総選挙後の偽・誤情報/米大統領選 終盤/JFCがデジタルアーカイブ学会賞 授賞
総選挙は投開票が終わっても、偽・誤情報が止まるわけではありません。政党や当選者、選挙制度そのものに対する偽・誤情報が拡散し続けました。11月5日が投票期日のアメリカ大統領選は日本以上にAI生成含む大量の偽情報が広がっています。そんな中、日本ファクトチェックセンター(JFC)は、11月1日に「デジタルアーカイブ学会賞」を授賞しました。
今週の解説
総選挙ファクトチェックまとめ 偽・誤情報は何がどう広がった
総選挙が終わりました。どんな偽情報・誤情報が拡散し、どんな影響があったのか。来年の参院選に備えるためにも、振り返ります。
JFCからのニュース
「デジタルアーカイブ学会賞」を授賞
日本ファクトチェックセンター(JFC)は11月1日、デジタルアーカイブ学会賞(実践賞)を授賞しました。検証においてデジタルアーカイブされた1次情報を活用し、また、JFCのサイト自体が検証過程で活用した証拠へのリンクを多用し、アーカイブ性が高いと評価されました。
JFCファクトチェック講師養成講座 11月の申込はこちら
日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。
次回の開講は11月30日で、お申し込みはこちら。
受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。
日本ファクトチェックセンターのエディターなど募集【採用】
日本ファクトチェックセンター(JFC)は業務拡大により、エディターやソーシャルメディア担当などを募集しております。リモートワークや勤務時間など様々な働き方を想定しています。
待遇はスキルや経験、勤務条件に応じます。年功序列や新卒一括採用などはありません。その人の能力に応じて、裁量がある仕事をお任せします。ファクトチェック、メディアリテラシー教育、ソーシャルメディアの分析、海外の協力団体とのコラボなど、興味がある方は、ぜひご応募ください!
ファクトチェックスキルを競うユース国際大会を開催 申し込みはこちら
日本ファクトチェックセンター(JFC)は11~12月、中学生〜大学生を対象に情報を検証するスキルを競う国際大会「Youth Verification Challenge 2024(YVC、日本語名はユースファクトチェック選手権)」をオンライン開催します。2〜3人でチームを組み、国内大会を勝ち抜くと世界大会でアジア各国のチームと決勝を争います。
今週のファクトチェック
衆院選の投票所で用紙が発行されず比例区の投票ができなかった? 東京で報告事例はない
2024年10月27日の衆議院選挙で、東京の投票所にある投票用紙交付機のシステム障害で投票用紙が出てこず、比例区投票ができなかったという言説が拡散しましたが、根拠不明です。選挙管理委員会にはトラブルの報告は入っていません。
衆院選の自公過半数割れで石破内閣総辞職? まとめサイトの見出し
総選挙の出口調査でメディアは老人だけを選ぶ? サンプル調査のため全員には聞かない
衆議院選挙で報道機関が実施した出口調査について「自分は調査されなかった、報道機関の出口調査は老人ばかり選んでいる」という言説が拡散しましたが、誤りです。出口調査はサンプル調査のため全員には聞かず、世代などによる偏りを避けるために万遍なく聞くように設計されています。
期日前投票はブラックボックスで不正し放題? 各選管で厳重な対策
2024年10月27日投開票の衆院選で「期日前投票は完全なブラックボックスで不正し放題」という言説が拡散しましたが、誤りです。各自治体の選挙管理委員会は投票箱に複数の錠をかけたうえで封印し、施錠された倉庫への運び込み・運び出しは複数職員で実施するなど厳重な不正対策を実施しています。
萩生田光一氏は落選していた? 選挙区で当選
2024年の衆議院議員選挙における萩生田光一氏の当選について「これはおかしいですね。速報では落選でしたから」との主張が拡散しましたが、誤りです。萩生田氏は選挙区で当選しました。また、「落選」と報じたメディアは確認できません。
テレ朝でAIが「間違いなく不正選挙」「若者の多くは参政党にしか興味がない」などと発言? 改変された動画
2024年10月27日投開票の衆院選で当選した自民党の河野太郎氏について、テレビ朝日の選挙特番でAIが「間違いなく不正選挙」「若者の多くは参政党にしか興味がない」などと発言している動画が拡散しましたが、誤りです。AIへの質問と回答の音声を改変したもので、実際の放送とは異なります。
鳥インフルエンザは鳥から人間に感染しない? 国外では感染、発症例も
「鳥インフルエンザは鳥から人間に感染しない」という言説が拡散しましたが、誤りです。国外では感染した事例があり、国内でも監視を続けています。
米大統領選の世論調査、全米で共和党が勝利?結果を操作できる地図が拡散
「米大統領選の世論調査、全米で共和党が勝利」など、共和党がアメリカのすべての州、あるいはほとんどの州で勝利するという選挙結果の予測地図が拡散しましたが、誤りです。2024年10月時点の各社の選挙予測とは異なります。この地図は、ユーザーが自由に操作できる地図サービスで作成されました。
自民党議員「石破茂って書きたくないんだが」と発言? まとめサイトによるもの
自民党議員が「石破茂って書きたくないんだが」と発言したという言説が拡散しましたが、誤りです。拡散した投稿はまとめサイトのXアカウントで、見出しは掲示板サイトのスレッドタイトルを引用しているだけです。議員の発言ではありません。
その他の関連記事
米大統領選、激戦州で相次ぐ不正 虚偽登録や偽動画(日本経済新聞)
米大統領選の激戦州の一つペンシルベニア州で選挙不正とみせかけたロシアの偽動画が拡散しました。5日の投票日を前に混乱が広がっていると日経新聞が伝えています。
アメリカ大統領選でAIの脅威、選挙関連の偽情報規制は4割の20州のみ…読売新聞調査
米国の50州と首都ワシントンのうち、生成AI(人工知能)などで作成した選挙関連の偽情報を取り締まる法律を制定したのは20州にとどまることが、読売新聞の調査で明らかになりました。
米大統領選でXのユーザーが大金を得ている?(BBC)
X(旧Twitter)のユーザーが米大統領選で、偽情報やAIを使って生成・加工した画像などを拡散させてXから大金を得ているのではないかとBBCが報じています。
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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