無印良品などを模した偽サイトが続々と 個人情報を盗まれる恐れ

無印良品などを模した偽サイトが続々と 個人情報を盗まれる恐れ

「無印良品」などを装った偽サイトが拡散しています。プロレス団体や自治体のサイトなど、ジャンルを問いません。偽サイトに連絡先やクレジットカード情報を入力すると、不正に利用される恐れもあります。

SNSを通じて拡散する偽サイト

無印良品の通販サイトをうたうウェブページが存在している(リンクはアーカイブ)。このサイトに誘導する広告がFacebookやInstagramなどソーシャルメディアを通じて拡散した。

正規のサイトと同じ画像を利用

偽のサイトは「M」のロゴと「無印良品」のブランド名を利用しており、「衣服、生活雑貨、食品という幅広い品ぞろえからなる品質のよい商品として、1980年に生まれました」と書かれている。

また、ウェブページに表示されている「今すぐ使える、季節の品がお買い得」というセールの画像は正規のウェブサイトに掲載されているものだ。

しかし、トップページには無印良品のロゴマークが無い。サイトのURLも「https://designhomejp.shop/」で、正規の無印良品のサイトではない。また、サイトの下部に問い合わせ先の電話番号やメールアドレスの記載はない。「に連絡をつける」「私たちに参加して」などの不自然な表現や改行もある。

無印良品の通販サイトをうたったウェブページ

無印良品の通販サイトをうたった偽のサイト

本物との違いは


Google検索で「無印良品 通販」と検索すると、検索結果のトップに無印良品の正規サイトが出てくる。

Google検索の結果

正規サイトの左上には「MUJI」のロゴがあり、URLは「https://www.muji.com/jp/ja/store」(日本版)だ。

無印良品の正規の通販サイト

良品計画、偽の通販サイトの注意喚起

良品計画は2024年1月16日、正規のサイトに「悪質サイト、偽サイトにご注意ください」という「お知らせ」を配信した。同様の注意喚起をX(旧Twitter)にもポストしている。

良品計画は、偽サイトを利用すると、IDやパスワード等の個人情報の詐取、支払い後に商品が届かなかったり、偽の商品が届いたりすることやクレジットカードを不正に使われる危険性があると注意を呼びかけている。

偽サイトは続々と 公式か確認を

大日本プロレスは2024年1月23日、「SNS上にて大日本プロレスの大会の配信を騙り偽サイトに誘導するアカウントが確認されております」とXで注意を呼びかけ、公式HP(https://bjw.co.jp)での確認を呼びかけた。

下関市も2024年1月22日、「『しもマル』アカウントから、Facebookの個人アカウントに友達リクエストが送られるという報告がありますが、(下関市が運営する)『しもマル.net』とは全く関係のない偽アカウントです」とXで投稿した。

既存サイトに似た偽サイトを使った詐欺の手口はネット上に蔓延しており、次々と新たな偽サイトが生まれている。特にSNS広告などで公式を装ってURLをクリックさせる手法が多いため、個人情報を入力する前に、そのサイトが公式のものかGoogle検索してみたり、URLを見たりして確認することが必要だ。

検証:高橋篤史、住友千花
編集:藤森かもめ、宮本聖二、野上英文、古田大輔

判定基準などは、JFCファクトチェック指針をご参照ください。検証記事を広げるため、XFacebookYouTubeInstagramでのフォロー・拡散をよろしくお願いします。毎週、ファクトチェック情報をまとめて届けるニュースレター登録は、上のボタンかこちらからどうぞ。

また、こちらのQRコード(またはこのリンク)からLINEでJFCをフォローし、真偽が気になる情報について質問すると、AIが関連性の高い過去のJFC記事をお届けします。詳しくはこちらの記事を

もっと見る

東京新聞編集局の偽Xアカウントが出現 公式が注意喚起

東京新聞編集局の偽Xアカウントが出現 公式が注意喚起

東京新聞編集局の偽Xアカウントが出現しています。公式アカウントが「投資の勧誘をする『なりすまし』アカウントが確認されています。東京新聞とは全く関係ありません」と注意を呼びかけています。 リプライに投資を呼びかける偽アカウント X(旧Twitter)で東京新聞編集局の投稿にリプライ形式で投資を呼びかけるなりすましのアカウントが出現した。 2024年5月8日、東京新聞編集局の公式アカウントが「『東京新聞編集局』を名乗って、同じアイコン、背景を使って投資の勧誘をする『なりすまし』アカウントが確認されています。東京新聞とは全く関係ありません」と注意を呼びかけている。 なりすましアカウントは、公式アカウントの投稿にツリー形式で表示されるリプライを付けている。公式アカウントと同じアイコンでLINEの友達追加を促している。 公式アカウントは8万以上のフォロワーがいるのに対し、偽アカウントは5月9日15時の時点で0人だ。またIDも英数字の羅列になっている。 あとがき 著名人のなりすましアカウントや偽の広告がSNSに次々と出てきています。詐欺サイトへの誘導や個人情報

