衆院補選をめぐる偽情報/政治家のなりすまし/コミュニティノートの効果【注目のファクトチェック】
2024年4月22-28日のファクトチェック週報です。4月28日に投開票が行われる衆院補選をめぐって様々な誤情報/偽情報が拡散しました。詐欺サイトに誘導する政治家のなりすましアカウントが今も次々に出現しています。新型コロナワクチンの誤情報に関してコミュニティノートが正確に機能しているという研究も。
JFCのファクトチェック記事
四国の地震で過去映像など拡散
2024年4月17日深夜、豊後水道を震源とする大きな地震が発生し、愛媛県と高知県で震度6弱を観測しました。地震発生後、無関係な過去の映像や画像が拡散しました。これは被害状況の把握や避難、救護活動に悪影響を及ぼしかねません。
「ゼレンスキー、辞職」は誤り
ウクライナのゼレンスキー大統領が辞任するとの言説が広まりましたが、誤りです。ウクライナ政府の発表はありません。ゼレンスキー政権で閣僚の一部が辞任するのではないかという議員の発言がありますが、大統領ではありません。
国民民主党玉木代表の偽アカウント出現
国民民主党の玉木雄一郎代表のX(旧Twitter)のなりすましアカウントが現れて、玉木氏が自身の公式のアカウントで注意を呼びかけています。なりすましアカウントは次々に出現し、詐欺的なサイトへの誘導や個人情報を取られる危険があるため注意が必要です。
「(動画)『裏金議員、増税メガネを選んだのは国民』と著名人が語りかけている」は誤り
著名人が選挙の投票を呼びかける動画に「裏金議員、増税メガネを選んだのは国民」などの字幕がついた投稿が拡散しましたが、誤りです。元の動画は、2022年の参議院議員選挙で政治参加や投票の大切さを訴えた動画です。字幕は後から加えられたものです。
立憲民主・泉健太代表の偽アカウント出現
立憲民主党の泉健太代表が偽アカウントへの注意を呼びかけています。政治家のなりすましアカウントは選挙への影響もありうる他、詐欺的なサイトへの誘導や個人情報を取られる危険があるため注意が必要です。
(衆院補選)「江東区では外国人学校に通う生徒の家庭に補助」はミスリード
衆院補選期間中に「江東区では税金から朝鮮学校、韓国学校、中華学校に通学する生徒の保護者に1人につき8000円が補助されています」という言説が拡散しましたが、ミスリードで不正確です。都内の多くの特別区に同様の補助施策があります。
日本共産党、宮本たけし衆議院議員の偽アカウント出現
日本共産党の宮本たけし衆議院議員が自身の偽アカウントへの注意を呼びかけています。政治家のなりすましアカウントは選挙への影響もありうる他、詐欺的なサイトへの誘導や個人情報を取られる危険があるため注意が必要です。
(衆院補選)「小池と乙武だけに警察が出動しているのは明らかに違法」は誤り
衆議院補選での街頭演説に関して「公務員が特定の政治団体に肩入れしてはいけないので、小池と乙武だけに警察が出動しているのは明らかに違法」という言説が拡散しましたが、誤りです。小池百合子氏に限らず都知事は警察の警護対象となっています。
今週のJFC動画
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ネットに広がる偽情報 社会全体で危機感共有を
4月16日にJFCなどが開催した偽情報対策シンポジウムを受けて、毎日新聞が社説。偽情報の拡大は民主主義を揺るがしかねず、非営利団体や報道機関などによるファクトチェックを広げる必要があると述べています。
Xのコミュニティノート、新型コロナワクチンの誤情報を「97%超」正確に訂正
X(旧Twitter)で投稿に他のユーザーが注釈をつけられる機能「コミュニティノート」が新型コロナワクチンに関する誤情報を97%超の割合で正確に訂正できていたという研究が発表されました。Forbesが報じています。
検証手法や判定基準については、JFCファクトチェック指針をご参照ください。検証記事を広げるため、SNSでの拡散にご協力ください。
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