自民総裁選/京都国際高校/処理水放出開始から1年/米大統領選/情報的健康など【今週のファクトチェック】

自民総裁選/京都国際高校/処理水放出開始から1年/米大統領選/情報的健康など【今週のファクトチェック】

10人を超す候補者の名が上がっている自民党総裁選挙について偽・誤情報が出始めています。夏の甲子園で初優勝した京都国際高校をめぐってヘイト言説や誤解が拡散しました。民主党全国大会で正式に大統領候補に指名されたカマラ・ハリス氏に対してメディア各社がファクトチェックしました。

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JFCのファクトチェック記事

高市大臣は親韓派? 韓国式の飲み方をする画像=訂正あり

経済安全保障担当大臣の高市早苗氏が、口元を手で隠して水を飲む画像とともに「親韓派」だという言説が拡散しましたが、根拠不明です。口元を隠すような飲み方は韓国式で親韓派だという主張はネット上で繰り返し拡散しています。

高市大臣は親韓派? 韓国式の飲み方をする画像【ファクトチェック】=訂正あり
経済安全保障担当大臣の高市早苗氏が、口元を手で隠して水を飲む画像とともに「親韓派」だという言説が拡散しましたが、根拠不明です。口元を隠すような飲み方は韓国式で親韓派だという主張はネット上で繰り返し拡散しています。 検証対象 2024年8月16日、国会で高市大臣が口元を手で隠して水を飲む画像付きで「分かる人には分かるやつ」という投稿が拡散した。 この投稿には「朝鮮飲み」「日本人でこんな飲み方見たことない」「高市氏が保守ではなく反日なのは明らか」などのコメントが付き、8月19日現在150万超の閲覧と1200件のリポストがある。 検証過程 この画像をGoogleのFactCheck ExplorerのImage contexts機能で調べたところ、2023年4月4日のX(旧Twitter)投稿まで遡ることができた。ネット上で確認できるのはいずれもXかブログだ。 2023年3月3日の参議院予算委員会の映像で確認したところ、この画像と同じ服装で同じように右手を添えながら高市大臣が水を飲んでいる姿が確認できる。画質が荒く右手の描写が不自然に見えるが、この画像自体

クルド人が使用許可を取らずに 公園で勝手にお祭り? ニュース映像に虚偽のテロップを追加

クルド人が使用許可を取らずに 公園で勝手にお祭り? ニュース映像に虚偽のテロップを追加【ファクトチェック】
「公園の使用許可が出ていないのに、 勝手にお祭りをするクルド人」という言説が拡散しましたが、誤りです。許可をとって公園を使用しています。拡散した動画には虚偽の内容のテロップが付け加えられています。 検証対象 2024年8月15日、「公園の使用許可が出ていないのに、 勝手にお祭りをするクルド人」とする動画が拡散した。 この投稿は2024年8月19日時点で3900件以上リポストされ、表示回数は30万件を超える。「やりたい放題ですね」「政府はバカなの?」というコメントのほか、「ちゃんと埼玉県の許可を取っている。この出店の横に、県の公園職員も居た」という疑いの声もある。 検証過程 検証対象の動画の右上の字幕にあるように「一部市民の抗議も 在日クルド人 新年を祝う祭り開催」とGoogle検索すると、Yahoo!ニュースに配信された日テレNEWS の記事が見つかる。 この日テレNEWS の記事は2024年3月20日に配信された、さいたま市の秋ヶ瀬公園でのクルド人の新年を祝う伝統的なお祭り「ネウロズ」に関するものだ。「ネウロズ」は、「国を持たない世界最大の民族」と

小林鷹之議員の会見後、メディア一同が拍手で送り出す? 同席した議員から

2024年の自民党総裁選に立候補を表明した小林鷹之議員の会見で「メディア一同が拍手で送り出す」という言説が拡散しましたが、誤りです。拍手したのは同席した国会議員で、取材に来た記者たちではありません。

小林鷹之議員の会見後、メディア一同が拍手で送り出す? 同席した議員から【ファクトチェック】
2024年の自民党総裁選に立候補を表明した小林鷹之議員の会見で「メディア一同が拍手で送り出す」という言説が拡散しましたが、誤りです。拍手したのは同席した国会議員で、取材に来た記者たちではありません。 検証対象 2024年8月19日、自民党総裁選への立候補を表明した小林氏の会見について「政治家の会見終了後の退出をメディア一同が拍手で送り出すシーンは初めて見ました」という動画付き言説が拡散した。 拡散した動画には、会見終了後、小林氏が拍手を受けるシーンが映されている。 2024年9月22日時点、この投稿は1700件以上リポストされ、表示回数は109万件を超える。投稿について「相当ヤバイ」「迎合してる」というコメントの一方で「勘違いですね」という指摘もある。 検証過程 添付された動画は2024年8月19日に小林氏が自民党総裁選への立候補を表明した記者会見の様子。会見後に会場を去っていく小林氏に対して、会場から拍手がわいている。カメラは会釈する小林氏を映していて、誰が拍手をしているかはわからない。 この動画は、YouTubeチャンネル「TBS NEWS D

