「イグハラ:存在自体がハラスメント」をテレビが解説?【ファクトチェック】
テレビ局のニュース番組で「イグハラ(存在自体がハラスメント)」を紹介したとされる画像が拡散しましたが、誤りです。この画像は元々別のアカウントがネタ画像として投稿したもので、現実のニュース番組ではありません。
検証対象
2024年2月14日、「"イグハラ"とか出た当時は笑い話扱いだったんだけど、チー牛という概念にあらゆるヘイトが集まっていく昨今の𝕏 を見ていると『存在自体が罪』ってのがマジで洒落にならなくなってきてんね」というポストが拡散した。投稿には様々なハラスメントを紹介する画像が添付されている。この投稿は2月16日現在、151万回以上の表示と1.2万件以上のいいねを獲得している。
返信欄では「ハラスメントつければなんでも正当化できると思ってそう。やってることが子供のイジメと変わらない」「イグハラってもう独裁スイッチじゃん…」などの反応があった。
検証過程
この画像は元々は別のアカウント(以下、画像制作者)がネタ画像として投稿したものだ。2021年2月17日の元投稿では「ハラスメント最終形態 #こんなハラスメントはいやだ」という文言とともに同じ画像が添付されている。画像制作者は、最初の投稿から6分後には「Photoshopかと思いきやAfterEffectsで作成しました!」とネタバラシをしており、編集画面を公開している。
今回、検証対象となっている投稿が拡散した2024年2月14日、画像制作者はこの画像が実際の番組映像と異なる部分について、自ら解説している。
1.横浜の最高気温が38度に対して最低気温が2度と不自然
2.画像制作者の名前とアカウントが表示されている
3.ワイプに写っているのは「いらすとや」の画像
また、「画像そのものじゃなくて画像をいったんモニタに映してスマホカメラで撮るだけで圧倒的なリアリティを得れるんだなと学びました」とも投稿している。
判定
画像は元々はネタ画像として投稿された。よって誤りと判定した。
あとがき
「イグハラ」という言葉自体は、ネット上で昔から存在します。検索キーワードの量を調べるGoogleトレンドでは、2004年8月まで遡れます。ただし、セクハラやパワハラなどと比べると、ほぼゼロに近いぐらいに広がっていない言葉です。
冗談で作られた架空の画像が、現実であるかのように広がることもあります。投稿元の確認や関連情報の検索をするようにしましょう。
検証:本橋瑞紀
編集:藤森かもめ、古田大輔
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