総選挙/偽情報対策にメーカーや研究機関が連携/イベント案内も【今週のファクトチェック】

総選挙/偽情報対策にメーカーや研究機関が連携/イベント案内も【今週のファクトチェック】

総選挙です。政党の公約や候補者に関する偽・誤情報が次々と拡散しています。日本ファクトチェックセンター(JFC)はそれらを検証していますが、党首討論の検証記事は出しませんでした。その解説も紹介します。JFC以外の関連記事だけでなく、関連するイベントの案内も掲載するようにしました。JFCが共催するユースファクトチェック選手権や選挙関連のイベントを紹介しています。掲載のご希望があれば、JFCまでご連絡ください。

✉️
日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら

JFCイベント

ファクトチェックスキルを競うユース国際大会を開催 申し込みはこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)は11月、中学生〜大学生を対象に情報を検証するスキルを競う国際大会「Youth Verification Challenge 2024(YVC、日本語名はユースファクトチェック選手権)」をオンライン開催します。日本国内の大会を勝ち抜いたチームは、世界大会でアジアの代表チームと決勝を争います。

ファクトチェックスキルを競うユース国際大会を開催 申し込みはこちら
日本ファクトチェックセンター(JFC)は11月、中学生〜大学生を対象に情報を検証するスキルを競う国際大会「Youth Verification Challenge 2024(YVC、日本語名はユースファクトチェック選手権)」をオンライン開催します。日本国内の大会を勝ち抜いたチームは、世界大会でアジアの代表チームと決勝を争います。 ユースファクトチェック選手権2024 -「検索力」を競うファクトチェック世界大会ユース・ファクトチェック選手権(Youth Verification Challenge)は次世代を担う若者たちを対象に、どれだけ正確に、早くインターネットを駆使して情報を収集し検証できるかを競う3ステージに分けて行われる大会です。参加者はチームに分かれ、誤った情報を特定し、真実を立証することに焦点を当てた一連のミッションに取り組みます。最終ステージの世界大会では、日本、台湾、インドネシア、タイを含めた4カ国でそれぞれ勝ち残った上位3チームで、決勝大会を行います。 大会の概要 国内では2024年11月23日(土)にキックオフイベントを開催。11月30日(

今週の解説

日本の党首討論がライブ検証されないのはなぜ 選挙に関する日米台のファクトチェック比較

総選挙が始まりました。10月15日の公示から27日の投開票日まで、わずか12日間の短期決戦です。各メディアなどで党首討論が相次いで実施されましたが、アメリカなどで見られる発言のライブ検証はありませんでした。日本と他国のファクトチェックや偽・誤情報の傾向の違いを解説します。

日本の党首討論がライブ検証されないのはなぜ 選挙に関する日米台のファクトチェック比較【解説】
総選挙が始まりました。10月15日の公示から27日の投開票日まで、わずか12日間の短期決戦です。各メディアなどで党首討論が相次いで実施されましたが、アメリカなどで見られる発言のライブ検証はありませんでした。日本と他国のファクトチェックや偽・誤情報の傾向の違いを解説します。 米大統領選のファクトチェック 民主党のカマラ・ハリス副大統領と共和党のドナルド・トランプ前大統領の2候補が争うアメリカ大統領選。候補者が直接対決する恒例のテレビ討論会は9月10日夜(現地時間)に実施され、大手メディアやファクトチェック機関が2人の発言を細かく検証した。いくつかの事例を並べてみる。 Fact-checking Kamala Harris and Donald Trump’s 1st presidential debate (ABC) Fact-checking the presidential debate between Trump and Harris (NBC) Fact checking debate claims from Trump and Harris’ 202

今週のファクトチェック

石破首相が最初に訪問した外国は中国?ASEAN首脳会議でラオスを訪問

「石破は総理になり、最初に訪問したのは中国」という言説が拡散しましたが、誤りです。石破茂首相が就任後に初めて訪れた海外は、中国ではなくラオスです。東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議に出席しました。