小林鷹之衆院議員は「再エネ議連」役員?6年前の画像が拡散、本人は退会済み

2024年自民党総裁選に立候補を表明した小林鷹之議員が「再生可能エネルギー普及拡大議員連盟(再エネ議連)の役員」という言説が拡散しましたが、誤りです。拡散した表は2018年のもので、本人は3月に退会を公表しています。

小林鷹之衆院議員は「再エネ議連」役員?6年前の画像が拡散、本人は退会済み【ファクトチェック】
2024年自民党総裁選に立候補を表明した小林鷹之議員が「再生可能エネルギー普及拡大議員連盟(再エネ議連)の役員」という言説が拡散しましたが、誤りです。拡散した表は2018年のもので、本人は3月に退会を公表しています。 検証対象 2024年8月19日、自民党総裁選への立候補を表明した小林氏について「再エネ議連役員が判明」という言説が拡散した。言説にはまとめサイト「トータルニュースワールド」のリンクが添付されている。 2024年8月22日時点で投稿は3200件以上リポストされ、表示回数は33万件を超える。投稿について「グローバリスト側」「ベッタリですね」というコメントの一方で「情報が古い」という指摘もある。 検証過程 再エネ議連とは 自民党の再エネ議連は、太陽光発電や風力発電などの再エネ技術の開発と実用化を促す為に2016年に設立された。2023年に洋上風力発電事業を巡る汚職事件で秋本真利事務局長(当時)が強制捜査を受けて休眠状態に。2024年3月に体制を新たに再始動している(東京新聞)。 拡散した表は2018年のもの 拡散した言説に添付された、

来日外国人の犯罪が爆増? 見出しで記事内容を歪曲

「来日外国人犯罪が爆増、重要犯罪+2000件以上 性犯罪+5000件以上」という言説が拡散しましたが、誤りです。重要犯罪、性犯罪としてあげられている数字は日本人を含む日本全体の件数であり、外国人による犯罪数の集計ではありません。

来日外国人の犯罪が爆増? 見出しで記事内容を歪曲【ファクトチェック】
「来日外国人犯罪が爆増、重要犯罪+2000件以上 性犯罪+5000件以上」という言説が拡散しましたが、誤りです。重要犯罪、性犯罪としてあげられている数字は日本人を含む日本全体の件数であり、外国人による犯罪数の集計ではありません。 検証対象 2024年8月20日、「来日外国人犯罪が爆増 前年比:重要犯罪+2000件以上 性犯罪+5000件以上」という言説が拡散した。 2024年8月23日時点で3800件以上リポストされ、表示回数は32万回を超える。投稿について「対策が必要」「入国規制して当然」とコメントがつく一方で「見出しダウト」という指摘もある。 検証過程 拡散したポストには、まとめサイト「もえるあじあ」のリンクが付いている。リンク先を確認すると、FNNの「殺人・強盗などで検挙された来日外国人が2008年以降最多に 殺人・不同意わいせつ・詐欺などの認知件数も増加 警察庁」という記事を引用元としている。 来日外国人検挙数の増加は事実 FNNは「殺人や強盗などで検挙された来日外国人が、2024年1月から7月までの間に464人にのぼり、2008年以降で

朝鮮学校の京都国際高校に高野連が出場資格を与えた? ヘイトや誤解が拡散

2024年、夏の全国高校野球で優勝した京都国際高校について「朝鮮学校が名前を変えただけなのに高野連が出場資格を与えた」などの言説が拡散しましたが、誤りです。京都国際高校は2004年に日本の「一条校」の認可を受けている高校です。また、各種学校は甲子園に限らず、インターハイなどにも出場しています。

朝鮮学校の京都国際高校に高野連が出場資格を与えた? ヘイトや誤解が拡散【ファクトチェック】
2024年、夏の全国高校野球で優勝した京都国際高校について「朝鮮学校が名前を変えただけなのに高野連が出場資格を与えた」などの言説が拡散しましたが、誤りです。京都国際高校は2004年に日本の「一条校」の認可を受けている高校です。また、各種学校は甲子園に限らず、インターハイなどにも出場しています。 検証対象 2024年夏の全国高校野球で優勝した京都国際高校に関して、「朝鮮学校が名前変えただけ」「出場資格与える高野連が悪い」などの投稿が拡散した。 投稿は8月21日時点で2000件以上のリポストと150万件以上のインプレッションを獲得している。「まさに仰る通り。キムチ国際=場違い」「校歌斉唱で特亜語が響き渡る悪夢」などといったコメントが寄せられる一方で、「朝鮮学校じゃねーよ。韓国学校だわ」「日本の学習指導要領を韓国学校で使ってるから、日本の教育やしなんの問題があるのこれ」といった指摘もある。 検証過程 「一条校」と「各種学校」 学校教育法第1条は「この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等

