能登半島地震3ヶ月、台湾地震、国際ファクトチェック調査の結果、偽広告への対応など【注目のファクトチェック】

能登半島地震3ヶ月、台湾地震、国際ファクトチェック調査の結果、偽広告への対応など【注目のファクトチェック】
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日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら

2024年4月1-7日のファクトチェック週報です。能登半島地震の発生から3ヶ月、4月3日に台湾地震が起きましたが、過去の津波の映像や関係のない画像とともに様々な偽の情報が拡散しました。誤情報の拡散は、生物多様性の縮小、大気・水・土壌の汚染、気候変動と並んで地球規模の危機だという論考をオーストラリアの王立ビクトリア協会が出しました。

偽情報対策シンポを4月16日開催 YouTubeで配信

JFCは国際大学グローバルコミュニケーションセンター(GLOCOM)と協力し、日本における偽情報の現状と対策について調べる2万人規模の調査を実施しました。そこで得られた知見を紹介し、関係者で議論するシンポジウムを都内で4月16日に開催いたします。

GLOCOMの山口真一准教授による調査の解説や、メディア、ファクトチェック団体、研究者、公的機関、プラットフォームの枠を超えて、国内外の専門家、実務家が議論する模様をJFCのYouTubeでアカウントで配信します。ぜひ、こちらからご登録ください。

偽情報対策シンポジウム 開催のお知らせ
日本ファクトチェックセンター(JFC)を運営する一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)は4月16日、偽情報対策を議論するシンポジウム「広がる偽情報にどう対抗するか -検証・教育・規制を考える-」を開催し、YouTubeでライブ配信します。 国際大学グローバルコミュニケーションセンター(GLOCOM)と協力して実施した2万人規模の調査結果を公表し、日本における偽・誤情報の実態とあるべき対策について議論します。ファクトチェック機関、メディア、研究者、メディアリテラシー研究者、プラットフォーム、官僚など、この問題に取り組むさまざまな関係者がそれぞれの立場から知見を共有していきます。 シンポジウム概要 日時:2024年4月16日(火) 14時00分~17時00分 場所:東京コンベンションホール & Hybrid スタジオ (東京都中央区京橋三丁目1-1 東京スクエアガーデン5F) ※JFCのYouTubeアカウントでライブ配信 プログラム 開会挨拶 湯本博信氏(総務省大臣官房官房総括審議官 情報通信担当) 1部:プレゼンテーション(14

JFCのファクトチェック記事

「(画像)NHKが北朝鮮の外相は横田めぐみさんだと報道」は誤り 加工された画像

北朝鮮の外相を「日本名・横田めぐみ」とNHKのニュースが伝えたかのような画像が拡散しましたが、誤りです。加工された画像で、NHKも注意を呼びかけています。

「(画像)NHKが北朝鮮の外相は横田めぐみさんだと報道」は誤り 加工された画像【ファクトチェック】
北朝鮮の外相を「日本名・横田めぐみ」とNHKのニュースが伝えたかのような画像が拡散しましたが、誤りです。加工された画像で、NHKも注意を呼びかけています。 検証対象 3月29日夜、北朝鮮のチェ・ソニ外相について「崔チェソンヒ(崔善姫)=日本名・横田めぐみ」という字幕付きの映像がNHKニュースで流されたとする画像が拡散した。投稿には「NHKでとうとう出たの!? 北朝鮮外務省 崔チェソンヒ(崔善姫)=日本名・横田めぐみってテロップ!」というコメントも付けられ、北朝鮮の外相が1977年に拉致された横田めぐみさんと同じ人物だと主張している。 この投稿は390万件の閲覧があり、1100件を超えるリポストがついた。「教えて頂きありがとうございます」「十分あり得ますね」という反応の一方で、「明らかにNHK側のテロップではないですよ」「どう見てもガセですね」と否定するコメントも多い。 検証過程 拡散した画像は、左上に「NHK NEWS」、右上に「NHK」「1月」というテロップが入っている。2024年1月に北朝鮮のチェ・ソニ外相がロシアのプーチン大統領を訪問、会談してお

