キッチンのカレンダーが燃えた画像?【ファクトチェック】

キッチンのカレンダーが燃えた画像?【ファクトチェック】

「キッチンで調理中にカレンダーに引火した」という画像が拡散しましたが、誤りです。投稿者が次の日に「AIで生成したもので火災は起きていません」と投稿しています。

検証対象

2024年5月12日、「カレンダーに引火してオッペンハイマーしてもうた」「皆んなもくれぐれも火のそばに可燃物は置かないように気をつけようね」という画像付きの言説が拡散した。画像は、コンロやカレンダーの周りに煤のようなクロっぽい汚れがある。

この投稿は7000件以上リポストされ、表示回数は1900万件を超える。5月16日現在、投稿は削除されている。投稿について「火事にならなくて良かった」「大丈夫」というコメントの一方で「AIって分かんない人こんなに居るんだな」という投稿もある。

検証過程

燃えた後の画像と寸分たがわぬ元画像

このアカウントは拡散した投稿の前に同じレイアウトのキッチンの画像をあげていた。

画像左下の洗剤は実際に発売されている商品だ。燃えたとするカレンダーも大成建設から同じレイアウトの2024年版カレンダーが制作されている。

画像の基本的なレイアウトが同じことから、拡散した画像は、実際の風景を撮影したものを元に部分的に加工した可能性が高い。

五徳の形が壊れるほどの火災?

拡散した画像の細部を確認すると、カレンダーが燃える程度の火の強さに耐えるはずの五徳の形が崩れている。

また、カレンダー内のイラストが火事のようなイラストに変わり、数字と文字が崩れている。

「AIで生成」と投稿主

拡散した画像を投稿したアカウントは、翌5月13日、「昨日の火災後の画像はAIで生成したもの」「実際には自宅のキッチンで火災は起きていません」「ご迷惑おかけし誠に申し訳ございませんでした」などと投稿している。

この投稿は現在削除されている。

判定

「キッチンのカレンダーに引火」は誤り。画像はAIによるものだと投稿者が否定している。

あとがき

投稿者は、画像が拡散した翌日に「AIで生成した」と説明し、「火災への注意喚起だった」と書いています。

こうした画像の投稿は、本人の想像以上に拡散して、多くの人を驚かせたり、不安を掻き立てることもあり、慎重に取り扱う必要があります。

検証:木山竣策
編集:宮本聖二、野上英文、藤森かもめ


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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