偽サイト・アカウントの見分け方 ファクトチェック週報

偽サイト・アカウントの見分け方 ファクトチェック週報
✉️
日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら

2024年1月29日-2月4日のファクトチェック週報です。能登半島地震に関する誤情報・偽情報は、避難所や支援制度に関するものが増えてきました。公的なサイトでの確認を。偽サイト・偽アカウント関連も多いため、記事で見分け方を確認してみてください。

JFCのファクトチェック記事

「ドイツで政府に不信を抱き立ち上がった国民の一揆」は誤り

「ドイツ政府への国民のデモが日本では報道されていない」などという言説が拡散しましたが、誤りです。デモは移民追放を計画していると報じられた極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に対するもので、日本でも放送、新聞各社が報道しています。

「ドイツで政府に不信を抱き立ち上がった国民の一揆」は誤り 極右政党に反対するデモ【ファクトチェック】
「ドイツ政府への国民のデモが日本では報道されていない」などという言説が拡散しましたが、誤りです。デモは移民追放を計画していると報じられた極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に対するもので、日本でも放送、新聞各社が報道しています。 検証対象 2024年1月23日に投稿されたポストでは「ドイツ政府に不信を抱き立ち上がった 国民の一揆 日本では報道されず」との文言とともに、多くの人々が集まっている動画が添付されている。この投稿は1月29日時点で360万回以上の表示と、5.2万件以上のいいねを獲得している。 また、別のポストは「ドイツ農民一揆、ベルリンでの抗議集会に一般市民も加わり、超大規模化。しかし、世界での報道は控えられている」と説明している。こちらは1月29日時点で、62.9万回以上の表示と1.1万件以上のいいねを獲得している。 検証過程 この動画はドイツ連立与党の(SPD)が公式TikTokアカウントに投稿したものだ。キャプションには「民主主義のために立ち上がる皆さんに感謝します」などと書かれている。 このデモは日本のメディアも報じている。時

無印良品などを模した偽サイトが続々と

「無印良品」などを装った偽サイトが拡散しています。プロレス団体や自治体のサイトなど、ジャンルを問いません。偽サイトに連絡先やクレジットカード情報を入力すると、不正に利用される恐れもあります。

無印良品などを模した偽サイトが続々と 個人情報を盗まれる恐れ
「無印良品」などを装った偽サイトが拡散しています。プロレス団体や自治体のサイトなど、ジャンルを問いません。偽サイトに連絡先やクレジットカード情報を入力すると、不正に利用される恐れもあります。 SNSを通じて拡散する偽サイト 無印良品の通販サイトをうたうウェブページが存在している(リンクはアーカイブ)。このサイトに誘導する広告がFacebookやInstagramなどソーシャルメディアを通じて拡散した。 正規のサイトと同じ画像を利用 偽のサイトは「M」のロゴと「無印良品」のブランド名を利用しており、「衣服、生活雑貨、食品という幅広い品ぞろえからなる品質のよい商品として、1980年に生まれました」と書かれている。 また、ウェブページに表示されている「今すぐ使える、季節の品がお買い得」というセールの画像は正規のウェブサイトに掲載されているものだ。 しかし、トップページには無印良品のロゴマークが無い。サイトのURLも「https://designhomejp.shop/」で、正規の無印良品のサイトではない。また、サイトの下部に問い合わせ先の電話番号やメールア