石破首相が最初に訪問した外国は中国?ASEAN首脳会議でラオスを訪問【ファクトチェック】
「石破は総理になり、最初に訪問したのは中国」という言説が拡散しましたが、誤りです。石破茂首相が就任後に初めて訪れた海外は、中国ではなくラオスです。東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議に出席しました。 検証対象 2024年10月12日、「石破は総理になり、最初に訪問したのは中国、慣例として、総理となり第一に訪問する国は、総理が一番親密にしたい国。あり得ない訪問国であり、訪中しても鬼畜習近平にも会えず、適当に待遇され、帰国」というX(旧Twitter)の投稿が拡散した。 この投稿は、10月15日現在18万を超える閲覧数と2300以上のリポストがある。「石破の外交センスの無さが炸裂してしまったようです」「親中、親韓総裁だから驚きはないけど、同盟国である米国から見たら面白くないと思った」といったコメントのほか「ラオスで李強首相と首脳会談したんでしょう」と中国訪問を誤りだと指摘する書き込みがついている。 検証過程 石破首相は10月10日、就任後初の外遊でラオスを訪問し、午前11時40分(日本時間午後1時40分)から約1時間、首都ビエンチャンで開催された

石破首相「物価高に政府も苦しいんです」と発言? まとめサイトによるもの

石破茂首相が「物価高に国民は苦しんでいるが、政府も苦しいんです」と発言したかのような言説が拡散しましたが、誤りです。まとめサイトによるもので、本人の発言ではありません。

石破首相「物価高に政府も苦しいんです」と発言? まとめサイトによるもの【ファクトチェック】
石破茂首相が「物価高に国民は苦しんでいるが、政府も苦しいんです」と発言したかのような言説が拡散しましたが、誤りです。まとめサイトによるもので、本人の発言ではありません。 検証対象 2024年10月14日、石破首相が「物価高に国民は苦しんでいるが、政府も苦しいんです」と発言したかのような言説が拡散した。 10月17日現在、この投稿は6700件以上リポストされ、表示回数は390万回を超える。投稿について「その苦しいはずの政府が国民を締めつけ外人や外国に金をばらまくのはどういうことなんでしょうね?」「岸田が良い顔して外国に金をばら撒いた結果だろ?そう思いますね」などのコメントがついている。 検証過程 まとめサイトの引用 検証対象の投稿に添付されたリンクはまとめサイト「Tweeter Breaking News-ツイッ速!」の記事だ。引用元は産経新聞「石破茂首相、消費増税は「当面は考えない」 NHK番組で説明、定額減税も」になっている。 この10月13日配信の産経の記事は、与野党の9党首が出演した10月13日のNHKの番組「日曜討論」について報じている。

国民民主党は強制的親子別姓を推奨? 公約は選択的夫婦別姓

2024年の衆議院選挙をめぐり、国民民主党が「強制的親子別姓を推奨」というような言説が拡散していますが、誤りです。国民民主党の公約は選択的夫婦別姓の導入で、「強制的親子別姓」とは異なります。

国民民主党は強制的親子別姓を推奨? 公約は選択的夫婦別姓【ファクトチェック】
2024年の衆議院選挙をめぐり、国民民主党が「強制的親子別姓を推奨」というような言説が拡散していますが、誤りです。国民民主党の公約は選択的夫婦別姓の導入で、「強制的親子別姓」とは異なります。 検証対象 2024年10月15日、「玉木さんの国民(民主党)は強制的親子別姓を推奨よね?」という言説が投稿された。 2024年10月17日現在、この投稿は80件以上リポストされ、表示回数は1.5万件を超える。投稿について「個人的には反対してほしい」「その一件で国民民主党 の選択肢はなくなりました」というコメントの一方で、「デマ」という指摘もある。 「強制的親子別姓」というような言説は、選択的夫婦別姓を批判するものとして、これ以外にも多数拡散している(例1、例2)。 検証過程 選択的夫婦別姓制度は「強制」ではない 一般に「選択的夫婦別姓制度」と呼ばれるが、民法等の法律では、「姓」や「名字」のことを「氏(うじ)」と呼んでいることから、法務省は「選択的夫婦別氏制度」と呼んでいる。選択的夫婦別氏制度とは、

トランプ元大統領「日本人が幸せになれないのが不憫でならない」と発言?関係のない画像と音声の組み合わせ

アメリカのトランプ元大統領が「真面目で、勤勉で、盗みをせず、思いやりと優しさがあり、欲深くなく、礼儀もあり、そんな日本人が幸せになれないのが不憫でならない」と発言したという言説が拡散しましたが、誤りです。トランプ氏は、そのような発言はしていません。

