クルド人問題で柴田阿弥氏「嫌なら日本人が引っ越せばいい」と発言?【ファクトチェック】
埼玉県川口市のクルド人に関して、フリーアナウンサー柴田阿弥氏が「嫌なら日本人が引っ越せばいい」と発言したという言説が拡散しましたが、誤りです。柴田氏はインターネット番組で、日本人は国内で自由に引っ越せるとは指摘しましたが「嫌なら日本人が引っ越せばいい」とは発言していません。
検証対象
2024年2月25日、ジャーナリストの石井孝明氏が、フリーアナウンサーの柴田阿弥氏について「クルド人問題で日本人が引っ越せばいいと本当に言ったのでしょうか。これタレント永久追放レベルに(原文ママ)発言でしょうに、拡散希望」とポスト し、拡散した(2月26日までに削除済み)。
石井氏の投稿は2月25日のX上のポストを引用投稿したもので、すでに削除されたその元投稿が、柴田氏が「嫌なら日本人が引っ越せばいい」と発言したと主張していた。
検証過程
拡散したポストのもととなったのは、2024年2月22日配信のインターネットテレビ番組「ABEMA Prime」に出演した柴田阿弥氏の発言だ。番組では埼玉県川口市の「クルド人問題」をテーマに、クルド人の当事者、川口市議会議員らが討論した。出演者の一人が柴田氏だった。
YouTube上で公開されている番組動画を日本ファクトチェックセンター(JFC)が確認したところ、柴田氏の発言は主に14分54秒から16分18秒にかけてだった。
柴田氏は川口市での刑法犯認知件数が減少していることを指摘した上で、「引越し」に関わる発言として以下のように述べた。
「『共生不可なんですね』となったら別に引っ越しできちゃうんで、日本人は。人口がどんどん流出しちゃうというだけだと思うんですよ。共生するための政策と犯罪を取り締まるのは両立できる」
番組内で「嫌なら日本人が引っ越せばいい」という発言はなかった。柴田氏自身も「そのような旨は全く言っておりません」と2月25日にポストしている。
判定
柴田氏は番組内で日本人は引越しが可能であると発言しているが、「嫌なら日本人が引っ越せばいい」とは発言していない。「柴田阿弥氏、『嫌なら日本人が引っ越せばいい』と発言」は誤り。
検証:高橋篤史
編集:古田大輔
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