「(動画)エッフェル塔、ルーブル美術館が炎上」は誤り

フランス、パリにあるエッフェル塔やルーブル美術館が炎上する動画が拡散しました。本物のように見えますが、誤りです。動画はAIなどで編集されたものです。

「(動画)エッフェル塔、ルーブル美術館が炎上」は誤り AIなどで編集されている【ファクトチェック】
フランス、パリにあるエッフェル塔やルーブル美術館が炎上する動画が拡散しました。本物のように見えますが、誤りです。動画はAIなどで編集されたものです。 検証対象 2024年1月21日、エッフェル塔が炎上する動画がTikTokで拡散した。エッフェル塔の第二展望台から火が出ている様子が9秒にわたり映し出されている。 投稿は1.3万件以上シェアされ、いいねの数は19万件を超える。 2024年1月15日、X(旧Twitter)では「パリのルーブル美術館で火災」という動画付き言説が拡散した。動画には、ルーブル美術館のルーブルピラミッドが煙をあげて炎上する様子が映っている。 動画は日本でも拡散し、「あまりにもショック」といったコメントの一方で「悪質」という指摘もある。 検証過程 エッフェル塔の動画は編集されていると明記 エッフェル塔の現在の様子はイタリアのVisioRay社が運営するSkylineのインターネット上のライブカメラを通して確認することができる。2024年1月30日現在、日本ファクトチェックセンター(JFC)が確認したところ、エッフェル塔に燃えた

能登半島地震「二次避難をすると仮設住宅の抽選から漏れる」は誤り

能登半島地震で被災した珠洲市で「二次避難をすると仮設住宅の抽選から漏れる」という情報が拡散しましたが、誤りです。市は仮設住宅への入居について「抽選は予定していない」と話しています。

能登半島地震「二次避難をすると仮設住宅の抽選から漏れる」は誤り 珠洲市に抽選の予定はない【ファクトチェック】
能登半島地震で被災した珠洲市で「二次避難をすると仮設住宅の抽選から漏れる」という情報が拡散しましたが、誤りです。市は仮設住宅への入居について「抽選は予定していない」と話しています。 検証対象 2024年1月25日、Facebook上の珠洲市の災害情報を共有するグループに「二次避難などして、今いるところを出てしまうと仮設住宅の抽選から漏れる。この話は本当ですか?」との投稿があった。グループには3800人以上が参加しており、この言説は避難者の間で話題になっているという。 コメントには、「大ウソです」「市のhpを見る限り『申込書の記載内容をもとに入居地区や順序を決定します。』とあり『この条件では抽選から漏れる』というような記載は見当たりません」と、この言説の信憑性の低さを指摘するコメントが複数ある。 検証過程 珠洲市のウェブサイトでは、仮設住宅への入居者について以下の要件を公開している。 応急仮設住宅:今回の地震で居住していた家が全壊等の被害を受けて自らの力で住宅を確保できない方。 みなし仮設住宅: 1. 住宅が全壊、全焼または流失し、居住する住宅が

「フーシ派がイギリスのタンカーを破壊した動画」は不正確

「フーシ派がイギリスのタンカーを破壊した」という動画や画像つきの言説が拡散していますが、不正確です。フーシ派による船舶への攻撃は事実ですが、拡散した動画は関係のないものです。

「フーシ派がイギリスのタンカーを破壊した動画」は不正確 加山氏の炎上した船の動画などが拡散【ファクトチェック】
「フーシ派がイギリスのタンカーを破壊した」という動画や画像つきの言説が拡散していますが、不正確です。フーシ派による船舶への攻撃は事実ですが、拡散した動画は関係のないものです。 検証対象 2024年1月27日、「フーシ派が紅海でロシアの石油を積んだイギリスのタンカーを破壊、ブルームバーグ」という内容の英文ポストがX(Twitter)で拡散した。ポストには動画1本、画像2枚が添付されている。このポストは2024年1月30日現在、約13万回の表示回数と300件以上のリポストを獲得している。 検証過程 日本ファクトチェックセンター(JFC)は、動画と画像を調べた。 動画から切り出した画像で検索をかけて調べると、アラビア語のサイトで2019年9月の出典まで遡れる。UAEのシャルジャ首長国で100台以上の車両を詰んだ船が炎上したという説明がついている。少なくとも現在問題になっているフーシ派の攻撃とは無関係だ。 次に検証対象の画像2枚のうち、上の画像をGoogleで画像検索すると、スポーツニッポン新聞社の2018年の記事が見つかる。俳優で歌手の加山雄三氏の船が炎上