「(画像)ヨーロッパの平均時給を発表 ノルウェー 51.9ユーロ(8,472円)など」は誤り 時給でなく雇用にかかるコスト

ヨーロッパの平均時給は、ノルウェー 51.9ユーロ(8,472円)、フランス 42.2ユーロ(6,889円)、ドイツ 41.3ユーロ(6,744円)などとする画像がX(旧Twitter)で拡散しましたが、誤りです。画像は一人当たりの雇用にかかる社会保険料や職業訓練費なども含めた金額を示しており、平均時給ではありません。

「(画像)ヨーロッパの平均時給を発表 ノルウェー 51.9ユーロ(8,472円)など」は誤り 時給でなく雇用にかかるコスト【ファクトチェック】
ヨーロッパの平均時給は、ノルウェー 51.9ユーロ(8,472円)、フランス 42.2ユーロ(6,889円)、ドイツ 41.3ユーロ(6,744円)などとする画像がX(旧Twitter)で拡散しましたが、誤りです。画像は一人当たりの雇用にかかる社会保険料や職業訓練費なども含めた金額を示しており、平均時給ではありません 検証対象 2024年3月28日、「ヨーロッパの平均時給が発表される」というコメントと共に、ヨーロッパの地図上に数値を入れたポストが拡散した。 平均時給はノルウェーで51.9ユーロ、フランス42.2ユーロ、ドイツ41.3ユーロ、EU平均31.8ユーロと書かれている。 ポストにはニュースシェアリングというインターネットメディアの記事のリンクもついている。記事には、複数の国の時給やEUの平均時給とする金額が書いてある。 2024年4月2日時点で16000回以上の閲覧がある。 検証過程 日本ファクトチェックセンター(JFC)はこの画像の出典を確かめた。 画像の右下に「eurostat」という文字がある。画像の左上のタイトルと組み合わせ、「

「海外で永住権をとった若者は1年間で57万人」は誤り 1年間で増えた日本人の永住者は1万7000人超

「海外で永住権をとった若者は1年間で57万人」という言説が拡散しましたが、誤りです。2023年10月1日現在、日本国外にいる永住者は57万4727人で、2022年に比べて1万7693人増えました。

「海外で永住権をとった若者は1年間で57万人」は誤り 1年間で増えた日本人の永住者は1万7000人超【ファクトチェック】
「海外で永住権をとった若者は1年間で57万人」という言説が拡散しましたが、誤りです。2023年10月1日現在、日本国外にいる永住者は57万4727人で、2022年に比べて1万7693人増えました。 検証対象 2024年3月27日、「海外で永住権を取った若者が1年間で57万人か」というポストが拡散した。このポストは4月4日現在、15.9万回以上の表示回数と400件以上のリポストを獲得している。 3月28日、当該ポストを投稿したアカウントは「訂正 海外に永住権を持つ日本国籍保持者の数が57万人になった という事らしいです」と、複数回、投稿を訂正している(投稿1、投稿2)。しかし、これらの投稿の表示回数はいずれも900回ほどで、リポストも数件にとどまっている。 検証過程 日本国外に居住している日本人(在留邦人)の統計は、外務省が毎年10月1日に「海外在留邦人数調査統計」を公表している。在留邦人は、「長期滞在者」と「永住者」の2つに分けられる。外務省によると、永住者は、在留している国などから永住権が認められ、日本から海外に生活拠点を移した日本人。長期滞在者は3

「(動画)台湾地震の津波」は誤り 東日本大震災の津波映像

2024年4月3日に台湾で発生した地震に関連し、「台湾の津波」として動画が拡散しましたが誤りです。動画は2011年の東日本大震災の際に宮城県多賀城市で撮影されたものです。

