イランのヘリ事故でライシ大統領は無事?【ファクトチェック】
イランのライシ大統領らが乗るヘリコプターが墜落した事故をめぐって、大統領がヘリコプターから降りる画像を添付して「大統領は無事だ」と主張する言説が拡散しました。しかし、拡散した画像は、2022年7月にライシ大統領が豪雨の被災地を視察した際のもので、誤りです。
検証対象
2024年5月19日午後、イラン・イスラム共和国のライシ大統領が搭乗していたヘリコプターがイラン北西部の山中に墜落する事故があり、大統領とアブドラヒアン外相が死亡したとイランの国営通信が伝えた(NHK)。
事故発生後、安否が確認できない段階で、X(旧Twitter)でヘリコプターから降りるライシ大統領の画像を添付して「ライシ大統領が生存していた」と主張するポストが日本でも拡散した。
このポストは5月20日現在3万7000回以上Xで表示され、200件以上のリポストがあった。リプライや引用リポストには「良かった、安心しました」「ライシ大統領、無事で何よりです」といった声が寄せられた一方で、情報の信憑性を疑う意見もあった。
検証過程
添付されている画像を「Google画像検索」で検索すると、2022年7月30日(現地時間)にイラン大統領府が公開した画像が見つかった(イラン大統領府ウェブサイト)。
英語版のページではタイトルに「visiting the flooded village of Mazdaran in Firuzkuh」とあり、ライシ大統領が2022年7月の豪雨で被害を受けた地域を視察した際のものだ。
また、同じ写真は、報道写真のアーカイブ「Alamy」でも提供しており、そこには2022年7月30日に撮影したものだというメタデータがついている。
判定
イラン大統領が搭乗するヘリコプター墜落事故で拡散した「ヘリコプターから降りるライシ大統領」の画像は誤り。この画像は2022年7月に撮影されたもの。
検証:リサーチチーム
編集:宮本聖二、藤森かもめ、野上英文、古田大輔
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