています。

日本ファクトチェックセンターのエディターなど募集【採用】
日本ファクトチェックセンター(JFC)は業務拡大により、エディターやソーシャルメディア担当などを募集しております。リモートワークや勤務時間など様々な働き方を想定しています。 待遇はスキルや経験、勤務条件に応じます。年功序列や新卒一括採用などはありません。その人の能力に応じて、裁量がある仕事をお任せします。ファクトチェック、メディアリテラシー教育、ソーシャルメディアの分析、海外の協力団体とのコラボなど、興味がある方は、ぜひご応募ください! エディター/ファクトチェッカー 業務内容 編集部でファクトチェックを中心にコンテンツの編集や企画を担当します。自由な勤務形態を推奨しており、時間や勤務地など応相談です。 応募要件 * 必須 * 記者、編集者などメディア関係や事実検証に関わる職務経験 * JFCファクトチェックガイドラインや指針などの遵守 * チームワーク * 憎しみを原動力にしないこと * 歓迎 * デジタルメディアの経験がある方は、特に重視します * ファクトチェックや調査報道の経験 * データ収集・

今週のファクトチェック

兵庫県知事選 稲村氏が当選すると外国人の地方参政権が成立する?公約になく、本人も否定

前知事の失職に伴う兵庫県知事選挙に立候補している稲村和美氏について、「当選すると外国人の地方参政権が成立」するという言説が拡散していますが、誤りです。稲村氏は外国人参政権を公約にしておらず、この言説を自ら否定しています。

兵庫県知事選 稲村氏が当選すると外国人の地方参政権が成立する?公約になく、本人も否定【ファクトチェック】
前知事の失職に伴う兵庫県知事選挙に立候補している稲村和美氏について、「当選すると外国人の地方参政権が成立」するという言説が拡散していますが、誤りです。稲村氏は外国人参政権を公約にしておらず、この言説を自ら否定しています。 検証対象 兵庫県では、斎藤元彦前知事が県議会の不信任決議案を受けて失職し、2024年11月17日投開票で県知事選が実施される。選挙戦の最中、立候補者の一人で前尼崎市長の稲村和美氏に対して「当選すると外国人の地方参政権が成立する」「外国人参政権推進派」「外国人参政権を与えようとしています」などの言説がX(旧Twitter)で拡散した(例1、例2、例3)。 投稿の中には47万を超える閲覧と4600件以上のリポストのついたものもある。「ホンマにその通り 稲村知事になったら埼玉県みたくクルド人や中国人だらけになるで」「尼崎だけでやってくれ。 迷惑」「土葬の墓地が許可される」といったコメントのほか、「デマを流しましたね」という指摘もある。 また、自民党の岡田ゆうじ神戸市議会議員は、自身のアカウントで「稲村氏は極左の『緑の党』の共同設立者の一人で、緑

衆院選で白票が167万票? 白票を含む無効票の数

2024年の衆議院議員選挙をめぐって、白票が167万票という投稿が拡散しましたが、誤りです。167万票は白票を含む無効票の合計です。拡散した投稿はまとめサイトを引用し、まとめサイトの見出しはネット掲示板のスレッドタイトルを引用しているだけです。

衆院選で白票が167万票? 白票を含む無効票の数【ファクトチェック】
2024年の衆議院議員選挙をめぐって、白票が167万票という投稿が拡散しましたが、誤りです。167万票は白票を含む無効票の合計です。拡散した投稿はまとめサイトを引用し、まとめサイトの見出しはネット掲示板のスレッドタイトルを引用しているだけです。 検証対象 2024年11月4日、「【悲報】白票167万票 日本」という投稿が拡散した。投稿にはまとめサイトのリンクが添付されている。 2024年11月12日時点、この投稿は7300件以上リポストされ、表示回数は134万回を超える。投稿について「無駄な行為」「マスコミの政治部が率先して白票に誘導」というコメントの一方で「元々のソースは無効票」という指摘もある。 検証過程 まとめサイトと添付記事の内容が不一致 検証対象はまとめサイトのリンクを添付している。リンクはまとめサイト「Tweeter Breaking News-ツイッ速!」の記事だ。掲示板サイト5ちゃんねるのスレッド「【悲報】白票167万票 日本、一億総知的障害だった」で、日本経済新聞が2024年11月2日に配信した記事「衆院選「無効」167万票 自

