著名人なりすましアカウントで広がる新しい手口 リプライで紛れ込む偽物に注意
著名人のSNSアカウントになりすます新たな手口が広がっています。同じプロフィール画像と名前を使って、一連の投稿に紛れ込む手法です。偽アカウントはLINEの投資グループへの参加を促していますが、個人情報を取られたり、詐欺被害にあったりする恐れがあります。
作家や政治家など続々と標的に
X(旧Twitter)上で、作家の門田隆将氏が3月6日に投稿した内容に「最近、いくつかの日本株を観察しました。上昇の変動が大きく、短期間で150%の利益を得ることができます」とリプライした投稿がある。このリプライを投稿したアカウントは門田氏と同じプロフィール画像、プロフィール欄、アカウント名だ。まるで本人が1つの投稿にリプライをつなげる形で投稿をする「ツリー状のリプライ」をしているように見える。
Yahoo!リアルタイム検索で同じような文言のX投稿を探すと、原口一博氏や鳩山由紀夫氏など、同じパターンで、著名人を名乗るなりすましアカウントが多数ヒットした(例1、例2、例3)。
偽アカウントによるリプライにはLINEの友達追加や投資を促すリンクが貼られ、こうした投稿は2024年2月ごろから急増している。LINEを使った投資勧誘はトラブルに繋がる恐れがある(NHK)。
また、2024年3月7日12時時点で原口一博氏を名乗っていたアカウントは、3月7日午後3時時点でアカウント名を経済評論家、三橋貴明氏の名前に変更している。1つのアカウントで次々と複数の著名人になりすましているようだ。
IDやフォロワー数に注目する
Xで偽アカウントを見分けるには、各アカウントの固有IDに注目する方法がある。IDが同じアカウントは存在しない。例えば、鳩山由紀夫氏本人のアカウントは「@hatoyamayukio」であるのに対し、今回のなりすましアカウントのIDは不規則な数字とアルファベットの羅列だった。
また、プロフィール欄を確認するとフォロワー数が少ないことがほとんどだ。著名人のアカウントをコピーしても、フォロワー数は急激には増えない。鳩山氏のXアカウントのフォロワー数は81万を超えるが、偽アカウントはゼロだった。
SNSで広がる詐欺に注意
日本ファクトチェックセンター(JFC)では、偽アカウントや偽サイトについて注意を呼びかける記事を公開しています。URLを開く前にそのアカウントが本物かどうか、プロフィール欄などをみて確認することが必要です。
検証:木山竣策
編集:野上英文、古田大輔
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