自民総裁選/種苗法改正/人種めぐるヘイト混じりの偽情報/ブラジル最高裁がXにサービス停止命令など【今週のファクトチェック】
自民総裁選で候補者に関する誤った情報が広がっています。自分の畑で採れた種を無断でまくと懲役10年という不正確な情報も繰り返し拡散。ブラジルでは偽情報の拡散を放置しているとしてX(旧Twitter)に対してサービス停止命令がじました。
今週のファクトチェック
小泉進次郎氏が「これにお金を払ったらただで貰えました」などと発言? 大喜利サイトの書き込みが拡散
自民党総裁選への立候補を予定している小泉進次郎氏が「これにお金を払ったらただで貰えました」「朝食は朝食べるに限ります。昼食は絶対にランチがいいですね」などと発言したとする言説が拡散しましたが、根拠不明です。これらの言説は大喜利サイトで匿名ユーザーが投稿したジョークが元になっていて、小泉氏本人が発言した事実は確認できません。
小泉進次郎氏が台風10号の注意喚起をする動画はAI加工? 公式が投稿
自民党の小泉進次郎氏が台風10号の注意喚起を呼びかける動画に「偽物ではないか」という指摘が広がりました。しかし、動画は公式アカウントで配信し、小泉氏自身が発言したものです。AIで加工された偽動画の蔓延が増えて、実際の動画でも「AIで生成された、加工された映像ではないか」と疑問視される事例が増えています。
自分の土地で採れた種をまいたら懲役10年? 許諾が必要なのは登録品種の一部
「自分の土地で採れた種をまくと懲役10年」という言説が繰り返し拡散していますが、不正確です。2020年に農産物や園芸植物の新品種開発者を保護する種苗法が改正され、農家が登録品種について、収穫物の一部を次の作付けに使う「自家増殖」には許諾が条件となりましたが、全ての品種が対象ではありません。
カーニバルで原爆投下を揶揄して喜ぶブラジルの朝鮮人? 原爆の被害を表現し日系人も協力
「ブラジルのカーニバルで原爆投下を揶揄して喜ぶブラジルの朝鮮人」という言説が拡散しましたが、誤りです。拡散した動画の山車はブラジルのサンバチームが原爆の被害を伝えようと作成し、日系人が協力したものです。
今週のJFC動画
「公園の使用許可が出ていないのに、 勝手にお祭りをするクルド人」という言説が拡散しましたが、誤りです。許可をとって公園を使用しています。拡散した動画は虚偽の内容のテロップを付け加えています。
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ネット上の偽情報など対策 総務省の有識者会議 提言とりまとめ(NHK)
ネット上の偽情報などの対策について話し合う総務省の有識者会議は、プラットフォーム事業者に違法な投稿の迅速な削除やネット広告の審査強化などを促す制度作りを求める提言をとりまとめました。
台風、大雨、地震、偽情報とスパムで荒れたSNS(NHK)
この夏、相次いだ台風や大雨、そして南海トラフ地震の臨時情報が出ましたが、SNSでは偽情報とともに「インプレゾンビ」や大量の「スパム投稿」が拡散しました。NHKがデータをもとに分析しました。
ブラジル最高裁が国内でのX(旧Twitter)にサービス停止命令(BBC)
ブラジルの最高裁判所が、偽情報を投稿するアカウントを閉鎖しないとしてXに対してサービスの停止命令を出しました。Xを所有するイーロン・マスク氏は「表現の自由を破壊するものだ」と反発しています。BBCの報道です。
旧ソ連共産党員の"制服"を着るハリス副大統領?イーロン・マスク氏が投稿(Snopes)
カマラ・ハリス副大統領が、赤い服と共産主義を象徴する鎌と槌のマークの入った帽子をかぶる画像をイーロン・マスク氏がXに投稿しましたが、誤りです。画像はAIで捏造されたものだとSnopesがファクトチェックしました。
ロシアが秘密裏にアメリカの保守メディアに介入(NYT)
ロシアがアメリカの保守メディアに秘密裏に影響を及ぼしているとニューヨーク・タイムズが報じています。連邦検察は、ロシアがアメリカのメディア会社Tenet Mediaに資金を提供し、著名な保守的インフルエンサーを通じて親ロシアのメッセージを広めたと指摘しています。ロシアの影響力を強化し、アメリカ世論を形成するためのもので、特にトランプ元大統領の選挙を支持する目的があったと伝えています。
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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