埼玉県川口市に外国人のみ入居可能な物件? 物件情報の画像は加工されたもの

埼玉県川口市に「外国人のみ入居可能」「日本人不可」とする賃貸物件があるとの言説が画像付きで拡散しましたが、誤りです。拡散した画像は千葉県の異なる物件の画像を合成したものです。

埼玉県川口市に外国人のみ入居可能な物件? 物件情報の画像は加工されたもの【ファクトチェック】
埼玉県川口市に「外国人のみ入居可能」「日本人不可」とする賃貸物件があるとの言説が画像付きで拡散しましたが、誤りです。拡散した画像は千葉県の異なる物件の画像を合成したものです。 検証対象 2024年11月12日、「日本人不可×だって‼埼玉県川口市は、もう日本ではないですね⁉」との投稿がX(旧Twitter)で拡散した。 投稿には、「川口市栄町3丁目戸建 賃貸」などと記載された物件情報と共に、屋内の2枚の画像が添付されており、「外国人のみ入居可能」「日本人不可」と書かれている。 この投稿は11月14日時点で9000件以上のリポストと300万件以上のインプレッションを獲得している。 投稿には「おかしいよね 移民の強制送還を早急に願います」「こうなったことに対する現川口市長と現埼玉県知事の責任はきわめて重い」などのコメントが付く一方で、「捏造」「わざわざ日本語で案内する意味」との指摘もある。 検証過程 日本ファクトチェックセンター(JFC)が「Google画像検索」で検証したところ、左上のキッチンの画像と右上の間取り図は千葉県習志野市の物件、下のリビングの

斎藤前兵庫県知事はパワハラしていない? 職員の4割が見聞き、本人は厳しい叱責など認めて「必要な指導」

兵庫県議会に不信任を議決され、失職した斎藤元彦前知事がパワハラをしていなかったとの主張が拡散していますが、根拠不明です。兵庫県職員約9700人へのアンケートでは、斎藤氏のパワハラを見聞きした人が4割を超えました。本人は厳しい叱責をしたことなどを認め、「必要な指導だと思っていたが、不快に思った人がいれば心からお詫びしたい」と謝罪しています。

斎藤前兵庫県知事はパワハラしていない? 職員の4割が見聞き、本人は厳しい叱責など認めて「必要な指導」【ファクトチェック】
兵庫県議会に不信任を議決され、失職した斎藤元彦前知事がパワハラをしていなかったとの主張が拡散していますが、根拠不明です。兵庫県職員約9700人へのアンケートでは、斎藤氏のパワハラを見聞きした人が4割を超えました。本人は厳しい叱責をしたことなどを認め、「必要な指導だと思っていたが、不快に思った人がいれば心からお詫びしたい」と謝罪しています。 検証対象 斎藤氏の失職に伴う兵庫県知事選は、2024年11月17日投開票だ。選挙を前に、斎藤氏によるパワハラはなかったという言説が拡散している(例1、例2、例3)。県知事選に立候補している政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏は自身のYouTubeで「テレビや大手新聞は知事がパワハラしていたことについて、何の根拠もなく噂話で報じている」と述べている。 これらの言説に対して「パワハラされたのは斎藤さんです」「おねだりもパワハラも全部デマでしょう?」といったコメントのほか「斎藤前知事のパワハラ『目撃、経験』140人『見聞きした』4割超」といった指摘もある。 検証過程 斎藤氏に対する告発と百条委員会 斎藤氏

今週のJFC動画

2024年アメリカ大統領選のトランプ氏勝利に関連して「SEC委員長ゲンスラー氏、トランプ大統領にクビを宣告される」という言説が動画と共に拡散しましたが、誤りです。動画はAIで生成されたものです。

その他の関連記事

鳥取県で偽情報対策チーム発足(NHK)

11月15日、全国の都道府県に先駆けてネット上の偽情報を監視する対策チームを発足させました。

兵庫県知事選挙 有権者の7.40%が期日前投票終える|NHK 兵庫県のニュース
【NHK】今月17日に投票が行われる兵庫県知事選挙で、10日までに期日前投票を済ませた人は、有権者の7.40%にあたる33万3000人余りとなり、前…