「(動画)東京・神奈川で発生した震度4の地震前 おかしな雲がびっしり」は誤り

2024年1月28日、東京・神奈川で発生した震度4の地震について「おかしな雲がびっしり、空に浮かんでいるな」という動画付き言説が拡散しました。これは誤りです。動画は過去に海外で撮影されたもので、28日の朝に日本で撮影されたものではありません。

「(動画)東京・神奈川で発生した震度4の地震前 おかしな雲がびっしり」は誤り 過去の海外の動画【ファクトチェック】
2024年1月28日、東京・神奈川で発生した震度4の地震について「おかしな雲がびっしり、空に浮かんでいるな」という動画付き言説が拡散しました。これは誤りです。動画は過去に海外で撮影されたもので、28日の朝に日本で撮影されたものではありません。 検証対象 2024年1月28日、東京や神奈川県などで発生した地震について「今朝、おかしな雲がびっしり空に浮かんでいるなと思って写メ撮った。そしたら #地震発生、怪しいな」という動画付き投稿が拡散した。投稿には特徴的な雲を撮影した動画が添付されている。 2024年1月31日現在、このポストは245回以上リポストされ、表示回数は77万回を超える。投稿について「地震の前触れ」というコメントの一方で「日本じゃない」とデマの可能性を指摘する声もある。 検証過程 拡散した言説の動画をGoogle画像検索で検索すると、同一の動画がTikTokで見つかる。投稿日は2023年11月で、地震が発生した2024年1月より前に撮影されたことが分かる。 動画に映っている車のナンバープレートをよく見ると、左側に赤いラインが書かれている。日

「日テレが『セクシー田中さん』の記事を全消ししている」は誤り

「日テレが『セクシー田中さん』の記事を全消ししている」との言説が拡散しましたが、誤りです。公式サイトを検索すると、検索結果は正常に表示されます。検索結果が表示されない場合は、広告ブロッカーなどの影響があると考えられます。

「日テレが『セクシー田中さん』の記事を全消ししている」は誤り 広告ブロッカーがあると表示されない【ファクトチェック】
「日テレが『セクシー田中さん』の記事を全消ししている」との言説が拡散しましたが、誤りです。公式サイトを検索すると、検索結果は正常に表示されます。検索結果が表示されない場合は、広告ブロッカーなどの影響があると考えられます。 検証対象 2024年1月29日に投稿されたポストは「日本テレビのサイトからマジ全消ししてる」などという文言とともに、日テレ公式サイトで「セクシー田中さん」「芦原妃名子」の検索結果が0件の画像を添付していた(現在はポストは消去)。 記録が確認できる1月29日時点で1000万回以上の表示と、6万件以上のいいねを獲得した。 検証過程 日本テレビ公式サイトからサイト内検索をすると、「セクシー田中さん」「芦原妃名子」の両方の検索結果は正常に表示される。 しかし、広告ブロッカーを利用すると「検索結果0件」になる場合がある。広告ブロッカーはウェブブラウザやアプリに表示される広告を非表示にするツールだ。 例えば、Chrome拡張機能AdBloxを使用した場合、検索結果が0件になる。 判定 日本テレビの自社サイトには「セクシー田中さん」や芦

JR東日本新潟支社を装ったFacebookページに注意

JR東日本新潟支社を装った偽のFacebookページが拡散しています。偽アカウントからの友達リクエストやURL等に注意してください。アクセスして個人情報を入力すると悪用される恐れがあります。