「(動画)台湾地震の津波」は誤り 東日本大震災の津波映像【ファクトチェック】
2024年4月3日に台湾で発生した地震に関連し、「台湾の津波」として動画が拡散しましたが誤りです。動画は2011年の東日本大震災の際に宮城県多賀城市で撮影されたものです。 検証対象 2024年4月3日、台湾で発生したM7.2の地震に関連して、X(旧Twitter)上で「Tsunami in Taiwan(台湾の津波)」という文言が動画付きで拡散した。動画には津波によって車が流される様子が映されている。 この投稿は2024年4月4日時点で1600回以上リポストされ、表示回数は33万回を超える。「まるで東日本大震災」というコメントが付く一方で、「これは台湾ではありません」と指摘する声もある。 検証過程 2024年4月3日、台湾でM7.2の地震が発生した。ロイターによると、4月4日時点で負傷者は1038人に達し、行方不明者は48人となっている。 拡散した動画の一部を切り出してGoogle画像検索すると、2011年3月17日に投稿され、再生回数は778万回を超える動画が見つかる。動画の概要欄には「宮城県多賀城市のイオン多賀城店4階駐車場から撮影した映像」と書

能登半島地震 「ボランティアを募集していない」は不正確

4月1日で能登半島地震の発生から3ヶ月。「ボランティアを募集していない」という言説が拡散しましたが、不正確です。募集していない自治体もありますが、被害の大きい地域を中心に人手が今も必要で、ボランティアを募集しています。

能登半島地震 「ボランティアを募集していない」は不正確 被災地域によって異なる【ファクトチェック】
4月1日で能登半島地震の発生から3ヶ月。「ボランティアを募集していない」という言説が拡散しましたが、不正確です。募集していない自治体もありますが、被害の大きい地域を中心に人手が今も必要で、ボランティアを募集しています。 検証対象 2024年3月26日、「震災から3ヶ月たったが現在ボランティアは殆どいない状況。募集をしていない、しても来ない、それは寝泊まりする場所も水も食料もないからです」という言説が拡散した。270万の閲覧と4700のリポストがあり、「3ヶ月放置?」「この惨状を伝えないメディア」などの書き込みがある一方で「随時募集しています、他府県の自治体からも応援が来てくれています」などの指摘もある。 検証過程 被害の大きい地域ではボランティアを募集している 能登半島地震では、道路の寸断や断水などの影響でボランティアの受け入れが困難な期間が長く続いた(NHK)。受け入れが始まってからもボランティアの数や活動が少ないという指摘がある(産経新聞)。 しかし、被害の大きい地域を中心に4月5日現在、ボランティアを募集している(能登半島地震・石川県災害ボラ

台湾地震で過去動画や人工地震説などの偽情報が拡散

台湾での最大震度6の地震をめぐり、発生直後から偽情報が大量に拡散しています。建物倒壊や津波などの過去動画、「原因は人工地震」など、大きな地震のたびに拡散します。

台湾地震で過去動画や人工地震説などの偽情報が拡散【ファクトチェックまとめ】
台湾での最大震度6の地震をめぐり、発生直後から偽情報が大量に拡散しています。建物倒壊や津波などの過去動画、「原因は人工地震」など、大きな地震のたびに拡散します。 検証対象 2024年4月3日の台湾地震の直後から拡散した偽情報・誤情報をいくつか例示する。 1 ビルの倒壊映像? 4月3日、「ロシアのテレグラムでは『今回の地震は中国が救出作戦を開始し、島を再統一するチャンスである』と伝えた」という書き込みと共にビルが倒壊する映像が投稿され、表示数は98万件を超えた。 2 気象庁が「人工地震」とバラす? 4月4日、「人工地震は存在する事を気象庁がバラしちゃいました」という言説が拡散した。表示回数は119万件を超える。 3 沖縄からプライベートジェットで避難? 台湾地震の影響で、日本の沖縄本島から宮古島、八重山地方にも一時津波警報が発表された。警報発令を受けて、那覇空港の滑走路上の航空機の画像と共に「こんな時お偉いさん達はプライベートジェットで緊急避難か」という言説が投稿された。4月5日現在、この投稿は削除されている。 検証過程 ビルが倒壊する

今週のファクトチェック動画:BBCニュースを装ったウクライナ政府をおとしめる動画が拡散

その他の関連記事

Fact-checking grows but concerns remain over funding, harassment, report finds

4月2日は国際ファクトチェックデー。国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)が69カ国のファクトチェック団体137から回答を得た調査結果を公表しました。非営利が53%、フルタイム職員が10人以下の組織が68%で、72%がファクトチェックをめぐってハラスメントの被害に遭っています。83%が資金難を最大の課題に挙げています。