ディープフェイクが大量生成され「情報の終焉」が到来する(日経イジネス)

誰もが容易に偽情報を生成して工作に利用できることは、「情報の終焉」をももたらすというレポートを日経ビジネスが紹介しています。

ディープフェイクが大量生成され「情報の終焉」が到来する
合成メディアが最低限のコストで大量に作成できることで、偽情報(悪意を含み、意図的に誤解を招く情報)と誤報(意図せず広がる偽情報)が一挙に増幅する。「情報の終焉(インフォカリプス)」の到来である。

「亡くなった俳優はレプリコンワクチンを打っていた!?」 フェイクニュースはなぜ信じられ、広まるのか(毎日新聞)

 10月に亡くなった俳優の西田敏行さんが、新型コロナウイルスの「レプリコンワクチン」の接種を受けていたという情報がX(ツイッター)上で拡散。この情報の真偽を確かめながら、人々はなぜ疑わしい情報を信じ、広めてしまうのか、毎日新聞がデータ分析やファクトチェックの専門家に聞いた記事を出しました。

「亡くなった俳優はレプリコンワクチンを打っていた!?」 フェイクニュースはなぜ信じられ、広まるのか 専門家が教える、だまされないための処方箋 | 医療プレミア特集 | 伊藤奈々恵 | 毎日新聞「医療プレミア」
10月17日に亡くなった俳優の西田敏行さんが、新たに先月導入された新型コロナウイルスの「レプリコンワクチン」の接種を受けていたという情報がX(ツイッター)上で話題となった。7800回以上リポスト(再投稿)され、2.5万件の「いいね」がつけられた。この情報の真偽を確かめながら、人々はなぜ疑わしい情報

ドナルド・トランプを9年間ファクトチェックして学んだこと(ワシントン・ポスト)

米ワシントン・ポストでファクトチェックを担当するグレン・ケスラー記者がトランプ氏の発言を検証してきた9年間を振り返っています。大統領在任期間の3万件を含む大量の誤った主張を繰り返してきたにも関わらず、「事実がどうであれ、トランプ氏には支持者を説得する能力がある」と述べています。

https://www.washingtonpost.com/politics/2024/11/06/what-ive-learned-9-years-fact-checking-donald-trump/

「#ほんとかな?が、あなたを守る」 クリエイターと共に、投稿する前に考えてみよう(YouTube公式ブログ)

YouTube が総務省や国際大学 GLOCOM の協力のもとで、偽・誤情報への注意を呼びかけるキャンペーンをしています。7組のクリエイターが動画を作成し、多くの視聴者を得ています。

「#ほんとかな?が、あなたを守る」 クリエイターと共に、投稿する前に考えてみよう
YouTube のサービスやイベント、技術の最新情報に関する日本版 YouTube 公式ブログです。


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ヒカキン氏「サリンは撒かれてよかったと思う」と発言? 捏造した画像【ファクトチェック】

ヒカキン氏「サリンは撒かれてよかったと思う」と発言? 捏造した画像【ファクトチェック】

YouTuberのヒカキン氏が「サリンは撒かれてよかったと思う」と発言したという情報が拡散しましたが、誤りです。ヒカキン氏は過去にそのような投稿をしていません。投稿したアカウントは過去にもヒカキン氏の誤情報を拡散しています。 検証対象 2025年4月22日、「麻原大好きなHIKAKINマジでエグい」という文言と共に、ヒカキン氏のXアカウントが「サリンは撒かれて良かったと思う 今の政治は日本の魚介ぐらい終わってるからな みんなも今は亡き真の聖人麻原様に敬意を払おう」と発言しているかのような画像付き投稿が拡散した。 2025年4月24日現在、この投稿は1000件以上リポストされ、表示回数は615万回を超える。投稿について「ヒカキンさんを見る目が変わったわ」「これガチならエグすぎる」というコメントの一方で「HIKAKINの名を使ってこの記事はやり過ぎ」という指摘もある。 検証過程 投稿主は過去にも誤情報を拡散 今回拡散した投稿を発信した「麻原彰晃名言bot」は、オウム真理教の元代表麻原彰晃(本名・松本智津夫)元死刑囚の名言を紹介するbotを名乗っている。