トランプ元大統領「日本人が幸せになれないのが不憫でならない」と発言?関係のない画像と音声の組み合わせ【ファクトチェック】
アメリカのトランプ元大統領が「真面目で、勤勉で、盗みをせず、思いやりと優しさがあり、欲深くなく、礼儀もあり、そんな日本人が幸せになれないのが不憫でならない」と発言したという言説が拡散しましたが、誤りです。トランプ氏は、そのような発言はしていません。 検証対象 トランプ氏が「真面目で、勤勉で、盗みをせず、思いやりと優しさがあり、欲深くなく、礼儀もあり、そんな日本人が幸せになれないのが不憫でならない」と発言したという言説が様々な媒体で拡散した。 Xでは2022年10月にこの発言を日本語で語る動画の投稿が拡散、その後2024年7月には画像とテキストの投稿が1.5万件以上リポストされている。このXの画像を使ったYouTubeのShorts動画は80万回以上の視聴回数と4.3万件以上の高評価を獲得している。この動画には「原因は日本政腐」という字幕が付けられている。 検証過程 拡散した画像はFOX NEWSの一場面 日本ファクトチェックセンター(JFC)は画像検索ツール「TinEye」で拡散した画像を調べたところ、FOX NEWS番組「Hannity」の画像が

山本太郎氏「在日コリアンの方々は何年も納税されてきた!参政権ぐらい与えてもいいだろう!」と発言? まとめサイトによるもの

れいわ新選組・山本太郎代表が「在日コリアンの方々は何年も納税されてきた!参政権ぐらい与えてもいいだろう!」と発言したとする言説が拡散しましたが不正確です。山本氏の発言を改変しています。

山本太郎氏「在日コリアンの方々は何年も納税されてきた!参政権ぐらい与えてもいいだろう!」と発言? まとめサイトによるもの【ファクトチェック】
れいわ新選組・山本太郎代表が「在日コリアンの方々は何年も納税されてきた!参政権ぐらい与えてもいいだろう!」と発言したとする言説が拡散しましたが不正確です。山本氏の発言を改変しています。 検証対象 2024年10月17日、「【悲報】山本太郎『在日コリアンの方々は何年も納税されてきた!参政権ぐらい与えてもいいだろう!』」という言説が拡散した。 2024年10月17日現在、投稿は680件以上リポストされ、表示回数は5万件を超える。投稿について「納税と参政権は全く関係ない」「絶対に反対」というコメントがついている。 検証過程 投稿には掲示板サイト「5ちゃんねる」のスレッドを紹介するまとめサイト「おーるじゃんる」のリンクが添付されている。サイトには山本氏の発言について「ソースは今やってるLIVE配信」と書かれている。 書き込みの日付と、添付されている画像かられいわ新選組のYouTubeチャンネルを確認すると「【LIVE】山本太郎代表 街宣! #衆院選2024 #比例はれいわ 2024年10月16日 千葉県・津田沼駅」が一致する。 この動画では「外国人参政権は

今週のJFC動画

元総務大臣で立憲民主党の原口一博氏が「日本赤十字社はレプリコンワクチン接種後の献血をお控えいただく場合があることを広報」と投稿しましたが、ミスリードで不正確です。日赤は他のワクチンと同様に採血制限の時間を設けているだけで、レプリコンは接種後48時間で献血できます。

その他の関連記事

ネット偽情報 検知から真偽判定まで行う総合的システム開発へ(NHK)

インターネット上の偽情報が課題となる中、大手メーカーや大学などが連携して、偽情報の検知から真偽の判定まで進める総合的なシステムを共同で開発することになりました。

ネット偽情報 検知から真偽判定まで行う総合的システム開発へ | NHK
【NHK】インターネット上の偽情報が課題となる中、大手メーカーや大学などが連携して、偽情報の検知から真偽の判定までを総合的に行うシ…

AIが生成した偽情報による選挙工作が複数発覚、日本も制度整備を検討(日経XTECH)

生成AI(人工知能)につくらせた偽情報をSNSなどを通じて拡散させて、社会の混乱を狙う――。そんな情報工作が世界で複数発覚していたことが、米OpenAI(オープンAI)のリポートで明らかになったと日経XTECHが伝えています。