JR東日本新潟支社を装ったFacebookページに注意 SNSで広がる偽アカウント
JR東日本新潟支社を装った偽のFacebookページが拡散しています。偽アカウントからの友達リクエストやURL等に注意してください。アクセスして個人情報を入力すると悪用される恐れがあります。 公式アカウントに酷似する偽アカウント JR東日本新潟支社を装ったFacebookページが存在している(リンクはアーカイブ)。こうした偽アカウントは主にSNSを通じて拡散する。 偽物と公式のアカウントは、アカウント名(「JR東日本 新潟のってたのしい列車旅」)、ページトップ画像とプロフィール画像に大きな違いはなく、ぱっと見は同じアカウントに見える。違うのは細部だ。 細部で見分ける:少なすぎるフォロワー・いいね 例えば、偽アカウントではページの自己紹介を「不動産」としている。本物は「鉄道会社」だ。また、偽アカウントは、いいね0件、フォロワー1人。本物は、いいね5700件以上、フォロワー6800人以上だ。 2つのアカウントの「基本データ」を確認すると、本物の方のページIDやページ作成日を見ることができたが、偽アカウントは「このページはご利用いただけません」や「リンクに

「イギリス『東大卒と京大卒には無条件で就労ビザを与える』」は不正確

「イギリス『東大卒と京大卒には無条件で就労ビザを与える』」という投稿が拡散しましたが、不正確です。英国政府は実際に世界トップレベルの大学の卒業生を対象とする制度を設けていますが、ビザを取得するためには様々な条件があります。

「イギリス『東大卒と京大卒には無条件で就労ビザを与える』」は不正確 様々な条件がある【ファクトチェック】
「イギリス『東大卒と京大卒には無条件で就労ビザを与える』」という投稿が拡散しましたが、不正確です。英国政府は実際に世界トップレベルの大学の卒業生を対象とする制度を設けていますが、ビザを取得するためには様々な条件があります。 検証対象 2024年1月28日、「イギリス『東大卒と京大卒には無条件で就労ビザを与える』」という投稿が拡散した。この投稿は2024年1月31日時点で5600回リポストされ、表示回数は670万回を超える。 返信欄には「みんなJTCの学歴フィルターを批判するけどさ、海外の方が全然学歴主義」「懸命な判断」などの反応の一方で、「本当のニュース?」「2022年の記事だけど、なぜ今?」との声もある。 検証過程 拡散したポストには、まとめサイト「News Everyday」へのリンクが付いており、BBCの記事(2022年5月30日)を引用している。言説が示す「就労ビザ」は、「High Potential Individual (HPI) visa」のことだと見られ、2022年5月30日に始まった制度だ。 イギリス政府のサイトによると、申請資格が

「パルワールド」公式を装ったアカウントが出現

世界的な人気ゲーム「パルワールド」公式を装ったアカウントが出現しています。偽アカウントはNFT購入サイトへ誘導しており、詐欺に遭ったり、個人情報を悪用されたりする恐れがあります。

「パルワールド」公式を装ったアカウントが出現 NFT購入への誘導、巧妙な偽サイト
世界的な人気ゲーム「パルワールド」公式を装ったアカウントが出現しています。偽アカウントはNFT購入サイトへ誘導しており、詐欺に遭ったり、個人情報を悪用されたりする恐れがあります。 公式に酷似する偽アカウント 「パルワールド」の公式アカウントを装ったアカウントがX(旧Twitter)上に出現した。偽アカウントは、英文で、本物のアカウントへのリプライという形で1月31日に投稿(リンクはアーカイブ)しており、「パルワールドNFTが始動しました。パルワールドNFTに登録し、ゲーム内特典を獲得してください」という英文とともに、パルワールド公式を模した偽サイトへのURLを添付している。 サイトも本物に酷似 偽サイトは公式サイトの画像をそのまま流用しており、ほぼ同じように見える。 偽アカウントを見分ける:1文字違いのID 偽アカウントを見分ける方法は、Xで各アカウントに固有のIDに着目することだ。アカウント名は偽物も公式と同じ名前を名乗れるが、IDが同じアカウントは存在しない。 パルワールド公式のXアカウントは、英語版が@Palworld_EN、日本語版が@P

「テキサス州が戦争状態に突入」「アメリカで内戦」は誤り

「テキサス州が戦争状態に突入」「アメリカで内戦」などの言説が銃を構えた兵士や戦車の動画とともに拡散しましたが、誤りです。州が政府を批判して独自の移民対策をとる動きで、戦争ではありません。