Fact-checking grows but concerns remain over funding, harassment, report finds - Poynter
The 2023 State of the Fact-Checkers report surveyed 137 fact-checking organizations across at least 69 countries

誤情報/偽情報の急増は地球規模の危機

オーストラリアの王立ビクトリア協会が、地球規模の4つの危機の一つとして「誤情報/偽情報」の台頭をあげ、テクノロジーと心理学の両面で対策を考える必要があるという論考を出しました。テクノロジー(インターネット)に対してはプラットフォームの規制を含めた対策、そして心理学においては、クリティカルシンキングなどリテラシー教育の必要性を提言しています。

なぜなくならない?SNS有名人なりすまし広告 クリックすると…

SNSに流れてくる有名人になりすました偽のアカウント広告の問題。NHKサタデーウォッチ9が特集しました。

なぜなくならない?SNS有名人なりすまし広告 クリックすると… | NHK
【NHK】「残念で悲しくて、正直怒ってます。いいかげんにしてくれと」インタビュー取材に応じた前澤友作さんは開口一番、こう語った。S…

「紅麹」めぐりSNSで誤情報や偽動画が広がる 注意を

「小林製薬」の「紅麹」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、SNSでは「ベニコウジ色素」という食品の着色料が危険だとする誤った情報や、小林製薬の社長が記者会見で健康被害の原因について述べていない内容を述べたとする偽の動画が広がっているとNHKが報じました。

「紅麹」めぐりSNSで誤情報や偽動画が広がる 注意を | NHK
【NHK】「小林製薬」の「紅麹」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、SNSでは「ベニコウジ色素」とい…

台湾東部の地震 SNSで誤情報や偽情報広がる 「インプ稼ぎ」も

台湾東部を震源とする地震で、SNSでは能登半島地震などこれまでの災害の動画を今回のものだとする誤った情報や偽情報が広がっており、こうした情報を収益を得る目的で投稿する「インプ稼ぎ」も多く見られているとNHKが伝えています。

台湾東部の地震 SNSで誤情報や偽情報広がる 「インプ稼ぎ」も | NHK
【NHK】3日午前起きた台湾東部を震源とする地震で、SNSでは能登半島地震などこれまでの災害の動画を今回のものだとする誤った情報や…

NHKラジオがファクトチェック番組をスタート

偽情報に関して積極的に報じてきたNHKが「ファクトチェック」をテーマにしたコーナーをラジオで開始しました。毎週金曜日午後6時、「みんなのNらじ」の中の「みんなでファクトチェック」です。

聴き逃し番組を探す | らじる★らじる NHKラジオ
NHKラジオ らじる★らじる で配信している聴き逃し対象番組の一覧ページです。

判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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次々と出現する企業や著名人の偽アカウントに注意 一つの神社だけで100を超える事例も

次々と出現する企業や著名人の偽アカウントに注意 一つの神社だけで100を超える事例も

XやInstagramなどのSNSで、企業や著名人や神社などの公式を装う偽アカウントが続々と出現しています。通報されて削除されても、また新しいものが生まれる状況で、一つの神社だけで100を超える偽アカウントが確認される例もあります。日本ファクトチェックセンターだけでなく、新聞やテレビなどもこの問題を取り上げて来ましたが解決していません。 上野東照宮の偽アカウントが100を超える 東京都台東区にある上野東照宮のX公式アカウントは2025年4月22日、大量の偽アカウントがあると注意喚起の投稿をした。 「Xの上野東照宮偽アカウントが、報告しても報告しても減らず、日に日に増えるばかり、今朝数えたら120ほどありました」 Xでアカウント検索すると、プロフィール欄に「PayPayポイントをプレゼント」と書かれた上野東照宮を騙るアカウントが大量に見つかる。 神社の偽アカウントは他にも確認されている。 東京大神宮(東京都千代田区)のX公式アカウントも4月21日、「偽アカウントの存在が複数確認されました。当宮の写真を使用しておりますが一切関係ございません」と投稿している

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
日本ファクトチェックセンターは「反日左翼」? データだけ見ると「自民党の犬」? 偽情報の標的と検証対象はどう変わっていくのか