AIが生成した偽情報による選挙工作が複数発覚、日本も制度整備を検討
生成AI(人工知能)につくらせた偽情報をSNSなどを通じて拡散させて、社会の混乱を狙う――。そんな情報工作が世界で複数発覚していたことが、米OpenAI(オープンAI)のリポートで明らかになった。

国連開発計画(UNDP)による偽・誤情報対策強化プログラム

国連開発計画が、シエラレオネでBBCと連携して偽・誤情報に対抗するジャーナリスト、ファクトチェッカー、インフルエンサーのスキルアッププログラムを始めます。

UNDP supports the empowerment of Journalists and Influencers to combat mis/disinformation in Sierra Leone

ドイツでロシアによる偽情報が増加(ドイチェ・ヴェレ)

大量の偽情報をロシアがドイツに流していると言われています。この情報工作によって、親ロシア派の言説がドイツの政治に浸透しつつあると指摘されています。ドイツの放送局、ドイチェ・ヴェレが伝えています。

Russian disinformation is growing in Germany – DW – 10/15/2024
Russia is flooding Germany with more disinformation than ever, officials warn. Analysts say this tactic is helping pro-Kremlin narratives increasingly seep into the country’s politics.

関連イベント案内

10月21日 【オンラインセミナー】生成AI時代の選挙:民主主義を守るための対策

国際大学GLOCOM主催、日本マイクロソフト株式会社協賛のオンラインセミナー。生成AIの進化によって偽・誤情報の懸念がさらに高まっています。日本ファクトチェックセンター編集長の古田大輔も登壇して、近づく選挙における対策を議論します。

10月21日午後2時からオンライン配信。申し込みはこちら

10月21日 TikTok LIVE 「あなたの一票を守る!選挙の偽・誤情報に惑わされないためにできること」

TikTok Liveで選挙における偽・誤情報対策に関するライブ配信をします。日本ファクトチェックセンター編集長の古田大輔や国際大学GLOCOM准教授の山口真一氏がTikTokerと偽・誤情報について基礎から話し合います。

配信は10月21日午後7時から。申し込み不要。無料です。TikTok LIVE Japan日本ファクトチェックセンターの公式アカウントにて実施します。

TikTok、選挙における偽・誤情報防止への取り組みを強化。啓発を目的としたTikTok LIVEには、日本ファクトチェックセンター・古田編集長が登壇
Bytedance株式会社のプレスリリース(2024年10月16日 15時00分)TikTok、選挙における偽・誤情報防止への取り組みを強化。啓発を目的としたTikTok LIVEには、日本ファクトチェックセンター・古田編集長が登壇

判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

毎週、ファクトチェック情報をまとめて届けるニュースレター登録(無料)は、上のボタンから。また、QRコード(またはこのリンク)からLINEでJFCをフォローし、気になる情報を質問すると、AIが関連性の高いJFC記事をお届けします。詳しくはこちら

もっと見る

「ファクトチェックしたことない」半数、フィルターバブルなどの知識も普及せず 情報インテグリティ調査から見える課題と対策

「ファクトチェックしたことない」半数、フィルターバブルなどの知識も普及せず 情報インテグリティ調査から見える課題と対策

偽・誤情報の影響やその対策などの状況を総合的に把握するため、日本ファクトチェックセンター(JFC)は電通総研と共同で「情報インテグリティ調査」を実施しました。予備調査2万人、本調査5000人を対象に、JFCが実際に検証した15の偽・誤情報を使った影響調査の他、望ましい対策などを聞きました。 偽・誤情報の影響として「ストレスや不安を感じる」(48.3%)や、「ニュースに関する関心が低下した」(44.4%)などの回答が目立っています。 一方で「ファクトチェックをおこなったことがない」(47%)、「検証方法を学んだことはない」(64.3%)など、個人でも実践できる対策は普及しておらず、デジタル時代の情報環境を理解するための基礎的な用語の理解もほとんど広がっていないことが明らかになりました。 詳細版は月内に発表予定で、ここでは概要を紹介します。 偽・誤情報の影響「ストレス感じる」「ニュースに対する関心が低下した」 調査によると、「インターネット上の誤った情報・ニュースの存在があなたのニュースに対する態度や行動にどのような影響を与えていますか」という質問に対して「

