(画像)アトレティコ・マドリードのファンがパレスチナを応援している?【ファクトチェック】

(画像)アトレティコ・マドリードのファンがパレスチナを応援している?【ファクトチェック】

イスラエル・パレスチナでの武力衝突に関連し、スペインのサッカーチーム「アトレティコ・マドリード」のサポーターがスタジアムでパレスチナの旗を掲げている画像付き言説が拡散しましたが、誤りです。この画像はAIで生成されたものです。

検証対象

2023年10月18日、X(旧Twitter)上でスペインにある強豪サッカーチーム「アトレティコ・マドリード」のサポーターがパレスチナの旗を掲げている画像が拡散した。このポストは1.9万件以上リポストされ、表示回数は396.4万件を超える。

画像

検証過程

画像の詳細をよく見ていく。画像左下で手を掲げるサポーターたちの腕が極端に細くて長い点(オレンジ丸)、腕とユニフォームが同化している点(黄丸)など、AIが生成する画像に特有な細部の不自然な描写が多数確認できる。

黄枠内の看板に注目すると、文字が崩れてしまっている事が確認できる。AI画像の特徴の1つとして、描画しきれなかった不明瞭な文字が挙げられる。

画像

この画像を元にGoogleで検索をしたが、InstagramやTikTokなど複数のSNSで拡散されている一方、メディアによる撮影画像とは一致しなかった。

IFCN加盟のインドのファクトチェックサイトBOOMもこの画像がAIによって生成されたものであると結論づけている。

判定

X上で大きく拡散したが、AI特有の不自然な描写があり、画像は誤りと判定した。

検証:リサーチチーム
編集:古田大輔

イスラエル・パレスチナに関するファクトチェック

イスラエル・パレスチナ情勢をめぐり大量の誤情報/偽情報 検証方法を解説【ファクトチェックまとめ】
イスラエル・パレスチナの武力衝突に関連し、大量の誤情報/偽情報が世界的に拡散しています。互いの憎悪を煽るような投稿もあり、混乱に拍車をかけています。日本ファクトチェックセンター(JFC)がこれまでに検証した事例とともに、対応策をまとめました。 ※新たな検証があれば記事を更新します(最終更新2023年11月17日)。 対立煽る誤情報/偽情報 間違った情報に関して、一般的には「フェイクニュース」や「デマ」という言葉が使われることが多いですが、その内実は複雑です。 真偽が不確かな情報で社会が混乱する「情報汚染」を情報の意図と正誤で3つに分類すると、図のようになります。「誤情報:意図的ではないが誤っている」「悪意ある情報:意図的だが誤っていない」「偽情報:意図的に誤っている」の3つです。 ロシアとウクライナの戦争がそうであるように、イスラエル・パレスチナをめぐっても、大量の誤情報/偽情報/悪意ある情報が拡散しています。情報汚染は対立を煽り、混乱を悪化させます。発信元の確認や他の情報源との比較をするようにしましょう。 誤情報/偽情報の検証方法 大量に流れる情

検証手法や判定基準などに関する解説は、JFCサイトのファクトチェック指針をご参照ください。

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