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
杉田水脈氏「『民族衣装のコスプレおばさん』なんて投稿していない」 は誤り 自身が国会で認め、記録も存在【ファクトチェック】

杉田水脈氏「『民族衣装のコスプレおばさん』なんて投稿していない」 は誤り 自身が国会で認め、記録も存在【ファクトチェック】

自民党の杉田水脈衆議院議員が「そもそも『民族衣装のコスプレおばさん』なんて投稿していません」とX(旧Twitter)に投稿しましたが、誤りです。2016年2月に投稿した記録がアーカイブで残っており、2022年11月の参議院予算委員会で杉田氏自身も認めています。 検証対象 2024年5月2日、自民党の杉田水脈衆議院議員がX(旧Twitter)で、「杉田水脈議員の在日コリアン投稿 人権侵犯と認定 大阪法務局」というNHKの記事(2023年10月)を否定した。 杉田氏は、NHK記事を引用した別アカウントに返信する形で「残念ながらこのNHKの記事、事実とは程遠いです。そもそも『民族衣装のコスプレおばさん』なんて投稿していませんし」などと主張している。 2024年5月7日時点で、杉田氏のポストは180万回以上の視聴と3600回のリポストがあり、引用元のコメントにも37万回以上の閲覧がある。 検証過程 日本ファクトチェックセンター(JFC)は、杉田氏が「民族衣装のコスプレおばさん」と投稿したかどうかを調べた。 「大阪法務局が杉田氏を人権侵犯と認定」と各社が報

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「日本政府がコロナワクチン接種者の献血を禁止」は誤り 接種から一定期間経過すれば献血できる【ファクトチェック】

「日本政府がコロナワクチン接種者の献血を禁止」は誤り 接種から一定期間経過すれば献血できる【ファクトチェック】

日本政府がコロナワクチンを接種した人の献血を禁止するという言説が拡散しましたが、誤りです。日本赤十字社では接種から一定期間が経過すれば献血を受け入れています。「ワクチン接種者の献血禁止」は繰り返し拡散しています。 検証対象 2024年5月1日、X(旧Twitter)で、「日本政府はワクチンを接種した人の献血を禁止。"汚染された血液"」というコメントと、岸田文雄首相の写真を付けたポストが拡散した。ポストは、科学者を名乗る人物の英文の投稿「Japan to ban vaccinated people from donating ‘tainted blood’」を引用している。 5月7日から8日にかけてこの投稿はXによって削除されたが、120万を超える閲覧数があり、「80%の日本人のは、もう献血できない」「日本赤十字社どうするんだろうね?」 と言ったコメントがついたほか、「こないだ献血しましたよワクチン2回と問診にこたえてますが」という投稿に疑問を投げかけるコメントもあった。 検証過程 日本ファクトチェックセンター(JFC)は、厚生労働省医薬局血液対策課に取

By 宮本聖二
政治関連の偽・誤情報の拡散/SNS規制求める声/AIがもたらす危機【注目のファクトチェック】

政治関連の偽・誤情報の拡散/SNS規制求める声/AIがもたらす危機【注目のファクトチェック】

✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。 衆院補選の影響もあり、政治関連の偽・誤情報が拡散しました。こういった状況を受けて、各社の世論調査ではSNS規制を求める声が高まっています。法的な規制には、言論の自由への悪影響も懸念されており、慎重な議論が必要ですが、同時にAIなどで広がる危機への素早い対策も求められています。 JFCのファクトチェック記事 「衆院補選、8時に当確はおかしい、不正選挙だ」は誤り 衆院補選について「開票が始まっていないのに当確が出たのは不正選挙」という言説が拡散しましたが、誤りです。報道各社が事前取材と有権者への調査などに基づいて投票締め切り直後に当選確実を報じたもので、一般的な手法です。 「衆院補選、8時に当確はおかしい、不正選挙だ」は誤り 出口調査や事前の取材によるゼロ票打ち【ファクトチェック】衆院補選について「開票が始まっていないのに当確が出たのは不正選挙」という

By 宮本聖二, 古田大輔(Daisuke Furuta)