総選挙/偽情報対策にメーカーや研究機関が連携/イベント案内も【今週のファクトチェック】
総選挙です。政党の公約や候補者に関する偽・誤情報が次々と拡散しています。日本ファクトチェックセンター(JFC)はそれらを検証していますが、党首討論の検証記事は出しませんでした。その解説も紹介します。JFC以外の関連記事だけでなく、関連するイベントの案内も掲載するようにしました。JFCが共催するユースファクトチェック選手権や選挙関連のイベントを紹介しています。掲載のご希望があれば、JFCまでご連絡ください。
JFCイベント
ファクトチェックスキルを競うユース国際大会を開催 申し込みはこちら
日本ファクトチェックセンター(JFC)は11月、中学生〜大学生を対象に情報を検証するスキルを競う国際大会「Youth Verification Challenge 2024(YVC、日本語名はユースファクトチェック選手権)」をオンライン開催します。日本国内の大会を勝ち抜いたチームは、世界大会でアジアの代表チームと決勝を争います。
今週の解説
日本の党首討論がライブ検証されないのはなぜ 選挙に関する日米台のファクトチェック比較
総選挙が始まりました。10月15日の公示から27日の投開票日まで、わずか12日間の短期決戦です。各メディアなどで党首討論が相次いで実施されましたが、アメリカなどで見られる発言のライブ検証はありませんでした。日本と他国のファクトチェックや偽・誤情報の傾向の違いを解説します。
今週のファクトチェック
石破首相が最初に訪問した外国は中国?ASEAN首脳会議でラオスを訪問
「石破は総理になり、最初に訪問したのは中国」という言説が拡散しましたが、誤りです。石破茂首相が就任後に初めて訪れた海外は、中国ではなくラオスです。東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議に出席しました。
石破首相「物価高に政府も苦しいんです」と発言? まとめサイトによるもの
石破茂首相が「物価高に国民は苦しんでいるが、政府も苦しいんです」と発言したかのような言説が拡散しましたが、誤りです。まとめサイトによるもので、本人の発言ではありません。
国民民主党は強制的親子別姓を推奨? 公約は選択的夫婦別姓
2024年の衆議院選挙をめぐり、国民民主党が「強制的親子別姓を推奨」というような言説が拡散していますが、誤りです。国民民主党の公約は選択的夫婦別姓の導入で、「強制的親子別姓」とは異なります。
トランプ元大統領「日本人が幸せになれないのが不憫でならない」と発言?関係のない画像と音声の組み合わせ
アメリカのトランプ元大統領が「真面目で、勤勉で、盗みをせず、思いやりと優しさがあり、欲深くなく、礼儀もあり、そんな日本人が幸せになれないのが不憫でならない」と発言したという言説が拡散しましたが、誤りです。トランプ氏は、そのような発言はしていません。
山本太郎氏「在日コリアンの方々は何年も納税されてきた!参政権ぐらい与えてもいいだろう!」と発言? まとめサイトによるもの
れいわ新選組・山本太郎代表が「在日コリアンの方々は何年も納税されてきた!参政権ぐらい与えてもいいだろう!」と発言したとする言説が拡散しましたが不正確です。山本氏の発言を改変しています。
今週のJFC動画
元総務大臣で立憲民主党の原口一博氏が「日本赤十字社はレプリコンワクチン接種後の献血をお控えいただく場合があることを広報」と投稿しましたが、ミスリードで不正確です。日赤は他のワクチンと同様に採血制限の時間を設けているだけで、レプリコンは接種後48時間で献血できます。
その他の関連記事
ネット偽情報 検知から真偽判定まで行う総合的システム開発へ(NHK)
インターネット上の偽情報が課題となる中、大手メーカーや大学などが連携して、偽情報の検知から真偽の判定まで進める総合的なシステムを共同で開発することになりました。
AIが生成した偽情報による選挙工作が複数発覚、日本も制度整備を検討(日経XTECH)
生成AI(人工知能)につくらせた偽情報をSNSなどを通じて拡散させて、社会の混乱を狙う――。そんな情報工作が世界で複数発覚していたことが、米OpenAI(オープンAI)のリポートで明らかになったと日経XTECHが伝えています。
国連開発計画(UNDP)による偽・誤情報対策強化プログラム
国連開発計画が、シエラレオネでBBCと連携して偽・誤情報に対抗するジャーナリスト、ファクトチェッカー、インフルエンサーのスキルアッププログラムを始めます。
ドイツでロシアによる偽情報が増加(ドイチェ・ヴェレ)
大量の偽情報をロシアがドイツに流していると言われています。この情報工作によって、親ロシア派の言説がドイツの政治に浸透しつつあると指摘されています。ドイツの放送局、ドイチェ・ヴェレが伝えています。
関連イベント案内
10月21日 【オンラインセミナー】生成AI時代の選挙:民主主義を守るための対策
国際大学GLOCOM主催、日本マイクロソフト株式会社協賛のオンラインセミナー。生成AIの進化によって偽・誤情報の懸念がさらに高まっています。日本ファクトチェックセンター編集長の古田大輔も登壇して、近づく選挙における対策を議論します。
10月21日午後2時からオンライン配信。申し込みはこちら。
10月21日 TikTok LIVE 「あなたの一票を守る!選挙の偽・誤情報に惑わされないためにできること」
TikTok Liveで選挙における偽・誤情報対策に関するライブ配信をします。日本ファクトチェックセンター編集長の古田大輔や国際大学GLOCOM准教授の山口真一氏がTikTokerと偽・誤情報について基礎から話し合います。
配信は10月21日午後7時から。申し込み不要。無料です。TikTok LIVE Japanと日本ファクトチェックセンターの公式アカウントにて実施します。
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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