米大統領選挙 投票用紙の細工でトランプ票が無効に? 選管や共和党側も否定【ファクトチェック】
アメリカ大統領選のケンタッキー州の期日前投票の用紙に細工があり、トランプ氏への投票が無効になるという言説が画像とともに拡散しましたが、誤りです。選挙管理委員会や共和党側も否定しています。
検証対象
2024年11月3日、ハリス氏の欄に黒い点がある投票用紙の画像とともに「ケンタッキー州で奇妙な投票用紙がある。候補者のボックスに何らかのマークがあれば他の用紙に交換してもらわなければならない」と主張する言説が拡散し、570万以上の閲覧があった。
この投稿をもとに「細工によってトランプ票が無効になる」という言説が日本でも拡散した。
11月6日現在69万以上の閲覧と6000を超えている。「カマラ不正が目立ちますね」「カマラへの投票か無効票になるわけですかね」と同調するコメントが多数ついている一方で、「印刷ミスくらいあるんちゃう」などの書き込みもある。
選挙管理当局が否定
11月4日、拡散した投稿に対してケンタッキー州選挙管理当局は以下の声明を出し、投稿の内容を否定した。
「事前に印刷された投票用紙が、選挙管理当局や警察に提出された事例はなく、ケンタッキー州でマークが記入された投票用紙があるという主張はSNSにしか存在ない」
共和党所属でケンタッキー州のマイケル・アダムズ州務長官は「SNSのインフルエンサーたちは、ファクトではなく目玉(点)に関心がある」と、この言説を否定する投稿をした。
メディア各社も検証
この言説は、メディア各社がケンタッキー州選挙管理委員会の声明をもとに不正確(ミスリード)もしくは誤りと判定するファクトチェック記事を出している(AFP、USA TODAY、Reuters)。
選挙結果は
ケンタッキー州では開票が進み、トランプ氏が勝利している(AP通信)。
判定
アメリカ大統領選のケンタッキー州の期日前投票の用紙に細工があり、トランプ票が無効になる選挙不正だという言説が拡散したが、誤り。選挙管理当局も共和党側も否定している。
検証:宮本聖二
編集:古田大輔
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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