「テキサス州が戦争状態に突入」「アメリカで内戦」は誤り 声明の誤訳や無関係な映像【ファクトチェック】
「テキサス州が戦争状態に突入」「アメリカで内戦」などの言説が銃を構えた兵士や戦車の動画とともに拡散しましたが、誤りです。州が政府を批判して独自の移民対策をとる動きで、戦争ではありません。 検証対象 「アメリカで内戦」などという言説がSNSで拡散している。例えば、2024年1月26日に投稿されたX(旧Twitter)のポストは「テキサス州が正式に戦争状態に突入」などという文言とともに、テキサス州のグレッグ・アボット知事の署名が入った文書の画像を添付している。 2024年2月1日現在、このポストは4200回以上リポストされ、表示回数は420万回を超える。投稿について「まじか 言われていたこと起きた」と驚く声の一方で、「ソースが見当たりませんが」と情報源について憂慮する声もある。 そのほか、戦車の映像や銃を構える兵士の映像とともに「テキサス州が戦車に州境を超えさせている」「ホワイトハウスに柵が設置」などの日本語や英語の言説もX、Telegram、Facebook、TikTokなどで拡散している(例1,例2)。 検証過程 知事声明に「連邦政府と戦争」などと

JFCの関連記事

ファクトチェックセンターが新サイト

日本ファクトチェックセンター(JFC)はこのたび、サイトをリニューアルしました。ファクトチェックだけでなく、解説や調査研究、ユーザーが自ら学べる講座などを充実させます。

ファクトチェックセンターが新サイト 解説や研究、講座など多彩に
日本ファクトチェックセンター(JFC)はこのたび、サイトをリニューアルしました。ファクトチェックだけでなく、解説や調査研究、ユーザーが自ら学べる講座などを充実させます。 誤/偽情報対策に幅広く取り組むために 福島第一原発からの処理水放出や能登半島地震にも見られるように、「フェイクニュース=誤/偽情報」の拡散は広がっています。生成AIの普及などにより、状況はさらに悪化することが見込まれます。一つ一つをファクトチェックしていくだけでは、対策として不十分です。 JFCは新サイトで新たに複数のコーナーを設けました。偽情報や情報操作の現状を深く掘り下げ、専門家インタビューなどを掲載する「解説」、大学や調査機関などと連携した「調査研究」、それらのエビデンスに基づいたファクトチェックやメディアリテラシー教育の「講座」を充実させます。 もちろんファクトチェックも強化 「ファクトチェック」のコーナーでは、誤解されることも多い「ファクトチェックとは何か」について基礎から解説。日々の検証の基本方針を定めた独自の「JFCファクトチェック指針」も公開しています。 ファクトチェ

ファクトチェックのやり方 定義・ルール・手法を解説

ファクトチェックとは「事実の検証」を意味します。不確かな情報、根拠のないデマ、陰謀論などが広がる中で、客観的・科学的な根拠に基づいて事実を確認し、拡散している言説が正確かどうかを判定します。「意見は人それぞれ」「何が事実かを誰かが決めて良いのか」などの批判もあります。ファクトチェックとは何かについて解説します。

ファクトチェックのやり方 定義・ルール・手法を解説
ファクトチェックとは「事実の検証」を意味します。不確かな情報、根拠のないデマ、陰謀論などが広がる中で、客観的・科学的な根拠に基づいて事実を確認し、拡散している言説が正確かどうかを判定します。 「意見は人それぞれ」「何が事実かを誰かが決めて良いのか」などの批判もあります。ここではファクトチェックとは何かについて、国際ファクトチェックネットワーク( International Fact-checking Network, IFCN)などの規定も参考にしつつ解説します。 ファクトチェックの国際的なルール ファクトチェックは世界中で実施されており、国際的に認められた一定のルールが存在します。 世界のファクトチェックをリードするIFCN IFCNは世界最大のファクトチェック団体の連合組織で、米ジャーナリズム研究機関ポインター研究所に本拠を置いています。2024年1月27日現在、IFCNの認証を得ているファクトチェック団体やメディアは世界に172存在します(61団体は認証リニューアル中)。日本ファクトチェックセンター(JFC)もその一つです。 IFCNはファクト

