トランプ大統領、就任が2ヵ月早まった? パーティーでの「提案」【ファクトチェック】
アメリカのトランプ次期大統領が就任を2カ月早めるとする投稿が拡散しましたが、誤りです。自身の別荘でのパーティーでの発言で、実現する見通しはありません。
検証対象
2024年11月16日、アメリカのトランプ次期大統領が就任を2ヵ月早めるという投稿がXで拡散した。「もう就任しちゃうんですって」「トランプ大統領は、先日のマーアーラゴでのパーティーで、大統領就任を2カ月早めるという斬新な計画を発表🎉🎉🎉」と述べている。
投稿には、イギリスのMail Onlineの画像を日本語化したような画像がついており、「トランプ大統領が筋肉隆々のケネディ・ジュニアに5語の警告を発し、マール・ア・ラゴでのパーティーで任期を早めることを提案」という不自然な日本語がついている。
2024年11月18日現在、この投稿は500件以上リポストされ、表示回数は11万件を超える。投稿について「アメリカでの出来事は日本にも影響する…。」「前倒し✨だって、待てないんだもの。」というコメントが付いている。
検証過程
2024年の米大統領選挙で勝利したトランプ氏の大統領就任式は、2025年1月20日となっている(U.S. GSA)。
現職のバイデン大統領とトランプ氏は11月13日、大統領選挙後にホワイトハウスで初めて会談し、共に「スムーズな」政権移行を確認しあった(BBC)。この記事では、トランプ氏が「1月20日の就任式に向け、新政権の人選を続けている」とも報じている。
検証対象の投稿には、アメブロというブログサイトのリンクがあり、そこから画像のMail onlineの記事が見つかる。記事の冒頭には、検証対象の画像と同様の動画がある。
動画の下部についているテキスト部分は、検証対象のものとは異なるが、日本語訳すると以下の通りだ。
「トランプ大統領が2ヶ月早い任期開始を提案。スライ・スタローン、『最初の相棒』イーロン・マスクなど豪華スターが揃ったマール・ア・ラーゴのパーティーで。準備を進めるMAGAの既存秩序の破壊者たち」
記事冒頭の動画を確認すると0:38ごろから、トランプ氏はこう語っている。
「私たちは、株式市場でも経済的にも、ほぼ毎日のように新記録を樹立しています。唯一の問題は、議長、重要だと思うのですが、おそらく法案を可決するべきです。私の任期を11月5日から始めなければいけません、OK?または11月6日でもいいです。というのも市場は急上昇しています。熱意が倍増しています」
これは、パーティーでの発言であって、実際に法案が審議されているわけでも、可決されたわけでもない。パーティーが開催されたのは11月15日で、そもそも5日を過ぎている。
判定
トランプ氏は11月初旬から任期を始める法案を可決するべきだとパーティーで発言したが、可決されたわけではない。よって、誤りと判定する。
検証:リサーチチーム
編集:古田大輔
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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