今週のJFC動画

「カマラ・ハリス陣営が AI を使って集会の出席者数を偽造していたことが発覚したようです」というキャプションのついた画像が拡散しましたが、パロディアカウントによるネタ画像でした。

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「情報的健康」日米韓3カ国調査(読売新聞)

偽情報 フィルターバブル エコーチェンバーにとらわれないために 「情報的健康」日米韓3か国調査
【読売新聞】人々はデジタル空間でどのように情報やニュースに接しているのか。その弊害は何か。読売新聞と国際大の山口真一准教授が日本、米国、韓国の3か国を対象に共同でアンケート調査を行いました。

いまも残る“フェイク”の影響 処理水放出から1年(NHK)

東京電力福島第一原子力発電所事故の処理水の海洋放出が始まって1年になりますが、処理水をめぐる偽情報が今も拡散し続けています。

いまも残る“フェイク”の影響 処理水放出から1年 | NHK
【NHK】東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水の海洋放出が始まって1年がたった。中国や韓国が激しく反発するなか、初めての放出…

ハリス氏の主張をファクトチェック(BBC)

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Fact-checking six of Kamala Harris’s campaign claims
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共和党の大統領候補になったトランプ氏が、人気歌手テイラー・スイフトが自身を支持しているというAIで捏造された画像をXに投稿しました。CNNの報道です。

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Taylor Swift has yet to endorse any presidential candidate this election cycle. But former President Donald Trump says he accepts the superstar’s non-existent endorsement.

EUがメタに情報提供を要求(Le Monde)

Facebookを運営するMeta社に対してEUは、投稿に関するデータを公開する取り組みの状況について、情報提供を要請しました。メタ社が投稿の追跡・分析機能を廃止したことによるものです。フランスのルモンドが報じました。

EU presses Meta on plans after disinformation tracker axed
The EU has asked Meta to provide information about its efforts to combat disinformation after a widely used tracker was taken down.

判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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理論から実践まで学べるJFCファクチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介
日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

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イワシやクジラの漂着は地震の影響?関連づける根拠やデータはない【ファクトチェック】

イワシやクジラの漂着は地震の影響?関連づける根拠やデータはない【ファクトチェック】

イワシが大量に海岸に漂着しているニュースとともに「地震の影響」といった言説が拡散していますが、根拠不明です。イワシやクジラ、イルカの海岸の漂着と地震を結びつけるデータはありません。 検証対象 北海道函館市の海岸に大量のイワシの群れが漂着した過去のニュース映像とともに「地震とかにお気をつけて下さい」「人工地震発生装置」「地震の前に打ち上げられる」などという投稿がXで拡散した(例1、例2、例3)。 検証過程 投稿に添付されていたのは、2023年12月7日に北海道函館市の海岸に大量のイワシの群れが漂着したことを伝えたANNニュースだ。 日本ファクトチェックセンター(JFC)は、大きな地震と魚やイルカ、クジラの海岸への漂着と関連性があるのかを調べた。 イワシの漂着と地震との関連 JFCは、この投稿にも使われている2023年12月のイワシ漂着に関して、福島第一原発事故の処理水放出を関連づけて拡散した言説を検証したことがある。 その際にJFCが取材した道立総合研究機構 函館水産試験場調査研究部の鈴木祐太郎主査はイワシが大量に漂着する事例は「北海道や青森県で

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小泉進次郎氏「年金受給は80歳から」? 開始年齢の選択肢を広げる発言【ファクトチェック】

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ファクトチェック機関が減っている理由と「狭義の検証」に止まらない大手メディアの役割【解説】

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「世界中のファクトチェック機関が資金難や外部圧力で岐路に立たされている」(2024年9月11日)という記事を日本経済新聞が報じました。ファクトチェック機関が減っているというデータを紹介しています。ファクトチェックはこのまま停滞・衰退していくのか。その背景と対策を解説します。 減っているのは新規参入 日経新聞の記事「ファクトチェック機関、運営岐路に 資金難や外部圧力で」が紹介したのは、米デューク大学のReporters’ Labが公開しているデータだ。2024年5月30日発表のデータによると、2022年に世界で活動しているファクトチェック機関の数は111カ国457だったが、2024年には439に減ったという。 ファクトチェック機関の多くは、この10年で誕生した。新しく生まれた組織もあれば、大手メディアの特設チームとして活動を始めたものもある。できたばかりで基盤が弱く、資金集めにも苦労するため、消えていく組織は以前から少なくなかった。 それでも、新しく生まれる組織が多いことがファクトチェック業界の急成長を支えていた。Reporters’s Labの集計では20

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