イスラエル・パレスチナ情勢をめぐり大量の誤情報/偽情報 検証方法を解説【ファクトチェックまとめ】
イスラエル・パレスチナの武力衝突に関連し、大量の誤情報/偽情報が世界的に拡散しています。互いの憎悪を煽るような投稿もあり、混乱に拍車をかけています。日本ファクトチェックセンター(JFC)がこれまでに検証した事例とともに、対応策をまとめました。
※新たな検証があれば記事を更新します(最終更新2023年11月17日)。
対立煽る誤情報/偽情報
間違った情報に関して、一般的には「フェイクニュース」や「デマ」という言葉が使われることが多いですが、その内実は複雑です。
真偽が不確かな情報で社会が混乱する「情報汚染」を情報の意図と正誤で3つに分類すると、図のようになります。「誤情報:意図的ではないが誤っている」「悪意ある情報:意図的だが誤っていない」「偽情報:意図的に誤っている」の3つです。
ロシアとウクライナの戦争がそうであるように、イスラエル・パレスチナをめぐっても、大量の誤情報/偽情報/悪意ある情報が拡散しています。情報汚染は対立を煽り、混乱を悪化させます。発信元の確認や他の情報源との比較をするようにしましょう。
誤情報/偽情報の検証方法
大量に流れる情報のすべてを詳細に検証することは不可能です。しかし、自分が目にした情報については、その信頼性について簡単なチェックをすることは難しくありません。ポイントは以下の通りです。
- 発信元を確認する(個人でもメディアでも)
- 発信元の名前を検索して素性を確認する(匿名でも参照情報はあるはず)
- 映像の場合はオリジナルをいつどこで誰が投稿したか探す
- メディアや公的機関、専門家が発信する関連情報と比較する
「マスゴミが報じない真実」などという言葉に注意しましょう。真実ではないから報道されていない可能性もあります。メディアや公的機関が正しいとは限りませんが、それらを批判する人が正しいとも限りません。
情報の検証や基礎となる知識については、以下の連載で解説しています。
まずは検証の4ステップと「横読み」から
大量の情報を前に、検証といっても何から手を付ければわからないという人は、以下の4ステップを参考にしてみてください。
- 発信元を見る
- 疑義の指摘を確認する
- メディア・公的機関・当事者の発信と比較する
- ソースを探す
「疑義の指摘を確認する」で重要なのは、疑義を指摘している側が正しいとは限らないということを忘れないことです。疑義の指摘自体のソースも確認しましょう。
そして、これらの確認のステップを効率的に実施するために役立つのが「横読み(ラテラル・リーディング)」です。ネットを見ているブラウザのタブを複数開いて、目にした情報の発信源の名前や関連情報を隣のタブで検索してみましょう。
以下は、JFCによるファクトチェック事例です。随時更新します。
生成AIを使った事例
映像を改変して捏造する事例
日時や場所が異なる映像を流用する事例
ゲーム映像を流用する事例
その他
海外のまとめ記事の紹介
イスラエル・パレスチナに関する誤情報/偽情報の氾濫に対し、世界中の報道機関やファクトチェック組織が検証事例や対応策をまとめた記事を公開しています。Google翻訳などを使えば日本語でも読めます。
検証手法や判定基準などに関する解説は、JFCサイトのファクトチェック指針をご参照ください。
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