JFCの動画

能登半島地震で寄付を募る詐欺サイト

能登半島地震をめぐり、実在の寄付サイトに似せた詐欺サイトが登場しました。見分けるポイントを解説します。

その他のメディアの注目記事

NHKが「インプ稼ぎ」の実態に迫る

能登半島地震の偽情報をめぐって、ビュー数に応じた報酬を貰おうとする「インプ稼ぎ」という指摘が広がりましたが、実態は不明でした。NHKは実際にインプ稼ぎで報酬を得た人物にインタビュー。金額は少なく、舞台は経済状態が悪く、ネットでの副収入を求めるパキスタンでした。

能登半島地震の偽情報 海外から多く “インプレゾンビ”が | NHK
【NHK】能登半島地震の発生直後に旧ツイッターのXで相次いだ偽の救助要請などについて、NHKが分析したところ、多くは海外から日本語…

BBCがウクライナに対するロシアの情報工作の影響を検証

「ウクライナのゼレンスキー大統領がアメリカからの援助金で豪華ヨットを買った」という噂は、すでにファクトチェックされ、虚偽だと判明しています。しかし、この偽情報がどのようにアメリカのウクライナ支援策に影響したかをBBCが検証しました。

【検証】 「ゼレンスキー氏がヨット購入」 親ロ派の流言はいかに米軍事支援に影響したか - BBCニュース
ウクライナのゼレンスキー大統領がアメリカの援助金で豪華ヨット2隻を購入したとのうわさが飛び交った。軍事支援に関して重要な決断を下す米議員たちにも浸透した。この偽情報の計画は成功したのか。

毎週お届けするファクトチェック情報まとめ、ニュースレターをご希望の方は、下記のボタンからご登録ください。LINEで気軽に偽情報について質問できるAIボットは、記事末のQRコードからどうぞ。


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

毎週、ファクトチェック情報をまとめて届けるニュースレター登録(無料)は、上のボタンから。また、QRコード(またはこのリンク)からLINEでJFCをフォローし、気になる情報を質問すると、AIが関連性の高いJFC記事をお届けします。詳しくはこちら

もっと見る

ファクトチェック記事の増加と多様化 メディアリテラシー教育やAIツール開発など検証の実践的な知見を活用【JFC活動報告】

ファクトチェック記事の増加と多様化 メディアリテラシー教育やAIツール開発など検証の実践的な知見を活用【JFC活動報告】

日本ファクトチェックセンター(JFC)は2022年10月の設立からの活動をまとめた報告書を公開しました。詳しくはJFCサイトの「JFCとは」で章ごとにまとめていますので、そちらを御覧ください。 JFCとは日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェック(事実の検証)の実践とメディア情報リテラシーの普及に取り組む非営利組織です。民主主義の基盤であるデジタル公共空間の健全性を維持・向上させることを目的として活動します。 JFC活動報告「情報インテグリティのために」 JFCの設立経緯と組織構造:独立性を保つために JFCの設立経緯、体制、ファクトチェック組織としての独立性を保つための取り組みなどを説明しています。 JFCの設立経緯と組織構造日本ファクトチェックセンター(JFC)は、民主主義の基盤となるインターネットの言論空間の健全性を向上させることを目的とし、ファクトチェックとメディアリテラシー普及に取り組む非営利組織です。 拡散する不確かな情報について、証拠に基づいて真偽を確かめる「ファクトチェック(事実の検証)」、現代の情報環境への理解と対応力を高める「メディアリ

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
仏政府「第三次世界大戦が来る」と国民に食料備蓄指示? まとめサイトによるもの【ファクトチェック】