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
ファクトチェック記事の増加と多様化 メディアリテラシー教育やAIツール開発など検証の実践的な知見を活用【JFC活動報告】

ファクトチェック記事の増加と多様化 メディアリテラシー教育やAIツール開発など検証の実践的な知見を活用【JFC活動報告】

日本ファクトチェックセンター(JFC)は2022年10月の設立からの活動をまとめた報告書を公開しました。詳しくはJFCサイトの「JFCとは」で章ごとにまとめていますので、そちらを御覧ください。 JFCとは日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェック(事実の検証)の実践とメディア情報リテラシーの普及に取り組む非営利組織です。民主主義の基盤であるデジタル公共空間の健全性を維持・向上させることを目的として活動します。 JFC活動報告「情報インテグリティのために」 JFCの設立経緯と組織構造:独立性を保つために JFCの設立経緯、体制、ファクトチェック組織としての独立性を保つための取り組みなどを説明しています。 JFCの設立経緯と組織構造日本ファクトチェックセンター(JFC)は、民主主義の基盤となるインターネットの言論空間の健全性を向上させることを目的とし、ファクトチェックとメディアリテラシー普及に取り組む非営利組織です。 拡散する不確かな情報について、証拠に基づいて真偽を確かめる「ファクトチェック(事実の検証)」、現代の情報環境への理解と対応力を高める「メディアリ

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
仏政府「第三次世界大戦が来る」と国民に食料備蓄指示? まとめサイトによるもの【ファクトチェック】

仏政府「第三次世界大戦が来る」と国民に食料備蓄指示? まとめサイトによるもの【ファクトチェック】

フランス政府が「第三次世界大戦が来る」として国民に食料備蓄を指示したとする投稿が拡散しましたが、誤りです。拡散した投稿はまとめサイトのXアカウントで、見出しは掲示板サイトのスレッドタイトルを引用しているのみです。 検証対象 2025年3月25日、「フランス政府、国民に食糧備蓄を指示『今年第三次世界大戦が来る』」という投稿が拡散した。この投稿は2025年3月31日までに296万回以上の閲覧回数と4500件以上のリポストを獲得している。 検証過程 検証対象のリンクは、まとめサイト「ツイッター速報〜BreakingNews」の記事だ。タイトルは掲示板サイト5ちゃんねるのスレッド「フランス政府、国民に食糧備蓄を指示『今年第三次世界大戦が来る』」で、The People’s Voice(TPV)が2025年3月20日に配信した記事「France Orders Citizens to Stockpile Food: “World War 3 Is Coming This Year”」を引用元にしている。 TPVは「大手メディアの扱わないニュースを扱うことで読者に真

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
運営委員会報告書及び監査委員会報告書を公開

運営委員会報告書及び監査委員会報告書を公開

運営委員会報告書及び監査委員会報告書を公開しましたのでお知らせいたします。JFCでは運営委員会を設置し、編集部がファクトチェックガイドラインに則って検証を実施しているかなど評価しています。運営委員会の内容は、運営委員会報告書として掲載されます。 また運営委員会と編集部全体のガバナンスが適正か確認する監査委員会を設置し、運営委員会報告書を閲覧するなどして監査を行っています。監査委員会の内容は監査委員会報告書として掲載されます。  なおこれらの適切な運用を図るためにルールを制定しており、「日本ファクトチェックセンター設置規程」(規程全文はこちら)及び「日本ファクトチェックセンター監査委員会運営規程」(規程全文はこちら)を公開しています。 これからもJFCは透明性確保のため、情報公開に努めて参ります。 運営委員会報告書2024年12月12日(報告書全文はこちら) 第1 運営委員の任命並びに委員長及び副委員長等の任命プロセス 第2 編集部メンバーの採用等編集に関わる人員 第3 外部機関との連携 第4 プラットフォーマー連携 第5 ファクトチェック記事の公開状況 第6 財務報告 第7 国

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)

ファクトチェック講座

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は4月19日(土)午後2時~3時半で、お申し込みはこちら。 https://jfcyousei0419.peatix.com/ 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのような知識と

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
JFCファクトチェッカー認定試験  教材と申し込みはこちら

JFCファクトチェッカー認定試験  教材と申し込みはこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)