沖縄都市モノレール(ゆいレール)の駅名表示は中国語の方が大きい?【ファクトチェック】
沖縄都市モノレール(ゆいレール)の駅名表示が「日本の文字より中国語の方が大きい」という言説が拡散していますが、不正確です。メイン看板では日本語が最も大きく、補完する看板に中国語や英語、ハングル表記が日本語とともにあります。
検証対象
2024年3月4日、沖縄県那覇市にある、ゆいレールの県庁前駅のホームの写真とともに、「なんで日本語より中国語の方が大きいん?」と疑問を投げかけるポストが拡散した。587万の閲覧数があり、「日本語と英語だけでいいだろ」「どこの国って感じ」など共感する書き込みがある一方、「沖縄は観光客が多いから柱ごとに言語を書いているだけ」と、拡散したポストを「切り取りだ」と指摘するリポストもある。
同様の言説は5年前にも拡散。Jcastニュースが日本語より韓国語などの方が目立つ?、沖縄都市モノレール 駅名標に「違和感」の声(2019年02月4日付)」という記事を配信している。「海外からの乗客にも目立つようにしたから」という説明を紹介している。
検証過程
日本ファクトチェックセンター(JFC)はゆいレールを運行する沖縄都市モノレールに取材した。
ゆいレール各駅では、日本語のほか、観光客向けに英語、ハングル文字、繁体字(台湾や香港・マカオで使用)、簡体字(中国本土やシンガポールなどで使用)で駅名を表記している。沖縄都市モノレール営業企画部によると、看板には様々なものがあり、位置によって使い分けているという。
まず、ホームでの駅名のメインの表示は日本語が最も大きい。
このメイン表示を補完するものとして柱の駅名表記がある。外国語を上にしているのは「インバウンドの方が、どの駅にいるのか認識しやすくするため」だ。
さらに「県庁前駅」の駅舎の外側には、日本語の「県庁前駅」の文字が大きく書かれた看板がある。大きい日本語表記の下に英語があり、その下に繁体字、簡体字、ハングル文字で書かれている。
判定
沖縄ゆいレールの駅名表示はまずメインの看板で日本語で大きく表記している。拡散した画像は、海外からの観光客向けの補完として各国言語を大きめに表記しているもの。つまり、「中国語が日本語よりも大きい」というのは一部の看板での表記に限ったもので不正確(ミスリード)と判定する。
あとがき
沖縄本島には米軍の軍人軍属とその家族4万7300人が住んでおり、県人口の3%以上に当たります。(2011年現在、沖縄県「本県の米軍基地の概況」14ページ)。
沖縄県 令和5年11月 入域観光客統計概況によると、2023年は11月だけで外国人観光客が9万1100人、最も多いのが台湾3万4300人、ついで韓国2万4400人、香港1万700人、中国6400人で、4つの国と地域が外国人観光客の83%を占めました。
検証:宮本聖二
編集:藤森かもめ、野上英文、古田大輔
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