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
日本は車の安全試験でボンネットにボウリング球を落とす?  過去に否定された誤情報【ファクトチェック】

日本は車の安全試験でボンネットにボウリング球を落とす? 過去に否定された誤情報【ファクトチェック】

アメリカのトランプ大統領が各国との関税交渉に関連して、非関税障壁の一例として日本ではボウリング球を車に落とす安全試験があると主張しましたが、誤りです。過去にも検証された誤情報です。 検証対象 4月20日、トランプ氏は自らが設立したソーシャルメディアTruth Socialで各国の非関税障壁の例を8つ記して投稿した。6番目に「Protective Technical Standards(保護技術基準)」として「Japan’s bowling ball test(日本のボウリング球テスト)」を挙げている。 検証過程 トランプ氏は、大統領1期目の2018年に同様の発言をしていた。ワシントンポストの当時の記事によると、日本では車体の耐久性を確認するために「ボーリング球テスト」があり、「車のボンネットに20フィート(約6メートル)の高さからボウリング球を落としてへこんだら不合格になる」と演説したという。 ボウリングボールを落とすテストはない 国土交通省によると、日本の自動車の製造・販売業者は、国が定める安全や環境の基準について、43項目の審査に合格したうえで

By 宮本聖二
大阪万博のリング、木材の大半は海外産? 7割が国産【ファクトチェック】

大阪万博のリング、木材の大半は海外産? 7割が国産【ファクトチェック】

前名古屋市長の河村たかし衆院議員が「万博の目玉リング、木の大半は海外産」と投稿しましたが、誤りです。同様の情報はこれまでにも拡散し、設計者自らが否定。公式サイトにも「国産7割、外国産3割」と記されています。 検証対象 2025年4月21日、前名古屋市長の河村たかし氏の「万博の目玉リング、木の大半は海外産だそうで、名古屋城は違います!」という投稿が拡散した。 投稿には河村氏自身のYouTubeアカウントに投稿された動画が添付されている。2025年4月23日現在、動画の視聴回数は6000回超。投稿は1500件以上リポストされ、表示回数は110万件を超える。 検証過程 動画の中で河村氏は、名古屋城の復元について解説。万博の名物となっているリング状の建造物について「全部国産材の名古屋城の木材と全然違いますね」などと発言している。 日本ファクトチェックセンター(JFC)が、大阪・関西万博公式Webサイトを確認したところ、大屋根リングについて「使用木材:(国産)スギ、ヒノキ(外国産)オウシュウアカマツ ※国産が約7割、外国産が約3割」という記載がある。 リング

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
新型コロナのレプリコンワクチンは死亡率がファイザー製の75倍? 元資料の誤読【ファクトチェック】

新型コロナのレプリコンワクチンは死亡率がファイザー製の75倍? 元資料の誤読【ファクトチェック】

新型コロナのワクチンについて、レプリコンはファイザー製に比べて死亡率が75倍だという情報が拡散しましたが、誤りです。厚労省の資料をもとに主張していますが、これは副反応疑いの件数で因果関係が立証されたものではなく、また、死亡報告2件は、のちに製造元が「ワクチンとの因果関係を医師が否定した」という理由で報告を取り下げています。 検証対象 2025年4月17日、「レプリコンはファイザー製の75倍の死亡率」という投稿が拡散した。投稿には表も添付され、製薬会社ごとに接種者の「重篤」と「死亡」の報告数の比率を比べている。 4月21日現在、8万2000を超える閲覧と1200のリポストがついている。「こんなもん国民に打たせるな」「ワクチンじゃない、殺人兵器だ!!」などの他「真面目に副作用報告を収集しているから副作用発現率が高く見えてる可能性がありますね」という指摘もある。 検証過程 レプリコンワクチンとは レプリコンワクチンは、日本の製薬企業Meiji Seikaファルマが開発製造しているmRNAワクチン。mRNAが体内で複製されて増えるため、従来のmRNAワクチ

By 宮本聖二

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は5月28日(日)午後2時~3時半で、お申し込みはこちら。 https://jfcyousei0518.peatix.com/view 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのよう

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理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

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日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)