日本ファクトチェックセンターは「反日左翼」? データだけ見ると「自民党の犬」? 偽情報の標的と検証対象はどう変わっていくのか

日本ファクトチェックセンター(JFC)への批判で最も多いのは「偏っている」「検証対象を恣意的に選んでいる」というものです。「JFCは偏っていません」と口だけで反論しても説得力がありません。データを見てみましょう。 「反日」「反自民」などの批判の中身 X上での日本ファクトチェックセンターや筆者(古田)あての批判には、例えば、以下の様なものがあります。 「反日的なファクトチェック」「左翼御用達偏向機関」「反日圧力団体」「立憲民主党のサポーター」 これらの批判の多くに共通するのはJFC編集長(古田)が過去に朝日新聞で働いていたことに言及していることです。批判の論理としては「朝日新聞=反日であり、朝日新聞で働いていた古田も反日であり、現在も朝日新聞の影響下にあると見られる」というものです。 ちなみに古田が朝日新聞を辞めたのは10年前の2015年。以降、取材を受けたことやイベントのゲストに呼ばれたことはありますが、給与をもらったことや何らかの契約を交わしたり、指示を受けたりしたことはありません。また、取材を受けた回数では、朝日よりも読売新聞の方が多いです。 JF

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
ヒカキン氏「サリンは撒かれてよかったと思う」と発言? 捏造した画像【ファクトチェック】

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YouTuberのヒカキン氏が「サリンは撒かれてよかったと思う」と発言したという情報が拡散しましたが、誤りです。ヒカキン氏は過去にそのような投稿をしていません。投稿したアカウントは過去にもヒカキン氏の誤情報を拡散しています。 検証対象 2025年4月22日、「麻原大好きなHIKAKINマジでエグい」という文言と共に、ヒカキン氏のXアカウントが「サリンは撒かれて良かったと思う 今の政治は日本の魚介ぐらい終わってるからな みんなも今は亡き真の聖人麻原様に敬意を払おう」と発言しているかのような画像付き投稿が拡散した。 2025年4月24日現在、この投稿は1000件以上リポストされ、表示回数は615万回を超える。投稿について「ヒカキンさんを見る目が変わったわ」「これガチならエグすぎる」というコメントの一方で「HIKAKINの名を使ってこの記事はやり過ぎ」という指摘もある。 検証過程 投稿主は過去にも誤情報を拡散 今回拡散した投稿を発信した「麻原彰晃名言bot」は、オウム真理教の元代表麻原彰晃(本名・松本智津夫)元死刑囚の名言を紹介するbotを名乗っている。

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
日本は車の安全試験でボンネットにボウリング球を落とす?  過去に否定された誤情報【ファクトチェック】

日本は車の安全試験でボンネットにボウリング球を落とす? 過去に否定された誤情報【ファクトチェック】

アメリカのトランプ大統領が各国との関税交渉に関連して、非関税障壁の一例として日本ではボウリング球を車に落とす安全試験があると主張しましたが、誤りです。過去にも検証された誤情報です。 検証対象 4月20日、トランプ氏は自らが設立したソーシャルメディアTruth Socialで各国の非関税障壁の例を8つ記して投稿した。6番目に「Protective Technical Standards(保護技術基準)」として「Japan’s bowling ball test(日本のボウリング球テスト)」を挙げている。 検証過程 トランプ氏は、大統領1期目の2018年に同様の発言をしていた。ワシントンポストの当時の記事によると、日本では車体の耐久性を確認するために「ボーリング球テスト」があり、「車のボンネットに20フィート(約6メートル)の高さからボウリング球を落としてへこんだら不合格になる」と演説したという。 ボウリングボールを落とすテストはない 国土交通省によると、日本の自動車の製造・販売業者は、国が定める安全や環境の基準について、43項目の審査に合格したうえで

By 宮本聖二

ファクトチェック講座

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は5月28日(日)午後2時~3時半で、お申し込みはこちら。 https://jfcyousei0518.peatix.com/view 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのよう

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
JFCファクトチェッカー認定試験  教材と申し込みはこちら

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日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)