(画像)トランプ大統領がバイデンに大差をつけている?【ファクトチェック】
「トランプ大統領がバイデンに大差をつけているとロイターが報じている」という言説が拡散しましたが、誤りです。画像はロイター通信とは関係がなく、選挙結果をシミュレーションできるWebサイト「270toWin」で作成された地図をもとにしたものです。
検証対象
2023年9月17日、「ロイターが9月8日〜14日にかけて実施した世論調査結果によると、トランプ大統領がバイデンに大差をつけていることが明らかになりました」という投稿がX(Twitter)で拡散した。
トランプ前大統領を支持する州を共和党カラーの赤、バイデン大統領を支持する州を民主党カラーの青で色分けした米国の地図画像も添付している。この投稿は2023年9月29日時点で3500回以上リポストされ、表示回数は244万回を超える。
リプライ欄には「素晴らしい結果」などの声の一方で、「fake news」「ソースが見当たらない」と指摘するツイートもある。
検証過程
この画像をGoogle画像検索すると、「ロイター通信による世論調査」として2023年9月16日に拡散した英語の投稿が見つかる。
この投稿に対して、ロイター通信自身が9月20日にファクトチェック記事を配信し、「ロイターはソーシャルメディア上で拡散している世論調査を公表していない。また、州や選挙区レベルまで細分化した世論調査結果は公表しない」と述べて、誤りだと結論づけている。
またこのファクトチェック記事に「この地図には、世論調査と選挙予想を集約し、ユーザーが仮説的な選挙結果の様々なシナリオをシミュレーションできるWebサイト『270toWin』のロゴが含まれている」とも書いている。
270toWinは、アメリカ大統領選を予測するウェブサイトで、大統領選候補者が270人の選挙人をどのように獲得するかの予想をマップ上で作成できる。ロイター記事は270toWin広報担当者の「ロイターとの関係はない」という説明を紹介している。
ロイターが実際に実施した世論調査の結果は、この画像とは大きく異なる。2023年9月15日にロイター通信とイプソスが共同で出した世論調査によると、バイデン大統領がトランプ前大統領と互角で得票率はともに39%、有権者の5人に1人が投票先が未定となっている。
判定
「トランプ大統領がバイデンに大差をつけているとロイターが報じている」という言説は誤り。言説が根拠にしている画像は、ロイターが作成したものではない。
検証:堀祐理、木山竣策
編集:古田大輔、藤森かもめ、野上英文、宮本聖二
検証手法や判定基準などに関する解説は、JFCサイトのファクトチェック指針をご参照ください。
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