福岡銀行、3月14日の取り付け騒ぎに備え行員に通知?【ファクトチェック】
「福岡銀行が行員に3月14日に取り付け騒ぎが起こることに備える通知をした」という言説が拡散しましたが、誤りです。誤情報の発信を繰り返すアカウントの投稿で、福岡銀行は「そのような事実はない」と否定しています。
検証対象
2024年3月3日、「福岡銀行から、3月14日に取り付け騒ぎが起こることに備えて行員に通知がありました。これは噂でも推測でもない。私を信じてください!」との投稿が拡散した。
この投稿は2024年3月4日時点で1200回リポストされ、表示回数は130万回を超えている。
返信欄には「クレカも使えなくなると困るよね😿💳」「福岡銀行が事態に備えているというのは聞いて安心しました」との声の一方、「公式が否定してるで」「何故この状況で取り付け騒ぎですか?仮に本当だっとしてインサイダーになりませんか??(原文ママ)」と疑問を呈する投稿もある。
検証過程
この投稿の拡散を受け、福岡銀行はウェブサイトで「当行が3月14日に取り付け騒ぎが起こることに備えて行員に通知をしたという内容の投稿がございますが、そのような事実はございません」「また、経営・資金繰りなど全く問題ございませんので、安心してお取引ください」とのコメントを発表し、この言説を否定した。
言説を投稿したアカウントは過去に「三井住友銀行から大切なお知らせ 『貯蓄預金の取扱終了』銀行辞めました」「米軍が紅海でイラン軍と開戦。WW3の狼煙が上がりました」「ビルゲイツの会社が燃えている」といった誤った情報を繰り返し投稿している。
3月4日午後にYahooニュースにITジャーナリストの篠原修司氏が投稿内容を否定する記事を出すと、投稿主はこの記事を引用する形で「事実確認が取れていない情報を発信した」とXで謝罪した。
判定
拡散した言説の投稿主は過去にも事実と異なる投稿を繰り返している。また、投稿の拡散を受け、福岡銀行が公式に言説を否定するコメントを出し、投稿主本人も謝罪した。よって誤りと判定した。
あとがき
金融機関をめぐる取り付け騒ぎとしては、1973年の豊川信用金庫事件がよく知られています。高校生が豊川信用金庫に就職が決まった友人に「信用金庫は危ないよ」と冗談を言ったところ、その話が噂となって急激に広がり、20数億円が引き出される取り付け騒ぎとなりました(読売新聞)。悪意のない冗談ですら、大規模な混乱につながる恐れがあります。注意しましょう。
検証:住友千花
編集:野上英文、古田大輔
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