仏政府「第三次世界大戦が来る」と国民に食料備蓄指示? まとめサイトによるもの【ファクトチェック】

フランス政府が「第三次世界大戦が来る」として国民に食料備蓄を指示したとする投稿が拡散しましたが、誤りです。拡散した投稿はまとめサイトのXアカウントで、見出しは掲示板サイトのスレッドタイトルを引用しているのみです。 検証対象 2025年3月25日、「フランス政府、国民に食糧備蓄を指示『今年第三次世界大戦が来る』」という投稿が拡散した。この投稿は2025年3月31日までに296万回以上の閲覧回数と4500件以上のリポストを獲得している。 検証過程 検証対象のリンクは、まとめサイト「ツイッター速報〜BreakingNews」の記事だ。タイトルは掲示板サイト5ちゃんねるのスレッド「フランス政府、国民に食糧備蓄を指示『今年第三次世界大戦が来る』」で、The People’s Voice(TPV)が2025年3月20日に配信した記事「France Orders Citizens to Stockpile Food: “World War 3 Is Coming This Year”」を引用元にしている。 TPVは「大手メディアの扱わないニュースを扱うことで読者に真

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
運営委員会報告書及び監査委員会報告書を公開

運営委員会報告書及び監査委員会報告書を公開

運営委員会報告書及び監査委員会報告書を公開しましたのでお知らせいたします。JFCでは運営委員会を設置し、編集部がファクトチェックガイドラインに則って検証を実施しているかなど評価しています。運営委員会の内容は、運営委員会報告書として掲載されます。 また運営委員会と編集部全体のガバナンスが適正か確認する監査委員会を設置し、運営委員会報告書を閲覧するなどして監査を行っています。監査委員会の内容は監査委員会報告書として掲載されます。  なおこれらの適切な運用を図るためにルールを制定しており、「日本ファクトチェックセンター設置規程」(規程全文はこちら)及び「日本ファクトチェックセンター監査委員会運営規程」(規程全文はこちら)を公開しています。 これからもJFCは透明性確保のため、情報公開に努めて参ります。 運営委員会報告書2024年12月12日(報告書全文はこちら) 第1 運営委員の任命並びに委員長及び副委員長等の任命プロセス 第2 編集部メンバーの採用等編集に関わる人員 第3 外部機関との連携 第4 プラットフォーマー連携 第5 ファクトチェック記事の公開状況 第6 財務報告 第7 国

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
ファクトチェック業界の資金難と広がるコラボ IFCN報告書から見える世界の現状とは

ファクトチェック業界の資金難と広がるコラボ IFCN報告書から見える世界の現状とは

世界のファクトチェックをリードする国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)が、業界の現状をまとめた「ファクトチェッカー実態レポート」2024年版を公開しました。 IFCNの認証を受けた世界182のファクトチェック団体を対象に2025年1-2月にアンケートを実施。67カ国141団体から回答を得ました。4月2日の国際ファクトチェックデーを前にした毎年恒例の公開で、過去分はこちら(2018, 2019, 2020, 2021, 2022, 2023)。 30ページの英文レポートからは、Metaのファクトチェックプログラムの廃止などで資金難がさらに厳しくなっている現状と、収入の多様化や業界を超えたコラボレーションの広がりが見て取れます。 日本ファクトチェックセンター(JFC)はこれらの状況も踏まえ、日本での偽・誤情報、ファクトチェック、メディアリテラシーなどに関して、調和のとれた情報生態系を目指す「情報インテグリティシンポジウム」を4月2日に開催します。 会場とオンラインのハイブリッド開催です。参加や視聴のお申し込みなどはこちらからどうぞ。レポートに関する解説もあります

By 古田大輔(Daisuke Furuta)

ファクトチェック講座

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は4月19日(土)午後2時~3時半で、お申し込みはこちら。 https://jfcyousei0419.peatix.com/ 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのような知識と

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
JFCファクトチェッカー認定試験  教材と申し込みはこちら

JFCファクトチェッカー認定試験  教材と申し込みはこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)